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024 第5章 村での生活その2 5ー6 剣を造るのとお風呂

剣を造る事を決めたマリーネこと大谷。

独りで作る奮闘は続く。

 24話 第5章 村での生活その2

 

 5-6 剣を造るのとお風呂


 夕食を作る。


 毎回同じだが六本脚狼の腰肉と肩の肉の燻製で行こう。

 腰肉をぶつ切りにして鍋に入れて塩胡椒を入れて煮込む。

 肩の燻製は厚めに切ってからぶつ切り。串に刺して炙る。


 出来たようだ。

 

 手を合わせる。

 「いただきます」

 

 剣もやるべきか。槍だけでは戦いが狭い。

 炙った肩の燻製肉を食べながら、考える。

 ブロードソードがこれは駄目なのは分かっている。

 打ち直すとかいうレベルではなかった。

 

 溶かすのではなく、これらの剣は雄型として使う。

 ダガーは焼いて叩いてもダメだった。根本的に作り直しである。

 やるしかなさそうだ。

 食べ終えて、スープも飲み干す。

 

 「ごちそうさまでした」

 手を合わせる。

 

 この日は鍛冶屋の寝床で寝た。

 

 翌日。

 まずはストレッチ。そして槍の素振り一〇〇本。

 

 よし、ダガーと剣を造る。

 

 ダガーは握りの部分の革を外して、粘土に埋める。湯口は握りの一番後ろ。

 剣はまず握りを外して分解。刀身を粘土に埋める。これも湯口は握り部分の一番後ろ。

 これを少しだけ乾かして、中の剣を抜いて粘土が砕けないように乾かす。

 

 ダガーは本来は投擲(とうてき)武器である。

 突くのにも使えるがリーチが無いので扱いにはそれなりに技術が必要になる。

 ここの村のダガーは刃がやや長い。身長のある彼らが自分たちの身長基準で作ったのであろう。

 

 熟練の使い手になるとダガーだけでも戦えてしまったりするので(あなど)れない武器である。

 槍を使うならサブウェポン的にダガーを持っておくのは悪い事じゃない。


 さて西洋の剣は主として叩き斬る武器だ。多少刃毀(はこぼ)れしても機能を失わない。

 たぶんその最たる武器が、ハルバードであろう。

 先端がデカい斧のような槍のような武器であり重さを利用して相手の鎧ごと相手の骨を叩き斬る武器である。

 先端の槍部分は勿論突くのに使う。

 剣ならバスタード。刀身の長い両手剣で、これまた相手を叩き斬る武器だ。勿論、両手で握って突くのにも使える。

 

 日本刀は今の私には作れない。これは相手を切り裂くための武器だ。

 まず材料が違う上に高度な技術が必要になる。

 

 

 ま、どっちも鋳物だな、西洋の剣は。

 日本刀は鋳物では作れない。確か砂鉄が必要になるのだ。玉鋼(たまはがね)だったか。

 

 乾かすためには今日はここで終わりだ。

 

 ずっと延ばし延ばしにしていた風呂に着手する。

 

 何度も急冷をやって気が付いたのだ。

 お風呂は石焼きでいいと。たしか古い異世界物でお風呂が石焼きだったのを思い出した。

 風呂桶と洗い場で同じものを二個作る。

 

 大工の工房に行き、一・五メートルの板を切り出す。幅が六〇センチ位あれば自分が入れる。

 やや狭いかもしれないが、幅継ぎまでやって作るのは大変なので、これでいい。

 一・五メートル×六〇センチで深さも六〇センチとした。工房で板を切ってダボで繋ぐ。

 本当はアリ溝みたいなのを作ってあられ組みだったか、ほぞで互い違いに組むようにやるような気がしたが、それをやるには細いノミがいる。

 そして、失敗が許されないのに五個六個互い違いに組むように切る必要がある。

 急いでやれる代物ではないので、今回はダボで我慢する。

 あとは繋ぎ目に全て松脂のようなものを塗り付けた。一応防水加工。

 まあ次は釘もダボも使わないで組む、指物に挑戦しよう。

 

 同じ大きさで作る洗い場の中に、踏み台と座れる小さい椅子を用意した。

 踏み台で六〇センチの壁を越えてお風呂に入る。お風呂の中にも踏み台が必要だった。

 背が小さいのが地味に響く……。


 この二つを鍛冶場の炉の近くに持って行き設置。水を入れる。

 洗い用に水甕(みずがめ)も横に持って来た。布も洗い用に一枚、拭く方に二枚用意した。

 桶も一つ。そして小さい炉で石を焼いて行く。

 焼けた石をお風呂に入れてお湯にしていく。四五度Cくらいか。やや熱め。

 かき混ぜればちょうどよくなる。四三度Cで落ち着いた。


 洗い場の横に大きい桶を置き、自分の服をそこに入れた。

 まずお湯をかぶってから、軽く体を洗う。

 ごしごしやると垢がかなり出た。とりあえず垢を落とし洗い流す。


 体を入れてお湯に浸る。何か月振りのお風呂なのか……。

 前の躰はあの牢屋でずっとだったから、あれが三ヵ月なのか六ヵ月なのかは分からない。

 この村に来て四ヵ月はお風呂に入っていない。まあ、半年ぶりくらいか。

 

 鍛冶場の扉は一つ開けておいた。

 お風呂入るのに真っ暗なのも、何か寂しかったからだ。外はもう夕方だった。


 暫くお湯に浸りゆっくりとした。疲れが取れる。

 やっと武器を作って、ここで生活できる様になったんだな。と噛み締めた。


 お風呂を出て洗い場の方でさらにごしごしやって垢を落とす。(こす)って行くとどんどん垢が出た。

 まあ他の人が入るわけじゃない。自分専用だ。どんどんお湯を使って体も頭も洗った……。


 もうこれ以上擦ると血が(にじ)むんじゃないかという所まで擦ったので、もう一度湯船に入る。

 お湯が()みてヒリヒリした。


 よし。湯船から出て体を拭いて服を着る。

 お風呂は明日片付ければいい。

 村長宅に行って夕食だ。

 外はもう真っ暗だった。


 ……


 夕食はいつものように肉スープと焼肉。

 肉をスキレットで焼いていく。

 獣脂があるので少し入れ、ぶつ切りにした燻製肉をそこで焼いた。

 塩も少し振った。

 スープはいつものように塩漬けの肉だ。薄く切ってそこそこ入れて、塩も追加。

 お湯で煮ていく。

 ……

 出来たようだ。

 

 手を合わせる。

 「いただきます」


 スキレットで焼いた燻製肉を食べる。

 醤油味……欲しいよなぁ。

 大豆がないと発酵させようが無い。無いものは無いのだ。

 食べ終えて、スープも飲み干す。


 「ごちそうさまでした」

 手を合わせる。


 手っ取り早く片付ける。

 子ども服に着替えて、今日は村長の部屋で寝た。


 …


 翌日。

 起きてまずストレッチ。槍の素振り。村長宅と鍛冶場の水甕の水を入れ替え。

 まずはいつもの自分の服に着替える。

 それと昨日入ったお風呂の片付け。風呂桶と洗い場桶を外に運び出し、水を零し、少し中を洗った。

 この二つは鍛冶場の壁に立てかけて置く。


 では鍛冶作業だ。


 今回の作業は、鉄鉱石を還元してまずは溶かす。

 この時、量が足りないと失敗なので少し多めにする。

 本当は重量を計らないといけないが。前回と同じ量。


 前準備も済ませる。まず食料と水。塩の確認。

 

 まずは鍛冶屋スタイル。顔を覆って、革エプロンと革手袋。

 大きい方の炉を使う。

 赤鉄鉱を焼いて還元させる。

 

 還元して叩きながら鉄塊を作る。

 この鉄塊を二つ。

 前の実績から恐らく一個に二日か三日。


 二個で五日ぐらいはたぶんかかっている。

 炉の温度をあまり下げたくないので、炭を追加して入れ、鍛冶場の水甕の横で体育座りで仮眠した。

 本当にこの作業はもうやりたくないなとは思う……。

 

 そして今度は溶かす。

 この鉄塊を大きい坩堝に入れて、溶かしそれを型に流し込む。

 ブロードソードの型は砂場ではなく、砂の入った樽で縦に埋めている。

 それに合わせて、ダガーの型もその横に埋めてある。

 半日待って、取り出す。型を壊すとややバリの多い剣とダガーが出てきた。


 バリを削り、叩く必要がある。


 長方形のやや長い桶に水。これは長いものを一気に水冷するためのものだ。


 ここ数日の作業では火を消さないようにして、鍛冶場で寝ていた。


 炉は冷えていない。

 長方形の桶に水を入れて置く。


 炉を八〇〇度C弱まで上げて、剣を熱する。そして鉄床で剣を叩く。

 ブロードソードの長さは七〇センチ弱。たぶん。六五センチくらいではないだろうか。私の身長の約半分。

 ダガーは長さが二〇センチ強の刃。若干長い。


 ダガーはともかく、ブロードソードのこの長さを丹念に叩きつつ温度も維持というのがツラい。

 とにかく渾身の力で叩きたいのだが、力の半分は(ふいご)を動かして行く方に使う。

 鞴を止めてハンマーに持ち替え叩く。砕けても困るので力の入れすぎには注意した。


 できるだけ早く叩いては、温度が下がってきたら鞴に持ち替えて炉の温度上げて、「やっとこ」で掴んでいる剣を突っ込む。

 暑い。まずいな。一瞬、手を離して、顔の下だけ取って水を飲み、塩を舐める。


 すぐ戻ってまた鞴で温度を上げて剣の温度を見る。八二〇度Cくらいか。また叩く。

 叩いて炭素の含有量を減らしていく。

 まだ不純物は少しはありそうだが、限界だった。水に突っ込んで、急冷。もうもうと蒸気が上がる。

 また炉に入れて、温度を上げていく。


 長方形の桶に焼いた石を突っ込み、お湯にした。


 炉は九〇〇度Cを目指す。焼き直し、焼き戻していくか。


 「やっとこ」で掴んだ剣の温度が九〇〇度C弱まで上がるのを確かめる。

 できるだけ水平に水に落とす感じで一気に桶に入れる。

 ジュワワー! 勢いよく、もうもうと蒸気が上がる。

 ダガーも同じように焼き、お湯に突っ込んだ。

 

 もう汗が滝のように流れおちる。

 剣を土間に置くと、ふらふらと鍛冶屋の家を出た。あたりはまたしても真っ暗だった。

 恐らくは深夜だろう。

 

 ランプを持って村長宅の裏手に行く。

 暑い。頭と顔を覆う布を全て取って井戸まで行き、汲んだ水で顔を洗う。

 鍛冶屋に戻ったが、そのまま鍛冶屋の藁束のような草の寝床に倒れ込むように寝た。

 

 

 翌日。

 朝起きる事は出来なかった。相当に疲れていたのは間違いない。

 起きたのはすでに夕方。

 

 村長宅に行き、食事を作る。

 燻製肉をかなりたくさん切って、塩も追加して煮る。六本脚狼の塩漬け肉も焼く。

 

 手を合わせる。

 「いただきます」

 

 塩を相当入れたのに燻製塩肉スープはかなりの薄味だった。水に近い感じ。

 焼いた肉の方は塩味を感じない。

 塩味がしないと、肉の味が出てくるはずなのだが、味もあまり感じない。

 これは相当塩分を失っていたのか。

 途中でスープに塩を入れた。肉にも追い塩。

 なんとか塩分を感じる。食べ終えて水を何杯も飲む。

 

 「ごちそうさまでした」

 手を合わせる。

 

 食べ終わると、外は暗くなり始めていた。

 

 鍛冶場で火の番をしつつ仮眠したのが、やはり疲れた。

 

 剣はまだ研いでない。これはもう明日だな。

 子供の服に着替えてお湯を沸かし、顔、手、足を拭いた。

 お風呂入ったのに汚れてるなぁ。

 布団を汚したくないので、しっかり洗った。

 

 ……

 

 翌日。

 起きてストレッチ。そしてまずは着替え。

 しょっぱい子供服からいつもの服に着替える。汚れているが袖がつんつるてんの子供服で鍛冶はしたくない。

 

 今日は、少し鍛造する。

 焼き戻して剣を研いで終わりと思ってたが、気が変わった。

 

 まずは鍛冶屋スタイルだ。顔を覆い、革エプロンに革手袋を両手に嵌めて、炉に火を入れる。

 もう一度叩く事にした。


 炉の温度が上がるまで鞴を動かす。

 八〇〇度Cまで上がったところで、『やっとこ』で剣を掴み炉に入れる。

 (あか)くなって来た所で取り出してハンマーで叩く。

 

 伸ばすわけではないので、あまり力を入れて変形させる訳にはいかない。

 力加減が難しい。全体を叩いていく。焼いては叩くの繰り返し。

 刃になる部分を丁寧に叩く。

 

 どの程度やったのか。時々、塩を舐めつつ水も補給。

 ブロードソードのほうはとにかく丁寧に叩いた。


 ……


 このくらいでよさそうだという気がした。 

 長方形の桶に焼いた石を突っ込み、お湯にした。

 そこに焼いた剣を突っ込む。

 ジュワワーという音と、勢いよくもうもうと上がる蒸気。

 ダガーも突っ込む。


 炉の温度が少し下がるのを待ち、焼き戻す。

 焼き戻しは六〇〇度Cだ。

 取り出して、空冷である。土間に置いて放置だ。


 村長宅に行く。

 今日は六本脚狼の背中の肉の燻製を串焼き。

 どんどん切って串に刺し、竈の火で炙り焼き。

 スープも作る。六本脚狼の肋肉の塩干し肉を薄切りして鍋に入れ煮る。


 手を合わせる。

 「いただきます」


 燻製肉は、深い味わいはしないが、確かに燻製されてる感じはする。

 何か味の変化を出すにはどうすればいいのだろう。

 スープも一気に飲み干した。

 

 「ごちそうさまでした」

 手を合わせる。

 

 手っ取り早く片付ける。竈の火を消し、ランプを持って鍛冶屋に行く。

 

 汚れてるので、そのまま鍛冶屋で寝る事にした。

 

 

 翌日。

 鍛冶屋で起きる。まずはストレッチ。槍の練習。そして水甕の水取り換え。

 いつもの事だ。

 

 鍛冶場で研ぎ始める。

 剣が長いのでそれなりに時間がかかる。

 

 結局研ぐのには三日かかった。ダガーもあったし、ブロードの刃が長いので思いの外、手間がかかった。

 研ぎあげたのは翌翌日の夕方だった。


 出来た剣というかきちんと鍛冶をやって作った剣とダガー、キレ具合はたぶん間違いないだろう。

 きちんと鍛造し丁寧に研いだのだ。

 問題は靭性(じんせい)の方なのだが、まさか石を切ったりする訳には行かない。

 

 正眼に構える。

 昔習っていた剣道を思い出す。竹刀でも木刀でもないが。この場合『真剣』という事だな。

 

 振りかぶって正面に打ち込む。懐かしいな。四〇年以上も前になるか。剣道を習っていたのは……。


 この剣は手元に重心がある。剣の切っ先のほうが少し軽いのだ。剣速は上がるかも知れない。

 振り回す事を中心に考えて作ったバランスだろうか。

 刃の長さの中心に重さの中心を持ってくるのは出来ない事は無いが難しい。

 どちらかに僅かに寄るのだが、この剣はかなり手元のほうにあえて寄せているようだった。

 

 小学生終わりの頃から中学生の間、私はいじめられっ子だった。

 それで自分に自信を持ちたくて剣道と空手をやっていた。


 柔道は高校になってからだったので黒帯にはなれなかった。それでも受け身くらいは取れる。それは先日の魔物戦で分かった。受け身が取れていなければ、打ち身でしばらく動けなかったか、骨折したかも知れない。


 剣道と空手はそれぞれ初段は取ったが、大人になってからはやる機会がなかった。

 社会人になって『やらされた』のは、途中入社だったソフトハウスの社長がへんな中華拳法に凝っていて、仕事が終わるとなぜか私がその道場に連れて行かれた。

 

 それは護身術だといっていた。私は空手の癖が出てしまい、最初は合わせるのに苦労した。

 しかし、その中華拳法もどうにか初段は貰った。今後も使う事があるかは判らない。なにしろ護身術なので暴漢に襲われでもしないと使う機会が無いからだった。

 

 ただ太極拳と少林寺拳法を合わせたようなその拳法は、攻守両方であって、護身術といいながら守り一辺倒ではなかった。積極的に打ち込む拳や相手の攻撃を絡め取りつつ反撃するという空手にはない技もあった。


 ……


 昔習った剣道は、あくまでも人との戦いのための型でしかない。

 実戦剣法が必要になる。自分の背が低いのでそこを補わないとまともに戦えないかも知れない。


 しばらくは槍だな。


 今日はここまでにして、体を拭く事にする。

 お湯を沸かして布で拭いていく。頭も洗いたいし、風呂に入るか迷う。

 

 体を拭き終えて、顔も洗ってさっぱりしたところで服も着替える。

 村人の子供服。これもなんとか作り直したい……。

 あと、パンツ。スースーするのはやはり良くない。パンツは作るしか無い。


 村長宅に行って、夕食だ。


 もうそろそろ、元々あった燻製肉の味がおかしくなってきてる。

 流石に四ヶ月以上経ってるし腐っていてもおかしくはないのだ。

 恐らくは魔法で劣化を防いでいたのだろうけど、もう限界かな。

 

 狩りに行って肉を増やさないといけない。

 

 その味のおかしくなり始めている燻製肉を全部切って鍋に入れた。

 何か醤油みたいな調味料があればいいのだが、胡椒を少しと塩を多めに投入。

 

 猟師の家に吊り下げてあった肉も、もうあまり残っていない。

 大工の家に吊り下がっていた肉の方は鍛冶屋の方に置いてるし、農家と機織りの家の肉はもう食べきっている。

 肉以外食べるものがないから予想以上に消費している。

 

 ここでの村人三六人が肉だけ食べて暮らしていたら五日か六日持つかどうか、そういう量だろう。

 

 手を合わせる。

 「いただきます」

 

 肉スープといっても燻製肉がゴロゴロ入ってるので、食べごたえはそれなりにある。

 

 問題は煮た肉がすこし傷んでる味がする事だ……。

 しかし、食べられる事に感謝だ。

 

 狩りに行って新しい肉をもう少し調達しよう。狼肉だけじゃすぐ足りなくなる。

 

 明日はまず狩りに行って、それからお風呂と洗濯かな。

 いいかげん、パンツも作りたいし、やる事は一杯あるな。

 

 「ごちそうさまでした」

 手を合わせる。


 手っ取り早く片付けて、(かまど)の火を落とす。

 

 翌日。

 朝の鍛錬。槍の素振り。ダガーも素振り。剣も素振り。水甕(みずがめ)の水の取り換え。

 そして服をいつもの服に着替える。

 洗いたかったが、それは狩りのあとだ。

 

 まずは荷物チェック。

 塩肉数枚を革袋に入れる。塩、胡椒も革袋にそれぞれ入れておく。

 ほくち箱。火打ち石とおがくず、小さい葉っぱなどの一セットが入ってるのを確かめ、紐で縛って大きい革リュックに入れる。

 ロープ四本。小さいシャベル。あとはあのワインのエグ味がした水袋に水をいれてリュックに。

 ダガーはここの鍛冶屋さんが作ったらしい鞘に革の紐を通して自分の腰に付けた。

 あとは槍二本。


 今日は森に入ってみよう。

 

 しかしこの後、とんでもない強敵と出会う事になるとは思いもよらなかった……。

 

 

 つづく

 

お風呂も作って入って体を洗ったり。ようやく生活がらしくなって来たところ。

食料もないので、狩りに行くことになったわけですが…

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