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016 第3章 初めての制作 3ー7 槍の訓練と謎の本

狩りの為に地道に訓練開始です。本の調査もします。

 16話 第3章 初めての制作


 3ー7 槍の訓練と謎の本


 まずは素振りから。とことん地味だ……。


 なにか戦闘スキルの優遇は(もら)ってないんだろうか。本当に……。

 自分で知る事が出来ないので、やるしかない。

 ステータス画面が出たらどんなに楽か。


 獲物を突くための素振りを続ける事一週間。標的が欲しくなってきた。


 そこでダミーの標的を作る。

 まずは台になる板に棒を打ち付けて一番上に横に出る腕をつける。ブームとかいうんだっけか。この腕の先端に紐をつけて袋を吊るす。袋には石を入れた。


 刃がついてる槍だとすぐ袋が駄目になるから、穂先なしの竿を握って、標的を突く。

 長さは合わせてある。


 当たると標的はふらふら動くので、いい練習になった。

 大きく揺れた標的を的確に突けるようになるのに、二週間の時間が必要だった。


 前後に動かしつつ、左右にも少し揺れている袋を一瞬で突き、前後の揺れに収束させるようになるまでに、更に二週間かかった。


 もうダミーでは動きが分かってしまって練習にならない。


 大きく前後に揺らした後、目を(つむ)って当てる練習をする。

 距離は竿を一杯に繰り出して、袋が前に大きく揺れた時に当たるよう距離をとった。


 ぎりぎりの間合いを練習するのだ。

 相手の突っ込んでくる力を利用して勢いを倍にする。その訓練だ。


 石袋が前に来る瞬間に竿を素早く繰り出さなければ当たらない。出鱈目(でたらめ)に振っても駄目だ。


 呼吸を整え、袋が来ると自分で思った瞬間、竿を真っすぐ突いてその瞬間に竿が袋に当たる様になるまでに一ヶ月の時間がかかった。

 どんな態勢からでも行けるようにと、座ってから片膝付いた状態とか、中腰の状態でも突けるように練習したからだ。

 自在に操れる様になるには、やはり時間が必要で地味な訓練が続いた。


 その間の夜は、あの読めない文字の本が何か分からないか調べるのに当てた。

 夜はひたすら読めない本を眺めて過ごし、いつの間にか眠っていた。

 

 槍の練習の傍ら、夜にやっている本の調査で、とうとう絵がだいぶ入った一冊の本を見つけた。

 この本はおそらく村長婦人だったのかと思われる、洒落(しゃれ)た布が窓についていた部屋の持ち主の書棚から見つかったものだ。


 絵はどうやら植物の葉っぱで、その下にびっしりミミズののたくった文字が書かれている。

 これは、植物図鑑だろうか。薬草図鑑かも知れないな。と思った。


 とにかく図鑑だろうと推測して見ていくと、どのページも葉っぱの絵、どこに生えているのか分かる様に植生が描かれたスケッチの様な絵と、根っこまで含めた植物の全体の絵が描かれている。


 ページはかなりある。

 この薄い皮が何なのかは分からないが、この本は貴重な物に違いない。

 ページ毎に書かれているミミズののたくった文字を比べていくとなんとなく規則性があるような気がした。


 もしこれが推測どおりに図鑑なら、これらは全て同じ構成、かつ同じ文体で書かれているのではないか? という推測が成り立つ。

 文法も慣用句も判らないまま、変な小説かも知れない本に手を出すよりは、こういう本に的を絞るべきだな。


 ただ、大きさとかに関しては、あの大工の定規にまったく文字が無かったので、どういう数字を使っているのかの手掛かりは無い。

 どっちみちこの本は亜人の本では無さそうだ。

 単位も判らないし、解読は相当難航しそうだった。


 数を表すのに、アラビア数字とかローマ数字をすぐに想像するのはまずいだろう。先入観は払っておかないと。


 さて、訓練はもういいだろう。大分時間を使ってしまった。

 明日は狩りに出てみる。


 今日はよく寝て明日に備えよう。

 

 ……

 

 

 つづく

 

槍はどうにか扱えるという自信を得たマリーネこと大谷。

とうとう村の外で狩りをする事に。

果たして、どんな狩りになるのやら。

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