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186 第19章 カサマと東の街々 19ー25 マリハの町と複合鎧

 ようやく、当初の目的、革鎧職人であるリットワースを訪ねていくマリーネこと大谷。

 しかし、勿論師匠の言う通り、彼は普通では無かったのである。

 

 186話 第19章 カサマと東の街々

 

 19ー25 マリハの町と複合鎧

 

 翌日。

 起きてやるのは、何時ものストレッチからの準備体操。

 何時もの服に着替える。そして下に降りて、裏庭で行う空手と護身術。そしてダガーの謎格闘術と剣の鍛錬だ。

 いつも通りのルーティーン。

 

 ツナギ服はまだ乾いていない。他の服も少し洗って干したが、これらは作業着ではない。

 作業着を一着、自作すべきかもしれない。とはいえ、これから革の鎧を習うのだ。服を作っている時間が取れないだろう。

 

 そんなことを考えつつ、お店の裏の渡り廊下を通っていると、家の中からいい匂いがする。

 

 「おはよう。マリー、あんたは起きるのが早いね」

 「おはようございます。カサンドラ伯母さん」

 カサンドラが食事を作っていた。

 今日は新しくパンを焼いたらしい。

 

 「さ、これを食べな」

 そう言って、彼女は食卓の上に、パンとスープを並べた。

 丸いパンは竈で焼いて、その上にわざわざ、溶かした何かを塗って、胡椒が僅かに掛けてある。

 それと、赤い粒を加えて煮ている、少し色のついたスープだ。

 

 手を合わせる。

 「いただきます」

 

 パンの上に塗られていたのは、溶かした茶色の砂糖。その甘みと胡椒の味で普通に食べられる。そしてスープで流し込む。中に入っている赤い粒は噛み潰すと僅かに甘味があった。

 スープは例によって薄い魚醤味である。それは旨味と塩味。

 

 食べているとカサンドラが、黒いお茶を出して来た。

 このパンを焼いたのはカサンドラのようだ。他の二人がまだ起きてきていない。

 

 「ごちそうさまでした」

 手を合わせる。軽くお辞儀。

 娘さんの二人はやっと起きたところらしく、寝ぼけたような顔で、やってきた。

 二人は共に寝間着は同じような物を着ているが、この日の寝間着は、四角い色のついた布を組み合わせたようなデザインの物だ。こういうのは見た事がなかった。

 たぶん、マカマやここマリハで作っているのだろう。

 

 「おはよう」

 レミーが挨拶をした。

 「おはようございます。レミーお義姉さん」

 私はお辞儀。

 「レミー。何をねぼけた顔してるんだい。マリーはもうとっくに起きて、何かやってたよ。エイミー、あんたもさっさと目を覚まして、顔を洗ってきな」

 

 二人はまだこれから、顔を洗うらしい。

 

 黒いお茶も頂いて、今日、工房に行くことを私は告げた。

 「今日、リットワース様の工房を訪れてみます。遅くならない様にしますが、彼次第です。よろしくお願いします」

 「ああ、あの爺さんは、やっかいもんだから、十分気を付けるんだよ。マリー」

 「ありがとうございます。行ってきます」

 

 ブロードソードやダガーが必要になるとは考えられないが、何時もの様に帯剣。

 ミドルソードは置いていく。

 小さいポーチは肩に掛けた。硬貨がいるかどうかは、わからないが。

 水を入れておく革袋は洗って、水を入れなおす。これが二つ。リュックの左の方に結んでおく。

 持って行くべき荷物は鍛冶用具の入った革袋とロープに、手紙の入った箱。あとは革のマント。

 それらを入れたリュックを背負う。首に階級章を掛けた。

 

 やっと、ここに来た目的である、リットワースの工房に向かう事になった。

 

 町の中央に出る。二つの太陽はやっと登った所だ。東の林の上にそれが見えている。

 西に見える大きな湖は、今日も静かだった。風も僅かの様で、僅かなさざ波が湖面を揺らしていた。

 遠くには水鳥たちが飛んでいるのが見える。

 

 まだ、朝だからだろう。人が歩いていない。

 町の西にある漁港に行くとその手前にある門がもう閉じられていて、そこには外側に二人。内側にも二人の警備兵がいた。どうやら四人で警備だ。

 

 そうか。今日からだった。

 それで漁港には、変な形で立体的に作られた船がロープで何艘も繋がれていた。

 だから、朝に人がいないのだ。

 

 恐らくマカマの街も、今頃門は全て閉ざされているだろう。許可なき人物は外に出れないようにしているはずだ。

 狼藉者が街を出て他に行かない様にだ。

 ここ、マリハも暫くは商人すらも出入りできないだろう。

 

 監査官が行う、徹底したゴミ掃除か。

 まあ、今はそれを考えている時ではないな。そこで捕まって国外にほっぽり出される者たちは、そうなるだけの理由があるのだから。

 

 南西にある、ちょっとした畑群は既に、ほぼ全ての野菜が抜き取られた後だった。

 どのみち、放置して置けば盗まれかねない。全部、収穫または抜いてしまったのだろう。(あぜ)の様な状態になった畑が辺り一面、穴ぼこというか、凹みが多数広がっていた。

 所々に管理されているらしい、水溜まりなのか小さな貯水池というのか、がある。町の方の中央の湧き水から暗渠で曳いた水の流れをそこに貯めているようだ。

 きちんと畑作をして居る半農かもしれないが、農家の人がいるということを意味していた。

 

 まあ、あと二週間は植え付けもしないのだろう。ただ、草取りは必要になるだろうから、たまに除草作業の人は来るかもしれない。

 私はその畑の脇を通る道で、ぼんやりとそれを眺めた。

 

 畑の脇の道は、道幅は三メートルいや、三・四メートルくらいか。それ程細くはないが、何時も見る荷馬車が通る街道の半分ほどはない。

それでもまあ、一頭立ての荷馬車なら余裕だろう。街道の方は、二頭立て馬車が通れるのだ。

 

 畑の横を抜けて、林に入る。

 暫く歩いていくと、途中で樹々は多くなり、もうそこは薄暗い森だった。下生えの少ない森の中に、はっきりと奥に続く道が続いている。

 

 マリハの町外れという名の、林というよりはすでに森の中、更に進むと、急に開けた場所がある。どうやら林の中にあるという工房についたようだ。

 

 「どなたか、いませんか?」

 

 ……

 

 反応なし。だめか。

 もう一度。

 

 「どなたか、いませんか?」

 

 ……

 

 反応なし。

 

 もう一度。仕方ない。今度は大声だ。

 「どーなーたーかぁー、いーまーせーんーかぁー」

 

 出てきたのは、恐ろしく、日焼けというか、恐らくは鍛冶焼けした、しわくちゃの顔をした老人。

 背丈は、せいぜい一・六メートルかもう少しあるかくらいに見える。

 それは背中が曲がっているせいだ。その彼がよたよたと歩いてくる。

 恐ろしく不機嫌な顔。そして強烈な臭さ。たぶん、もう何週間も風呂に入っていないだろう。汚れた体が放つ汗と垢の匂いに、たっぷりと汗を吸い込んだ汚れた服が放つ悪臭がそれを倍加しているようだ。

 酷くつんとくる酸っぱい匂いで、涙が出そうだった。

 

 なるほど。警備隊の一人が言った、臭い(じじい)とは、こういうことか。

 

 「五月蠅(うるさ)いのぉ! 小娘、喚くな! 何の用ぢゃ!」

 一喝された。その声までもが臭かった。

 

 「鎧造りの、職人である、リットワース様を、訪ねて、来ました」

 「今は忙しいのぢゃ。けえれ、けえれ」

 まず全く取り合っても貰えず、あしらわれる。

 彼はまるで私が虫か何かの様に、手で追い払う真似をして、くるっと振り向くや、工房の中によたよたと戻っていった。

 

 ……

 

 ここで帰るわけにもいかない。

 かなりの溜め息が出たが、今の所どうしようもない。

 仕方がないので、その工房の前で待つ事にした。

 

 仕方ないので、リュックから手紙の入った箱と、革のマントを出し、マントを下に敷いてそこに座って待つ。

 

 辺りを見回すと、森の中を切り開いた空き地に作られた工房は、古色蒼然といった雰囲気である。

 比較的大きな建物に煙突が付いている。それと何かの物置小屋。こっちには煙突がない。

 それと物干し場。あとは平屋の奥に大きな煙突と手前に小さな煙突がついた大きめの作業小屋。大きな煙突からは、煙が立ち上っていた。

 

 手前はそこそこの広い空き地になっている。

 

 小鳥が辺りを時々飛び交い啼き声を上げる中、工房からはずっとハンマーが鉄を叩く音が続く。

 

 老人が、何か叩いて作っている。

 

 ……

 

 昼を過ぎたころだろうか、そこにひょっこりと老人が出て来た。

 「なんだ。まだおったのか。さっさとけえれ、この子供が! 邪魔だというておるんぢゃ。わからんのか。この馬鹿者が!」

 

 散々な言われようだな。

 しかし、ここで帰る訳にはいかないのだ。ぐっと我慢だ。

 リルドランケン師匠が、ここで習えと言う以上、習わないと帰れない。

 

 「第一、おみゃあは、なにもんだ!」

 いきなり誰何(すいか)されてしまった。

 

 偏屈な鎧職人の老人、鎧作りを教わる云々以前の問題だ。私は何やら疑われているようだ。

 トドマの師匠が言う通り、相当臍曲がりな感じである。

 

 まずはリュックから箱を取り出してから立ち上がって、胸に手を当てる。

 「私は、トドマの冒険者、マリーネ・ヴィンセント。私の、細工の、お師匠様である、リルドランケン様から、手紙を、預かって、おります」

 そう言って、革のマントの上においた箱を左手に持ち、箱に掛けた紐をほどいて、箱を開ける。

 

 中に入っているのは、皮紙を丸めた手紙。封印の平たい紐。そこに押された蜜蝋で出来た封印の(しるし)

 

 私が箱からそれを取り出そうとすると、それをいきなり乱暴に奪い、封印を剥がして読み始めた。

 「なんぢゃあ。ギルの奴もとうとう耄碌(もうろく)しよったか。こげな小娘にこんな書状を持たせて寄越しおってからに。ギルめぇ、自分が何を言ってるのか、分かっておるのか?」

 いきなり読みながら、悪態をつき始めた。

 

 「こんな子供を儂に押し付けよってからに。あとで必ず、奴にこの責任、とらせてやるぞ!」

 物凄い剣幕で怒り出したかと思えば、急に黙った。

 目が書状の文字を追っている。

 

 真剣に読み始めた老人の目が時々、鋭い。

 「ふざけおって。そんな馬鹿な事がある訳なかろうが」

 何か、独り言をぶつぶついっている。

 

 この背の酷く曲がった老人が、ギオニール・リルドランケンの知り合いなのは間違いないだろう。

 余程親しいのだろうな。村では、あの老人をギルと呼ぶ人はいない。

 「リットワース様。今日から、鎧の、製作、の見学をさせていただきます。よろしく、お願いします」

 

 「まず、様はやめーい。いいな。二度は言わんぞ。おみゃあがどういう意図かは知らんが、見て判らん奴に教える気なんざぁ、ない。いいな。それと見学だぁ? それで何が分かるよ。ふざけた事をぬかすんじゃあねぇ。この小娘がっ」

 

 「それは、説明しない、という事と、私が、手伝うと、受け取れば、よろしいでしょうか」

 「あたりめぇだ。説明なんかするかよ。見て判らんようなら、さっさとけぇれ」

 「分かりました。見極め、させて、いただきます」

 この老人に認めさせないといけないらしい。

 

 あまりやりたくはないのだが、見極めの目で見て、そっくり同じものを作れば、この老人は認めるのだろうか。

 

 老人はよたよたと、倉庫に行った。あのよたよた歩きの老人にそんな力があるとは、とても信じられないのだが、老人は倉庫からいきなり大量の皮を持ってきた。


 「こん中から選べ。おみゃあがちゃんとギルから学んだ、いうんなら、皮を選べるぢゃろがっ。ふざけたもん選びよったら、おみゃあ、すぐに叩き出すぞっ」

 いきなり、まずは材料選びの試験らしいな。

 見極める。色々あるのだが、大きな皮ばかりだ。きれいな色の毛並みのついた皮も多いが、どれも厚みが違う。そして概ねどれも、やや厚みがあり過ぎか、薄いか。

 

 こういう時に迷った素振りは絶対にやってはいけない。さり気なく、最適な厚さの皮を選ぶのだ。

 

 私は厚み六ミリちょっとほどの、おそらくは大きなセネカルの皮を選んだ。色はかなりの茶色。

 それから厚みが半分。つまり約三ミリの皮も選び出した。たぶんこっちは子供だろう。腹部分は避けて、背中の方の大きな皮を選ぶ。

 

 「おみゃあ、それでいいのか」

 「厚い方は、鎧の大部分を、覆うのに、使います。薄いほうは、加工して、使います」

 「ふん。偶然か?」

 老人は大きく鼻を鳴らした。

 「ま、選ぶのは、一応、()()()()()()()としてやろう」

 この老人、どうやら私が間違えて不適切な皮を選ぶことを期待していたのだ。なるほど、師匠の言うように、相当臍曲りな所が多そうだ。言動には気をつけよう。

 

 「その皮を、おみゃあは、それからどうする?」

 「(なめ)して、いない、皮ですから、まず、叩きます。それから、樹の、皮を、煮た汁に、漬け込んで、皮を、その汁に、十分、浸して、加工、します」

 老人はずっと私を睨んだままだ。

 

 リュックから、鍛治用のエプロンを取り出し、身につけた。

 自分で作った鍛治用の革手袋も、だ。

 「木槌を、お借り、します」

 私はそこにあった小さな木槌で、皮を叩き始めた。

 皮は大きい。後で切るにせよ、まずは全部を叩く。

 

 丁寧にゆっくり、などとやっていたら時間がもったいない。

 全力で小さく小突く。まず皮の繊維を柔らかくするために、万遍なく叩くのだ。

 あの山の中の村で、一人でやっていたときは、全てが試行錯誤だった。

 私の最大の獲物だった、大きな焦茶熊の皮を叩いていた時の事を思い出す。

 

 もう、今は要領も理解(わか)っている。

 皮が潰れてしまわない、ぎりぎりの強さでどんどん叩いていく。

 

 老人がそれをずっと不機嫌な顔で眺めていた。

 

 大きな厚い皮の方は叩き終わって、薄い皮の方。

 こっちは、あまり強くは叩けない。皮の中のタンパク質が完全に壊れてしまってはいけないのだ。薄さが半分になるかもしれない、という程度の強さでこれまた、小突く。少し叩き始めて、途中から叩くペースを上げた。

 こっちの皮は、(にかわ)水に突っ込む事を考えていた。あの硬い仕上がりの皮だ。

 

 大体叩き終わったかという頃、急に老人が言った。

 「そこでやめーい!」

 私は素直に木槌を元あった場所に返す。

 

 「おみゃあのそれは、早すぎんだわ。本当にちゃんと叩けてんのか、儂が調べる。そこをどけぃ」

 これまた、素直にさっさと場所を開ける。

 

 「少しばっかり、早く加工できるからといっていい気になるなよ。小娘がっ」

 一々、憎まれ口か何かを言わなければ気がすまないのか、この老人は。

 

 老人は、革の表面をざっと手で触っていく。表面を触るだけで判るのか。

 暫く、老人は全ての場所を触っていった。

 老人の口がへの字だ。よほど気にいらないらしい。

 

 「ふん。その続き、加工をやれぃ」

 皮の叩き加工の結果をいいとも、悪いとも言わなかった。こういう部分はリルドランケン師匠と似ている。

 あの憎まれ口の口調で無ければ、第二の師匠として仰ぎもするのだが……。

 老人の体臭と服の臭さも混ざって、この作業場にいるだけで泪が出そうだ。

 

 次をやれといった、この老人は不機嫌そのものといった顔のままだ。

 

 私は作業小屋に向かった。

 小屋の作業場の隅に竈があった。薪はない。

 まず、薪を運んでくる。

 それから、樹皮。木っ端屑も少しばかり用意する。

 

 まず、木っ端屑と薪で火を熾す。

 大きな釜の中には既にだいぶ色の濃いタンニン液はあったが、これに更に樹皮を追加。

 

 中の液体が沸騰するまで、薪の火力を上げるべく、空気を吹き込む。

 木材でできた長い筒の先、どちらにも金属がついている。片方を火元に向けて手元の方、口で直接空気を送り込む訳だ。

 

 程なくして、釜の中は沸騰。大きなしゃもじのような木の道具で中をかき混ぜる。

 吹き込むのはもう止めて、後はタンニン液の方を面倒見るのだ。煮えているようなら、更に少し追加。どんどんタンニン液が出て来るのを見届ける。

 煮詰まり始めたら、だいぶ炭になった薪を火箸で掴んで外に出して、炭壺に入れる。

 温度を見極める。まだ一〇〇度C以上だ。一〇八度Cか。こんな高温で入れてはいけない。

 気圧が高いせいで、沸騰温度も高いから、温くなってくるには暫く掛かる。

 巨大しゃもじのような木の道具でだいぶ中をかき混ぜたが、樹皮は全部、火箸で掴んで外に出した。樹皮を捨てているらしい大きな壺があったので、そこに入れる。

 

 老人がやってきた。

 老人が勝手に必要な大きさに切ったらしい。厚い方の皮だった。

 そうして見ていると、老人は釜の湯気を一目見るなり、皮をタンニン液の中に投入した。

 ろくに温度を確かめもしなかった。さっきの投入前の温度は六四度C。

 老人は湯気の上がり方だけで、判断したのだ。あの温度でいいという事だな。

 

 「薄い方は、おみゃあは、どうするつもりだ」

 「(にかわ)の、水を、作って、そこに、浸けます」

 急に老人の目が細くなった。

 

 「ギルのやる皮板か。ふん。やってみせろ」

 老人は、少し睨むような顔だ。

 

 これは膠の濃さが重要だ。あまり濃くしても、上手く浸透しないのだ。

 今回は、お湯を六・五、膠を三・五の割合で溶かし、まだ温度が高いうちに、この液体をよくかき混ぜる。膠が充分溶けた所で、皮を入れる。

 

 

 叩いた皮の中のタンパク質に膠が浸透しきってくれれば、乾燥させるとあの金属のような硬さの皮ができる。とはいえ、薄いので、本物の金属のようにはいかないのだが。乾いた時に出る白い粉は、全部拭き取ればいいので、気にしない。

 

 

 つづく

 

 いきなり、皮を選べと、試されるマリーネこと大谷。

 しかし大谷は、普通の人にはない「見極める目」がある。

 皮は難なく選び、皮を鞣す作業から。

 

 次回 マリハの町と複合鎧2

 皮を漬け込むと、もう手持無沙汰。

 そんなマリーネこと大谷を放置して、老人は鉄を叩いている。

 

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― 新着の感想 ―
[一言] 臭い爺だとか言われていた革匠でしたが、さすがに物理的に悪臭がする老人というのは予想できませんでした。でも振り返ってみればみんな臭い臭いと言っていましたものね……。 臭い爺でした。
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