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246 第20章 第三王都とベルベラディ 20-33 第三王都の南で討伐任務その後2

 王都ではやや貴重な鳥肉料理も振舞われる。

 そんな時に、支部長は副支部長に、マリーネこと大谷と練習試合をしてみる気はないかと持ちかけるのだが、副支部長は、それを断るのだった。

 

 246話 第20章 第三王都とベルベラディ

 

 20-33 第三王都の南で討伐任務その後2

 

 更に料理が出てくる。

 今度は、鳥の料理だ。ただ、骨は取り除かれている。食べてみると、この味は間違いなく。

 

 「リーナスよ。お前は、ヴィンセント殿と腕試ししてみる気はあるか?」

 支部長は早速、鳥料理に(かじ)り付いてから、副支部長を見た。

 「なぜですか」

 やはり鳥料理に齧り付いてた副支部長が、支部長の方を見た。

 

 「お前は日頃から剣技を学びたいと言っておったし、お前と並ぶほどの剣技の持ち主は、あのケンブルクくらいだったが、ケンブルクは、ムラっ気が大きいでな。その点、ヴィンセント殿なら、そういう事もない」

 

 副支部長は暫くの間、黙り込んだ。

 

 「それは、たぶん私にも、ヴィンセント殿にも、あまり利点はないかと」

 「ほう。どうしてだ」

 「ヴィンセント殿のあの身長は、私の半分ほどです。まず対等にはならない。その上で、あの腕前です」

 副支部長は一瞬、こちらを見たが、すぐに料理の方に戻った。

 

 「あの彼女の剣技や、朝の彼女の自主鍛錬の内容を見る限りでは、彼女の剣は、常に対人。背の大きな人に向けられている。それはほぼ間違いない。あの大きな剣の時だけは、相手が人ではない物に向けているように思えますが、彼女はあの大きな剣の振り方は、自己流だと言いました」

 彼は肉を飲み込んでから、一瞬目を閉じて黙った。

 何か、考えをまとめているのだろう。

 

 「一言でいえば、対魔物剣術に特化している私が真似をしたり参考にできる部分があまりありません。我々冒険者は、不埒な者どもを斬り捨てる事も多々ありますが、主たる対象はあくまでも魔物。人ではありません。どちらかと言えば、彼女のあの剣は、王国の軍団兵、いえ『王国の槍』の人たちに近い」

 彼は一度言葉を切って、私の方を見た。

 

 「そして、ヴィンセント殿側でいえば、私の剣の長さで行っている剣技は、避けたり(しの)いだりする研究には幾らかなるかもしれませんが、それ以上ではない。同様の剣で振るう事は今の所できますまい。恐らく彼女は自分より(はる)かに大きい敵たちと何度も闘っている。そういう意味でいえば、私の剣技も、彼女にとっては牙か角か、あるいは触手が極めて長い魔物の一つ、くらいでしかない」

 

 支部長が食べるのを止めて、暫く副支部長を見つめていた。

 「なるほど」

 支部長は一言そういうと、また食べ始めた。

 

 ……

 

 副支部長の、余りにも冷徹なまでの剣技分析には、驚くしかなかった。

 

 あの朝の鍛錬と魔物との戦いを少し見ただけで、私の剣の本質は対人だと言い切ったのだ。

 まあ、シャドウで訓練してきていて、瞼の裏に思い浮かべているのはあの黒服の男たちの繰り出して来た剣だ。常に魔人との戦いを思い出しては訓練してきた事は事実だ。

 ダガー二つの格闘術も護身術に空手を足して、そこに拳ではなく、短剣を持った形。これでも確かに対人だろう。元々そういう発想だった。

 スラン隊長に教わった二刀流剣術。あれも間違いなく対人の技だ。

 副支部長ほどの腕前になれば、見れば解るのは当然なのかもしれない。

 

 副支部長は対魔獣の剣を極めたいと思っているのだ。それなら白金の真司さんの剣だろう。

 彼の優遇の剣は、勿論人に対しても、すごいものがあるだろうけれど、魔獣に向ける彼の剣技は、私から見ても美しさすら感じられるほどだ。

 そして、同じく白金の千晶さんの剣。見たのは一度だけだが。護身的な部分がかなりあるが、やはり対魔獣への剣だった。

 

 私の剣が、対人に向けられているのはしょうがない。基本にしている剣道は、もともと対人。

 山の村で、それではだめだろうと、魔獣向きに剣を振るってはいたが、その分野においては、副支部長の方が遥かに上なのだ。

 

 私が魔獣たちに向けている剣は、所詮は型無し。彼からしてみれば、参考になる部分なぞ、無いだろう。

 冒険者ギルドの冒険者たちというのは、戦争の兵士ではない。あくまでも魔物狩りのプロという事だな。

 

 まあ。私の場合、魔物という、火の粉を振り払うための剣でしかない。

 

 ……

 

 鳥の肉はたっぷりあり、塩味の物と、魚醤をベースにしたたれ味の物が出されていて、さっきから支部長と副支部長はこれでもか、というほどの量を食べている。

 

 支配人は笑顔のまま、ゆっくりと優雅に肉を切っては口に運ぶ。私もそれに合わせた。

 鳥らしい、独特の旨味。獣肉とは異なる旨味だ。脂もややあって、その脂もこれまた旨味の塊。

 私は十分に堪能した。

 

 そのうち、もう肉の山がなくなるかという頃合いを見計らって、黒服男が再び料理を運んできた。

 

 まだ出るのか……

 

 運ばれてきたのは、パイのような皮を何枚も重ねた上に小魚の半身が載せられている、長方形の『何か』。微かに甘酢の香り。

 

 流石に、もう支部長と副支部長の食べる速度は落ちていて、普通の人の食事と変わらない。

 魚とパイの間には、何やら不思議な味のするジャムのようなものが挟んである。

 うーむ。魚と不思議な味のやや酸っぱいジャム。魚も甘酢漬け。そして、幾重にも重ねた、やや甘い味のするパイのような代物。

 何だろうな。これは。どう見てもお菓子ではない。

 

 少なくとも、私はこういう食べ物を元の世界で食べた事はない。甘酢漬けの小魚の下に、酸っぱいジャムかぁ。

 この不思議な味のするやや甘酸っぱいジャムのせいか、私はあまりこれは食べられなかった。

 

 ゴブレットの水を飲んで、口の中の味を流して終了。

 

 「ごちそうさまでした」

 手を合わせる。少しお辞儀。

 

 三人を見ると、支部長はまだ食べながら、支配人と話をしていた。副支部長もそこに加わっている。

 何やら、打ち合わせのような感じなのだが。

 

 どうやら、今回の任務の打ち上げ話とか、時期に行う試験で昇級した支部員がいれば、それの昇級祝いをするという話らしい。

 なるほど。私の武運祝いというのは、実は口実で、こっちがやりたかった話だろう。

 まあ、このお祝いで、二人ともたらふく食べたはずだが。

 

 三人はだいぶワインのようなものを飲んでいる。

 私の前に出されているのは、やや酸味のする果汁。

 

 「さて、それでは、今宵はこれにて終了といたそう」

 支部長がそういうと、支配人が頷いて、拍手を二回。黒服がまたやって来た。

 「ヴィンセント殿を、彼女の定宿におかえしして差し上げなさい」

 「御意」

 黒服の男がさっと扉の向こうに消えた。

 

 私は、椅子を降りて挨拶。

 右手を胸に当てる。

 「それでは、クリステンセン支部長様。ヴァルデゴード副支部長様。『ルトラント・ルガスロー』の支配人、ハーゲンゴードン様。今宵は、大変結構な、お食事を、共にさせて頂き、光栄至極に存じます。時間も、遅うなりまして、御座います。今宵は、これにて、失礼させて戴きますわ。ごきげんよう、みなさま」

 そのまま、スカートの端を掴んで少しだけ持ち上げ、右足を引いてお辞儀。

 

 私は椅子の後方、部屋の隅に置いたリュックを背負う。

 「ああ、ヴィンセント殿。ゆっくり、休んでくだされ。ごきげんよう」

 支部長が右手を挙げて、挨拶を返して寄越した。

 

 支配人が態々立ち上がって、こちらにやって来た。

 彼は深々とお辞儀をした。

 「それでは、ごきげんよう。お嬢様」

 顔を起こした彼はやたらと目を細めていて、笑顔である。

 私は右手を顔の横にあげて、少し横に振って、扉を出る。

 

 なんなんだろうな。

 

 廊下を歩いていくと、先ほどの黒服男がやって来た。寸分の隙も無い。この男、ただの召使ではないな。

 「ヴィンセント様。馬車を用意いたしまして御座います。どちらにお送りすればよろしいでしょうか」

 「私の、定宿は、ホールト商会の、『アントリス・ホールト』ですわ」

 「承知いたしました」

 そういうと、玄関の扉を開けてくれる。

 

 外の空はもう真っ暗だが、街灯があちこち灯っていて、道路はそれほど真っ暗でもないのだ。

 黒服男は、御者に行き先を告げていた。そして箱馬車の扉を開けてくれる。

 私はリュックを降ろして、先に詰め込み、そこに乗り込んで、扉を閉める。

 

 箱馬車の前方にある小さな窓が開いて、御者が声をかけてきた。

 「お客様。『アントリス・ホールト』でよろしいのですね」

 「はい。よろしくお願いします」

 

 箱馬車は北に向かってゆっくり進み始めた。

 今が何時なのかもわからない。当然のことだが、時計なぞ無い。なのであの宿の扉が開いているかどうかすら不明だ。

 開いていなかった場合、不味いことになるのかもしれない。それに鍵を預けてきてしまった。

 女主人か、あのメイドのようなマチルドがいないと、自分の部屋に入れないのだ。

 

 心配にはなるが、しょうがない。それに支配人のあの男性が私を馬車に載せて帰すことを選んだという事は、宿は開いているという事だ。たぶん。たぶん……。

 

 ……クッションもないので、窓の外を見るには、このベンチの上で膝立ちして窓を見ることになる。

 

 時々、灯りが点いた窓が見える。二階建て、いや三階建てとかの窓だな。

 夜に、集会でもやっているのだろうか。お祈りとかだろうか。

 

 この王都では教会とかあるのだろうか。この王国が多神教なのは分かっているし、葬式でも僧侶たち、いや神官かもしれないが、そういう職の人がいた。

 まあ、どこかにはあるんだろう。

 スッファ支部での葬式では、王国のアグ・シメノス人のかなり階級の高そうな女性神官が来ていた。

 ああいう人たちが、どこにいるのか、そういう事も判らない。

 

 まあ、謎が多い王国だ。アグ・シメノス人の子供はどこにいるのか? 未だに見かけていない。

 普段、普通の労働者階級のアグ・シメノス人は、どこで働いているのか?

 私が見れたのは、あの鍛冶屋の扉を開けて、かなり怒ったような顔のアグ・シメノス人を見たのと、第一商業地区で朝方に、列をなして歩いていた作業着姿らしい人々くらいだな。

 南に行った時の作戦で、農村の彼女らは見かけたが、他では監査官の部下とか、女中のような人しか見ていない。あのだらしない様な姿の遊び人たちを除けば、だ。

 

 これだけ広い王都の中で、見かけるのが王宮関係者か、あとは殆ど亜人だけというのは、あまりにもおかしいのだ。

 とはいえ、文化程度の進んだ国なので、私自身は暮らし難いと感じた部分は全くない。

 彼女らの食事は、私には合わないというだけだな。

 それで気にしないようにはしていたが、ここまで普通のアグ・シメノス人に合わないというのは、何か不自然な感じすら、した。

 

 ……

 

 そんな事を考えていると、馬車は止まった。

 「お客様。『アントリス・ホールト』に到着で御座います」

 

 御者が降りて、扉を開けてくれる。私はリュックをもって、馬車を降りる。

 「ありがとうございました」

 軽くお辞儀。

 御者の男性も、お辞儀してから御者台に乗り、箱馬車を回頭させて戻っていった。

 

 さて。宿の扉は開いているのだろうか。

 

 扉はまだ空いていた。

 取り合えず、中に入る。

 「マリーネ・ヴィンセント。戻りました。入ります」

 中は、油ランプが左右に灯されている。

 

 奥に行く扉は鍵がかかっていて、締まっていた。下宿に向かう廊下の方の扉はまだ、開いている。

 しかし、私は部屋の鍵を持っていないのだ。

 奥に行く方の扉をノックしてみる。間隔をあけて、再度ノック。

 暫くすると、誰かが歩いてくる音だ。

 「どなたかしら」

 この声は、マチルドだ。

 

 「ヴィンセントです。マリーネ・ヴィンセントです。ただいま戻りました」

 鍵を開ける音がして、扉がゆっくりと内側に開いた。

 「遅くなりました」

 私がそういうと、マチルドが深々と頭を下げる。

 「お帰りなさいませ。マリーネお嬢様」

 「お疲れで御座いましょう。どうか、その背中の荷物袋と剣を降ろして、ここでお休みくださいませ」

 

 「私の、部屋の鍵を、渡して欲しいの」

 「少々お待ちくださいませ。お嬢様。今お持ちします」

 ここは宿泊客用の受付のある部屋だが、この時間はもう客は来ないものとして、扉が閉じられていたのだな。防犯上のこともあるのだろう。

 まあ、結構遅い時間だろうし、しょうがないな。

 

 すると、女主人もやってきた。マチルドが知らせたのであろう。まだ寝ていなかったのか。

 

 「おかえりなさい。ヴィンセント殿」

 彼女は、ローブのような服を着ていた。何時もの服とは違っていた。

 もう、就寝直前だったのかもしれない。

 「只今、戻りました。ホールト様」

 「その様子だと、無事だったようね」

 彼女は微笑んだ。

 

 「仕事も、最短で、終わりまして、支部長様も、お喜びで、お食事に、呼ばれました」

 「そう。それはよかったわね。じゃ、食事は明日からね」

 「はい。よろしくお願いします」

 私が頭を下げると、マチルドが鍵を出してきた。

 「お預かりしていた、お部屋の鍵です。お嬢様」

 私はその鍵を受け取る。

 「ありがとうございます」

 「今日はもう、これでお休みかしらね」

 ホールト夫人がそんな事を言った。

 

 「いえ、寝る前に、やらなければ、ならないことが、御座いますので、それを、やってからです」

 「あらまあ。明日にできないのですか?」

 「明日は、せっかくの、お休みです。それが、大半、潰れてしまうのも、残念な気が、しますので」

 そういうと、彼女は笑っていた。

 

 「そう、それなら、引き留めてはいけないわね。それをやって、早く寝てね」

 そういうとホールト夫人は、出てきた扉の方に向かった。

 「お休みなさいませ。ホールト様」

 彼女は右手を挙げた。

 「おやすみなさい。無理しないようにね。マリーネさん」

 「それは、私もここで失礼いたします。マリーネお嬢様」

 彼女は深いお辞儀だった。

 

 「おやすみなさい。マチルドさん」

 私はその部屋を出て、暗い廊下に向かう。廊下には火が付いたランプが吊り下げられていた。これを一つ借りていく。

 奥に向かい、階段も上がって、さらに一番奥だ。鍵をやっとのことで廻して、中に入る。

 

 まあ、真っ暗なので、テーブルの上のランプに火をつけるために、壁に掛けてある火口箱の入った袋を降ろし、そこで自分のリュックも下ろした。

 火口箱から、小さな木を出してそれをランプの火で着火して、部屋のランプの方に火を移す。

 もう一個のランプも持ってきて火を灯してから、ランプ二個を持ってさっきの場所に行き、借りた一個を置いてくる。

 

 次。

 ランプと水甕を持って下に行き、井戸の所で水を零して、水甕をよく洗って水を入れ直して戻る。

 

 やれやれ。

 これでやっと、一息入れられる。

 陶器の器に水を汲んで、二杯ほど飲んだ。

 

 今が何時なのかは分からないのだが、鉄剣の研ぎ直しをする必要がある。

 相当時間がかかるなら、出来るところまでやって、残りは明日でもいい。全てを明日にしてしまうと、明日一日潰れるかもしれないのだ。

 リュックに付けてある鉄剣を取り外し、鞘から抜く。

 切っ先が少し毀れていたのは判っている。他の部分も見ておこう。

 全体を見ていく。あの腕が伸びる魔獣の腕を斬ろうとして、一回はあの腕の硬化に阻まれた。

 剣はかなりの音がしたし、いくらか毀れていても不思議ではない。

 

 じっくりと見ていく。やはり若干、本当に僅かだが毀れている。

 副支部長の剣も防がれていたし、あの魔獣の硬化の技は、恐ろしく硬いのだろう。あの山の村の硬い樹木をすっぱり叩き斬る切れ味なのに。

 

 ダガーの方も点検だ。

 今回は空中に攫われて、脚というのか手というのか、そこにかなり滅多刺しにしたダガーが一本ある筈。

 それが傷んでいる可能性がある。

 

 四本全て、丹念に見ていく。二本には僅かな傷が見られた。

 そのうちの一本は、先端がほんの少し毀れている。

 研ぐ必要のない二本は腰に付けた。

 

 よし。

 

 タオルを首に掛け、砥石を掴んで剣とダガーを持ち、ランプも二つ持って井戸端に行く。

 音を立てないよう、そっと剣を置いて、まずダガーに水をかけ、研ぎ始める。

 ダガー二本を研ぎ直す。何度か切っ先の様子を見て、十分な状態になったのなら、次は鉄剣だ。

 私の身長で、この鉄剣の剣先を研ぐのは大変なのだ。

 

 切っ先は、誰かが手伝ってくれないとなると、どこかに柄の方を置いて水平にし、砥石の方を慎重に動かして研いでいくのだ。

 ここでは柄の方を置いた場所が低く、剣の下に薪の破片を切って四角にして、それで高さを調整した。

 そして慎重に、粗目の砥石で毀れた場所が平らになるまで周りを研いでいく。

 

 ふと、空を見やると、東の方に大きな月が浮かんでいて、周りは降るような星の海だ。

 下宿に遮られて南の方は見えない。

 まあ、町中だし。何処か高い所に上れれば、満天の星が満喫できるかもしれないな。

 

 ふとそんな事を思ったが、剣を研ぐ方に再び集中する。

 

 角度を一定にしなければならないので、簡単ではない。しかし、他に方法はない。

 黙々と研ぎ続け、剣先の毀れた部分を全て直した。

 そして、剣の刃も研いでいく。こっちもこっちで大変である。

 全部を均等に研ぎあげるのは、短時間では無理なのだ。今回は毀れた部分を何とかその近辺と合わせて平らになるようしただけだ。

 まあ、今回はこれでいい。本気で直すなら、鍛冶工房に持ち込んで直すべきだ。

 そう考えて、作業を終了にした。

 

 

 つづく

 

 副支部長は、かなり冷静な意見を述べた。

 ようやく食事会は終わり、マリーネこと大谷は、下宿に戻る。

 そこで鍵も受け取って、部屋に戻り灯りをつけたり、水を交換したり。

 そして自分の剣のメンテナンスである。

 

 次回 第三王都の南で討伐任務その後3

 任務も終わって、再び普通の日々が訪れようとしている。

 毎日やる朝の鍛錬のあと、朝食。しかしこの朝食が普段とは違っていた。

 

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