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004 序章 おっさんの冒険 序ー4 ミスだらけの女神

またしても天界にきた大谷。

運のなさは、とことんついて回る。

 4話 序章 おっさんの冒険

 

 序ー4 ミスだらけの女神


 ふと目を開けると、また薄明るい空間に私は座り込んでいた。壁はない。


 遠くで、えぐえぐ泣いている女の声がした。


 「ご……な……さい。ご……め……な……さい。ごめ……さ……」


 えぐえぐ泣いていて、かなり不明瞭なんだが、どうやら誰かに謝っているらしい。

 そして、一向に泣き止む様子もなかった。

 いつまで泣いているんだろう。


 (一体どうして泣いているんです?)

 声に気が付いたのか、彼女は慌ててこちらにやってきた。

 

 この女性とは以前に一回会ってる。やたらと服の薄い豊満な体つきの若い顔の天使だ。たぶん。

 よく見ると涙に濡れた顔もチャーミングだ。


 「私のミスなんです。まさか、まさか、まさか、あんな事になるなんて…… ごめんなさい。主神様。許してください。ごめんなさい。ごめんなさい」

 (はぁ?どうやら私に謝っているわけじゃないんだな)


 「いえ、違います。貴方があんな事になるなんて思いもしませんでした。すみません。すみません」


 ……

 

 (もう終わった事だ。訳も分からないままだったが、死んでしまったしな。せっかく体を用意してもらったが無駄になったな。お役目ごくろーさん)

 私は彼女を慰めようと思って言ったのだが……。


 「いえ、このままでは主神様に顔向けできません。どうか貴方に別の人生を導かせて下さい。主神様から強く強く言われてます!」

 「このままじゃ私……」

 

 (その前にあの六人はどうなったんだ?)

 「彼らはこれから訓練を受けてあの国の勇者パーティとして冒険に行くのです」

 (冒険? どんな冒険を?)

 「勇者パーティですから魔王討伐です」


 お約束きた。(はぁ。やっぱりそうですか。それで、私はこれからどういう風になるのです?)

 と聞いているうちに周りが白くなってきた。


 タイムアウトか。

 たしか魂をそのままの形で留めておくのには時間的制限があるとかなんとか、異世界小説で読んだな。

 魂が崩れてしまうので、長くは留めておく事ができないとかいう話だった。


 天使か何かわからない女が何かを言ってるのだが、もう聞こえなかった。

 そのまま私は白い光に包まれてそこをあとにしたのだった。


 えぐえぐ泣いていた、あのやたらと服が薄くて豊満な体の若い天使風の女は何が言いたかったのだろう……。


 そういえば、自己紹介がなかったせいで名前すら聞いていなかった……。


 そして彼女が『天使』じゃなくて『女神』だという事を知ったのは、相当、相当後の事だった。


 ……

 ……

 

こうして、大谷は新たな人生を与えられて、異世界に降り立ちます。

冒険の始まりです……

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