249 第20章 第三王都とベルベラディ 20-36 第第三王都の南で討伐任務その後5
鍛冶仕事に復帰したマリーネこと大谷。
鍛冶屋での日々が始まったのだが、なかなか自分の鉄剣を直す時間が持てない。
三日目にしてやっと、剣を直し始める。
249話 第20章 第三王都とベルベラディ
20-36 第三王都の南で討伐任務その後5
翌日。
起きてやるのはストレッチから。何時もの様に柔軟体操をこなす。
剣を持って下に行き、井戸端で顔を洗って、まずは空手から、護身術。そしてダガー二本の謎格闘術。それから剣の素振り。二刀流の剣も、いつも通りだ。
一通り終えて、顔を洗う。
今日からまた、鍛冶のお仕事だな。
取り合えず、今日は大きい方の鉄剣は持っていく。応急処置的な研ぎ直しはしたが、広い鍛冶場でもう一度ちゃんと点検して研ぎ直しだ。
小さいポーチの方は中身はそのままでいいのだが、トークンは鍛冶ギルドのも入れておく。いつ必要になるか分からない。今後は毎日持っていく事にしよう。
紫色の作業服に着替える。そして、何時もの靴。首には階級章と鍛冶ギルドの標章。首はスカーフを巻いておく。
腰には右にダガーを一本ぶら下げた。
リュックには、何時もの様に、頭と顔に巻く白い布。革のエプロンと革の手袋、革のマント。そして自分のハンマー。タオル。
もう、行く準備は出来たが、その前にまずは朝食。
朝食は何時もの様にドアの下に差し込まれて置いていった。
あの足音は、マチルドじゃないな。コローナでもない。男性っぽい。
置かれていった朝食を見る。
何時もの様な、一次発酵したパンとスープ。薄切りした燻製肉を焼いたもの。
厨房の人が置いていったのだろうか。
それを食べて、荷物を背負って鍛冶の工房に向かう。
「おはようございます」
私は、久しぶりになった工房で挨拶をして中に入る。
「おお。あっちの仕事は終わったようだね」
出迎えてくれたのはゼワン。
そしてケニヤルケス親方も出てきた。
「無事戻ったようだね。ヴィンセント殿。ところでまたその剣を背負っているが、どうしたのだね」
「親方様、おはようございます。この剣は、今回の、任務で、大分使いました。それで、少し手入れが、必要に、なりました」
ケニヤルケスの右眉が跳ね上がったが、その後、ニヤッと笑った。
「なるほど。ヴィンセント殿ならば、武器の手直しも、当然自分で。という事だな」
「さあ、荷物を降ろして。他の人にも挨拶をしてきなさい」
親方に促され、休憩室兼研ぎ部屋で荷物を降ろす。
今日は皆、炉の方らしいな。
扉を開けると鍛冶場の騒音。また、ここに戻ってこれたようだ。
私が炉の方に行くと、皆の手が止まった。
「おはようございます。また、よろしく、お願いします」
お辞儀すると、周りの騒音の中、皆からお帰りの声があちこちから聞こえた。
とりあえずは、さっきの部屋に戻り、頭にまずは布をかぶり、それから革のエプロン。自分のハンマーをエプロンポケットに差し込む。そして、目の下から口の所を覆って後ろで縛り、喉の所もスカーフを取って何時もの布を巻く。最後に自分専用の革手袋をする。
鍛冶の身支度が出来た。
私がやるべき作業は、まずは作っていなかった粘土の型からだったのだが、もうゼワンが鋳型を作り、鉄を流し込んで、叩く前の状態にしてあった。
それをゼワンが持ってきて、私に寄越した。
「忘れているといけないから、言っておくが、まずは大きい鉈からだ。鋳型は私が作って、もう流してある。ヴィンセント殿なら、自分でどんな型でも作るだろうからな」
出来上がっている原型を受け取って、まずは『やっとこ』で掴んで熱するところからだ。
何時もの様に、見極めの目で温度を確かめ、そして叩き始める。
叩いている時に、つい、昨日の図書館で見た、血塗られた王家の話の部分を思い出し、ハンマーのリズムが乱れた。
「どうなされた。ヴィンセント殿」
横で叩いていたゼワンが訊いてくる。
「すみません。何でもありません」
危ない危ない。本の内容を思い出している場合じゃない。そんなのは、休みの時間でいいのだ。
今は集中力がいる作業なのだ。
見極めの目。叩いては密度を上げ整えていく叩き。今は熱を保ちながらひたすら叩く段階だ。
……
そしてお昼。
ここで出るお昼は、大きな葉っぱに包まれた燻製肉に何か、施したものが出るのだ。
今回はどんなものだろうな。
手を合わせる。
「いただきます」
葉っぱを開けてみる。と、かなり分厚い燻製肉の真ん中に二つ穴が開いていて何かが詰めてある。今回はこの片方のものが問題だ。
紫色をしたジャムのような代物が詰まっているのだ。
ちょっと舐めてみると、かなり甘酸っぱい味だ。
うーむ。
周りを見ると、このジャムのようなものを肉や穴に詰め込んだパンに付けて食べている。
やはり、そうやって食べるんだろうな。
私も同じようにして食べ始める。このジャムのような代物は、燻製肉のかなりしょっぱい味とは合っていない。
流石にこれは、よく分からないな。
四苦八苦してやっと、全部食べ終える。
ケネットがまた、容器に水を入れて持ってきてくれていた。
それを飲み干す。
「ごちそうさまでした」
手を合わせる。少しお辞儀。
そこにベルカイムがやって来た。
「ヴィンセント殿は、どうやら、今回のピケネスは苦手らしいね」
「ピケネス? どれがそういう名前のものですか?」
「紫色のものがあったでしょう」
「あ。はい。甘酸っぱい、ものでした」
「甘酸っぱい味は苦手だったのかな」
「いえ。嫌いでは、ありません。肉の味と、あっていない、気が、したのです」
「ここの仕事は水分をかなり失う激務だ。こういうものが体にいいらしいよ。よくは知らないけどね」
そういって彼は笑い、それから他の人のいる方に行ってしまった。
そうか。糖分を強制的に取らせているのだろうな。そうでもしないと、ここの人はお菓子など食べそうにないし。
他にも色々栄養分が入っていたのかもしれない。
お昼を食べ終えた彼らは、また何か話をしていた。
それはカーラパーサ湖のほうで船を増やす計画があるらしく、造船用の大工道具がだいぶ発注されるだろうという噂話が流れてきているという。
西岸側はベルベラディの方が近いのだが、その造船所で作業が大量に出るかどうかが、焦点だという様な話をしていた。
「それは、王国の、帆船の、ようなものを、作るという、話ですか?」
話に加わっていたエイクロイドに訊いてみた。
「私はあまりムウェルタナ湖の方にはいかないからなぁ。王国の軍団の船は殆ど知らないんだ」
「普通の、商船を、造る、という、話ですか」
そこに、ゼワンも会話に加わった。
「まあ、輸送用の船を作るんだろう。カーラパーサ湖は、どちらかと言えばテパ島からムウェル河の入り口、ハガ港くらいまでの距離しかないんだから、そんなに大がかりな船を作る必要もないとは思う」
「漁船なら、漁業ギルドから大工ギルドに発注になる筈ですね」
ベルカイムがそう言った。
「今回の噂話は西から来た行商人からなんだそうだ」
エイクロイドがそういうとベルカイムが溜息を吐いた。
「ニーレの街からの発注だと、ベルベラディと取り合いになるなぁ。あまり争いたくないね」
そこに、ミューロックがやって来た。
「まあ、その辺は監査官様が割り振ることになるだろうよ。ニーレだと、第三王都とベルベラディの中間になるから、揉めるのは、上だって判ってるだろう。それにニーレの東のガルアを無視もできんだろうさ」
そういって、ミューロックは水を飲んでから腕を組んだ。
「しかし、造船となれば、大工ギルドも相当に人数が必要だな。冒険者ギルドの青銅階級にまで応援要請が出るかもしれん。それでも足りなければ、一般技術者ギルドの方も対象だ。そうなると一時的とはいえ、かなり道具が必要になるだろう」
「材料が、かなり要りますね」
私がそういうとミューロックが頷いた。
「どこかの大商会が買い占めて値段が跳ね上がる前に、かなり多めに買った方がよさそうだ。ディールと話が必要だな」
そういって、彼は立ち上がり、二階に行ってしまった。
そうか。こういう造船とかでも冒険者ギルドの一番下の階級は駆り出されるのだな。人気のない肉体労働が廻されてくるから、それは道路工事と治水工事だと言っていたが、造船も、かぁ。給金が良くないと一般技術者の人たちは、行かないだろうな。
雑談はおしまいらしい。
午後の作業である。
午後の作業も午前中と変わらない。
時々、水を飲みながら、延々と飴色の鉄を叩く作業である。
かなり密度も整っては来たが、今日は終わりである。
夕方になってしまった。鉄剣を整備する時間は取れなかった。
それは、後日にするしかない。
この日は、鉄剣は置いて行く事にする。
翌日。
この日も作業は同じだ。
大きな鉈の形をした鋳物を叩いていき、刃物に仕上げていく作業だ。
刃渡りはだいたい五〇センチ強。私のブロードソードより一回り短いくらいの刃物だが、背中側が厚い。分厚い大きな菜切り包丁というべきなのか。
柄の部分に差し込む方も二〇センチ強ある。そこも叩いておかないと、力が入った時にそこから砕ける。
根元部分は特に慎重に叩いていき、強度を上げていく。これは刃の方から、手元の方に向かってやや細くなる形で、途中に二か所、穴が開いている。柄に止めるための穴だ。
時々、水を飲みながら延々と叩いていくだけの作業である。
やや速いペースで、どんどん叩いていく。
まだまだ、叩かなければならない。
お昼休みでは、鋸のための鋼板は王国の専売だから、どこの商会が仕入れても、値段を上げるのは商業ギルドが許さないだろうという事だった。
そうなると普通の鉄塊や砥石が上がりそうな感じだ。どのくらい船を作るのだろうという話になった。
どこの商会もまだ、確実な情報は掴んでいなさそうだ。
午後も、ひたすら大きな鉈を叩いていく作業が続く。
この日も終わりなのだが、一回焼き入れ。
そして、この日は終わりである。
そして、叩き始めて三日目。もう一度焼き入れをする。
そこにケニヤルケス親方がやって来た。
明日は自分の剣を直すのをやっていいと言われた。
翌日。
親方の許可が出ているので、自分の剣を見ていく。
一応、応急処置的な研ぎ直しはしたが、もう一度、しっかり見ておこうという訳だ。
長い板を当てる。
大きな鉄剣は僅かに歪んでいた。空中から落ちて、剣を地面に刺した時に、私が勢いを殺すのに足を剣の腹に当てたからだ。
やはり、影響があったのか。
そこで火を入れて、叩いていく。剣が分厚いので熱が回るまでにも時間がかかる。
そして歪みを直すために細かく叩いていく。
少し叩いては、歪みが取れたか確認するので、時間がかかる。
この作業が夕方までかかり、研ぎ直しは出来なかった。
翌日。
いつも通りのルーティーンを終えて工房へと行く。
朝から、休憩室兼研ぎ部屋で自分の剣の研ぎ直しをするのだが、剣先は何とかまともに研ぎ直せてあるのだが、横っ腹がそうはいかない。
全体をほんの一ミリ以下、研ぐのにも時間がかかる。
先端の一〇センチを除き、七〇センチほどの刃を四面研がなくてはいけないのだ。
黙々と研いでいると、お昼をだいぶ回った時間に、冒険者ギルドの方からまたしても人が来た。
「ヴィンセント殿。冒険者ギルドの方が見えられています」
ブロールが駆け込んできた。
「はい。今、行きます」
刃に水をかけてから、剣を拭いて剣先を上にして壁に立てかける。
工房の外に行く。
「何でしょう」
またしても、見たことのない係官だった。金髪で長身だが、顔はかなり四角い。耳は尖って長く、やや後方へ倒れ気味だ。あまり見たことのない顔立ちだ。
「マッグコード。ロディヴァン・マッグコードと言います。ヴィンセント殿。支部長から、今回の討伐の報酬などが決まったので、本日、来て欲しいとの事です」
「はい」
「それと、今回の討伐完了のお祝いもあるそうです」
「分かりました。えっと。これから、戻って、着替えますから、少しお待ちください」
「いいですとも。その間に、ここの責任者に説明しておきますよ」
「ありがとうございます」
それだけ言うと、私は中に入って、エプロンと手袋を取って、リュックに詰め込んだ。
そしてリュックを背負う。
鉄剣は置いていくしかない。
私は、工房を出て走り出し、下宿に戻る。
部屋に入ると、大急ぎで着替える。何時もの服ではなく、赤い服を着た。腰にはブロードソード。
小さいポーチに、トークンが入っているのを確認。袈裟懸けに掛けて、上着を着る。首には白いスカーフだ。
そして、ハーフブーツを履いた。
急いで部屋の鍵を掛けて、廊下先の階段を降りると、マチルドに出会った。
「お嬢様、どうされたのですか」
「また、冒険者ギルドに、呼ばれました。今日は、任務じゃないから。でも、食事会が、あって、夜遅くなるかも、しれません。夕方の食事は、私のは、出さなくて、いいです。行ってきます」
「行ってらっしゃいませ。お嬢様」
マチルドは深々とお辞儀している。
急いで工房前に戻ると、先ほどの係官が既に馬車に乗って待っていた。
「ヴィンセント殿。横にどうぞ」
とはいうものの、御者台は高い。飛び乗って脚を掛け、ステーに掴って、横に座る。落ちないようにステーを握りしめておく必要がある。
それを見ていたマッグコード係官は、ふっと笑顔を見せた。そして、アルパカ馬に鞭を入れるや、荷馬車は走り出した。
そこそこの速い速度で、荷馬車は進む。
横に座っている係官は全く無口だった。
「そういえば、もう一人の、副支部長殿の方は、どうなったのか、ご存じですか」
私はこの係官に訊いてみた。
「ユニオール副支部長の事ですね? 昨日戻られました。あちらの方も大変だったようです」
「討伐が、終わったのは、よかったですね」
私がそう言ったのだが、彼はあまりいい顔をしていない。
「だいぶ、周りの被害が大きかったらしく。船が相当沈んだそうです」
!
「それは水棲魔物が、多数、出たと、いう事ですか」
「その辺りは、副支部長にお尋ねください」
「分かりました」
そうか。カーラパーサ湖の東岸にある、レイクマという町の近くに行ったのだったな。
レイクマか。かなりうろ覚えだが、カーラパーサ湖の東岸というより、一番南東の方にある町だった気がする。あそこは港があるのだろうか。
そこで、水棲魔獣か何かが暴れて、船がだいぶやられたというのが、今回の事件だったのか。
で、それはカーラパーサ湖の北東に注ぎ込むアガワタ河の横にある町、ニーレの方の商会の輸送船だったと。たぶんだが。
それで商業ギルドは船の損害云々はともかく、新たに輸送船を作る必要があるという事になったのだな。陸路でもいいじゃないか。とは思うのだが、湖を使えるとかなり沢山を、それなりに早く運べるという事だろうな。しかし、直ぐには完成しないから、暫くは荷馬車という事になるだろう。
そうだ。ギルドの方には地図があるはずだ。それを見せてもらおう。
だいぶかかって荷馬車は第一商業地区に入った。あの時のバーリリンド係官は、もの凄い勢いで鞭を入れて、飛ばしていたんだった。
そして程なくして、冒険者ギルドの前に到着。
「着きました。ヴィンセント殿」
「ありがとうございました」
私は簡単にお礼を言って、荷馬車を降りる。
何というか、もう入り口に入る前から、中の熱気が伝わって来そうな感じ。会話が外にまで漏れている。
仕方ないな。扉を開ける。
中は支部員で一杯だ。
「マリーネ・ヴィンセント。出頭しました」
声を上げると、ぴたっと会話が止まり、一斉に中にいた支部員たちが私の方を見る。
会話が止まるだけでなく、みんな凍り付いたような雰囲気だ。
私は、そのままロビーを横切って、カウンターの前まで移動する。
「あ、あれが、テッセンの生まれ変わり、なのか……」
「あれ、じゃないだろう、あのお方、だ」
「服は赤いけど、髪の毛は赤くないぞ」
「本当に、背が小さいな」
周りでこそこそとした会話が聞こえ始めた。
「係官殿。支部長様は、どちらでしょうか」
私が声を張り上げると、バーリリンド係官が急いでやって来た。
「ヴィンセント殿。支部長は、奥の部屋です」
「分かりました」
私は周りのひそひそ話を無視して、奥に行く。支部長の部屋だ。
そこで少し確かめなければならない事があるのだ。
それは、今回の討伐の報酬ではない。実際の所、いくらか出るのならそれでいいと思ってるし、金額は問題ではない。
それよりも、確かめなければならないのは、地理的な位置だ。
私は扉をノックした。
「ヴィンセントです。出頭しました」
「おお、もう来たのだね。入りなさい」
中から支部長の声がした。
「失礼します」
扉を開けて中に入ると、支部長と副支部長のヴァルデゴードともう一人がいる。
「ああ。ヴィンセント殿。まずは座りたまえ」
支部長にそういわれて、座面の低い長椅子に座る。
「今日は、あの時着てきた服のようだね。ヴィンセント殿」
支部長はそんな事を言いながら、少し書面に目を通している。
「そうだ。ユニオールには会ったことが無いのだな。彼がエルヴァン・ユニオールだ。ヴァルデゴードと一緒に副支部長をやって貰っている」
支部長がそういうと、その男性が立ち上がって、こちらにやって来た。
髪の毛は金髪。ほっそりした顔。身長は二メートル程。細い眉で金色の瞳。彫りの深い顔で顎はやや尖っている印象を受けるが美形と言って問題なかろう。顔の印象はヴァルデゴードとは少し違い、鋭い印象を受けるが。
なんでまあ、ここはイケメンが多いのか。トドマの方とは人種が違うらしいな。
「ヴィンセント殿。お初にお目にかかる。色々とお噂はお聞きしている。今後ともよろしくお願いするよ」
彼は右手を胸に当てると、軽くお辞儀をした。
私も立とうと思ったのだが、それはユニオールに制された。
「ああ、座ったままで結構」
そういって、彼はヴァルデゴード副支部長のいる方に戻った。
「さて、今回の報酬なのだが」
「支部長様」
「どうしたのだね。ヴィンセント殿」
私は小さなポーチから冒険者ギルドの代用通貨を取り出す。
「私は、金額は、お任せしていますので、細かい説明は、結構で、ございます」
代用通貨を支部長に渡した。
「ふむ。如何にも、ヴィンセント殿らしい」
「良かろう。それよりも、何か聞きたいことがあるという顔だね。ヴィンセント殿は」
つづく
週末になると、冒険者ギルドの係官がやって来た。
どうやら、前回の任務の報酬が出るらしい。マリーネこと大谷は冒険者ギルドの方に向かう。
次回 第三王都の南で討伐任務その後6
マリーネこと大谷は、支部で確かめたいことがあった。
それは任務で行った場所の位置関係だ。
第三王都の支部が行くべき場所とは思えなかったからである。