145 第17章 トドマの鉱山事件 17ー14 事件のその後4
第三王都には、態々、トドマ支部のヨニアクルス支部長が来ていた。
そして、今回の功績の話と階級章が渡される。
145話 第17章 トドマの鉱山事件
17ー14 事件のその後4
翌日。
起きてやるのは何処にいても、何時もの様にストレッチだ。
そして、空手と護身術。
何時もの服に着替えて、ダガーを使った謎の格闘術を行う。
鍛錬が終わるとやる事が無い。
暇な昼下がり。
そこに、ヨニアクルス支部長がやって来た。
私はまず、今回の任務で唯一斃した、あの大型犬の魔獣の魔石と耳をリュックから取り出して渡した。
「これは、どうしたのだね、ヴィンセント君」
「ワダイ村で、魔獣がでました。その魔獣、王国の方はガーゴベイルと呼んでいたものです」
「ワダイ村とは、これまた……随分と遠くまで行ったものだね」
「特別監査官様には、あとで、説明しました。ワダイの、村でも、密輸があると、私は思った、いえ、思った、というのは、正確では、ありません。夢で、見たから、です」
支部長は苦笑していた。
無理もない。大事な作戦中に、夢で見ました、そっちに行ってきます。なんていうのは普通は許されないだろう。
あの時、スヴェリスコ特別監査官なりに、何か感じる所があって、急に私が別の場所に行くのを許可してくれたのだ。
あの時はその理由すら、私は告げなかった。しかし許可してくれて、護衛までつけてくれたのだ。
護衛のあの人達がいなければ、あの密輸現場の襲撃は失敗していただろう。
私一人で出来る事では無かったのだから。
「随分と、色々あったようだな。まあ、君の事だから大した事では無いといった素振りで済ませているのだろう」
支部長は私の方を見た。そして、右手を右耳の耳たぶに持って行き、耳たぶを引っ張った。
「今回の件は、君に任せるより他なかったのだが、君に任せたのは正しかったようだな」
「今回の魔獣の大暴走は、既に大きな話題になっていてね。君の一番嫌う、注目の的になっているよ」
そういって支部長は両手を腰に当てた。
「ヴィンセント君、今回君の斃した魔物たちの数は実に五五体だ。最後の八体、グラインプラをほぼ瞬時と言っていい時間で斬り殪すのは周りの隊員たちが見ていた。既に鉄階級やあの時、ギングリッチが連れて行った若い銅階級の隊員の間では、君は紅色の山神、マニュヨルのテッセンの生まれ替わりだという噂で持ちきりだ」
支部長は片目を瞑って、右手で右耳の耳たぶを引っ張った。
「マニュヨルのテッセンとは、何ですか?」
「ああ、この国からだいぶ東にある山の方に住む山岳種族にクルベル族という人々がいてね。彼らの聖なる山がマニュヨル山で、そこには麓に守り神のような戦の神、テッセンが住まうとされているんだ」
「そのテッセンは、身の丈が、丁度君くらいで、赤い服を着ていて、髪の毛も赤い。そして大きな剣を持っていて、山に住む民に仇名す敵を全て斬り払うというんだ。君は魔物たちの返り血を浴びて、服が赤く染まっていたし、全身血だらけで、髪の毛まで赤かったそうじゃないか。ギングリッチからも聞いている」
「はぁ……」
彼らが私を見て、何か見てはいけない物を見たような目線だったが、私は戦神の生まれ変わりにされてしまったのか。
「あの、違うんです」
「何が違うんだね、ヴィンセント君」
支部長は両手を腰に当てて私を見降ろした。
「えっと、あの時に、斬り斃した、魔物たちは、魔物の、実力を、発揮して、いません。そうであれば、ただ、ちょっと、速いだけの、山の獣に、過ぎないんです」
「それはどういう事だね」
「あの魔獣たちは、魔獣使いに、操られて、いました。そして、魔獣たちは、そのせいなのか、魔獣の、持っている、特別な、攻撃を、仕掛けて、きませんでした」
「ほお」
「スラン隊長には、言ったのですけど、私は、魔獣の、気配のような、ものが、わかります。ですけど、あの時に、押し寄せた、魔獣たちは、その独特な、気配が、ありませんでした」
「ふむ」
「あの時の、魔獣は、私から、したら、ただの山の獣。それ以上でも、それ以下でも、ないです」
そう言うと支部長は胸の前で両腕を組んだ。
「それは君にしか判らない。であるのならば、君があそこにいたからこそ、あれだけの魔獣の退治が可能だったと言える」
これに関しては、何も言い返せる言葉はなかった。
私はただ頷いた。
今回の件だけでなく、山の警邏でも十分に実績を積んでいる事は、否定しようの無い事だと支部長。
鉱山での警護の仕事と特にあのカレンドレ隊長に重症を負わせたオブニトールの一件があった。それと私は然程のことには思わなかったが、ギングリッチ教官、もとい、隊長と斃したレハンドッジの群れの件もあった。数が多かったし、三人いたとはいえ、実績に大きくカウントされたのは間違いない。その他にもぽつぽつ魔獣は出ていたのだ。
そして私に金の階級章が与えられた。それも金に○二つ。恐らく相当に異例の事だろう。
金の階級章になると、それまでとは、扱いが全く異なるという。
支部長は私に説明した。
一つ。冒険者ギルドで出される仕事は、これを自由に選べる事。ただし低難易度の物は選べない。また支部長から指示される仕事は、難易度に関わらず実績となる。
一つ。一つの節につき一度、実績を出せば、階級は下がらない事。この時に連れて行く部下を指名できる事。
一つ。金の階級は、長期の離脱に際して事前に休暇願いが出せる事。最長は三年まで。何度も繰り返し出せるものではないので注意。相応しくないと判断される場合があり、その時は一階級、降級となる。それによって銀階級にまで降級した場合は、一年間の猶予期間中に昇級しない場合、金階級の待遇は失われる。
一つ。希望するならば、転属願いが出せる事。ただし相応の理由が必要である。
一つ。他の技能を取得する目的で冒険者ギルド以外のギルドに入門する事が許される事。
「この五つは、金以上の階級を得た者には、自動的に付与される。今後の君の権利だ。普通は他のギルドに入門することは、冒険者ギルドに限っては、魔獣狩りに専念して貰う意味もあって北部方面のギルドでは許可していないのだが、金階級ならば、仕事そのものは不定期になるので許可している。白金の二人、特に小鳥遊殿の場合は既に独立治療師の資格のままトドマに来たが、彼女は色々別格だった」
支部長はそう言いながら、またしても右手で右耳の耳たぶを引っ張った。
「君は今後、白金の二人と同じように、何かの任務を一つの節に一度。年間で九回こなせばいい。十分な報酬が支払われる。それと、君が鉱山周りの警護を行った給金は既に君の代用通貨の方に入っている」
そう言って支部長は両手を腰に当てた。
「今回の鉱山の入り口での大活躍は流石に普段の給金という訳には行かない。ベルベラディの方からも言われているが、それが無くても、君には今回商業ギルドの方からも特別報酬が入っている。今回に関しては、金額は事務所の方で訊くといいだろう。係官にも話はしてある」
それだけ言うと支部長は片目を瞑った。
なにかしら褒美が貰える事となったが、またしても保留。今は特にこれを、というものが思い浮かばなかったのだ。
私は鉱山の警護仕事を卒業という事だな。リック隊長が言っていたな。随分と前に卒業した、と。
私は折角来た、この大きな第三王都を少し見学したかった。それを支部長にお願いする。
あまり時間は無さそうな支部長に無理を言って共に王都の見学。
私は渡された金の階級章を首につけて、胸のところに縦方向にプリーツが入った白いブラウスと濃紺のスカートを着用。小さいポーチを肩にかけて、濃紺のケープをその上から身に着けて、首には白いスカーフ。腰にはブロードソードと右腰にダガー。これでお出かけである。他の荷物は商館に置いた。どのみち戻ってくるのだ。
支部長は第三王都の事をかなり知っているらしく、行くべき場所は、もう分っていると言わんばかりだった。
この広い王都の中では、乗り合いの箱馬車が多数走っている。
やや大きめの箱馬車を四頭のアルパカ馬が曳いていて、その箱馬車には車輪が六輪。大通りを四つ角で曲がって一周するもので、一二人乗りになっていた。
椅子が左右に二つ、中央に一人が通れる程度の通路。三列あるので一二人乗りだ。
大きな箱馬車のどれに乗るのか、私では全く判らない。
支部長は、特定のものを待っていたようで、それが西に向かってから北に行き、そこから真っすぐ南に向かって王宮の方に戻る乗り合いを探していたのだった。
来た箱馬車に私も乗せて貰う。と言っても乗るのに支部長に抱えて貰って、乗せて貰う。恥ずかしいというか、身長が低いせいで少し上げた程度の足では、箱馬車の階段板に届かないのが悲しい。走って飛び乗るなら出来るだろうけれど。
この王宮周辺を走る箱馬車は、全て無料だった。費用は全て王宮が支払っているらしい。そして、王宮関係者が乗る時は最優先で、彼らを乗せることが決められていて、乗っている客は、降りなくてはならない。
私が乗っている間、そういう関係者は乗ってこなかった。
西の角に来たが、まだ王都の西の壁は遥か先である。
箱馬車はここで右に曲がって北に向かう。外は余り見えないのだが、三階建ての建物ばかりだ。人口が多いから、集合住宅という事だろうか。
北に向かった馬車から見える景色は、殆ど何処も変わらないが、時々大きな屋敷のような物がある。大商会の建てた商館だ。
そこを通り過ぎて、さらに北に向かい、再び東に向かう角の所で降りることになった。
沢山の人々が行きかう賑やかな場所で、支部長が笑顔でどんどん北西に向かう。
だいぶ街の中を進んだところで、いきなり支部長が呼び止められた。
「よーぉ、ラギッド。珍しいな。どうした。王都が恋しくなったか? それともあの爺さんに呼び出しでも喰らったか」
そこには紳士的な服に身を包んだ、赤ら顔の大男が立っていた。
焦げ茶の髪の毛が後退していて広いおでこ。薄青い目。顔は酔ってでもいるかのような赤ら顔だ。背は高い。二メートルは軽く超えている。門番の女性たちより背が高いだろう。勿論支部長より背が高い。
「ああ、ちょうどよかった。あんたの店に行くところだったのさ、スイッド」
「横に小さい子供がいるが、お前さんの子か?」
大男が私を指さした。
「おいおい、髪の毛も違うし、目の色も耳も違うだろが」
そう言いながら支部長は、この赤ら顔の男の腹を小突いている。
どうやら、古い顔馴染みらしい。
「ああ、紹介するよ。彼女はマリーネ・ヴィンセント嬢だ。わけあって、うちの支部に来たんだが、若き俊英だ」
支部長はそういってから、私の方を見た。
「彼はスイッド・マインスベック。私の古くからの知り合いだ」
「知り合いか。まあ腐れ縁のようなものだが。だがお前さんがトドマに左遷になっちまって来なくなってからは、どうにも面白くない」
「ご紹介に預かりました、マリーネ・ヴィンセントと申します」
私は胸に手を当ててから、何時ものように両手でスカートの端を少し掴んで広げ、左足を後ろに引いて、軽く右ひざを曲げ、お辞儀した。
「おや。行儀のいいお嬢さんだな。ラギッド」
「彼女は礼儀はちゃんとしてるんだ。それに私は左遷という訳でもないんだが。スイッド。まあここで立ち話していてもしょうがないだろう。店にいこうじゃないか」
「ヴィンセント君も付いてきなさい」
私は返事の代わりにお辞儀をした。
二人は、人通りの多い商店街らしき場所を暫く進むと、大きな広場に巨大な平屋の屋根のついた場所に来た。そこは総合ショッピングセンターとでもいうべき場所で、そこは人が通るやや広めの通路以外は、小さなスペースに区切って多数のお店が出ている。
全体は大きく区分けされていて、衣類専門の場所、小物や雑貨の場所、金物専門、その他の場所、そして飲食の場所。
「いい酒も入ったんだ。どうだい」
大男は支部長の方を振り向くなり、片目を瞑って見せた。
「今日は仕事じゃない。一杯飲むか」
支部長もそれに応じる。二人は勝手に飲むことに決めたらしい。
そそくさと二人が人混みに入ると、ささっと人々が、道を開けた。
私もついていく。
どうやら、この赤ら顔の大男が有名人らしい。
大男と支部長が、他の店よりはだいぶスペースを取った大きめの店に入った。
看板には『マインスベックの酒と料理』
なるほど。簡潔だな。彼の店という事だ。
支部長と大男は、窓際に陣取る。私は支部長の横に座ったが、相変わらず椅子の高さが合わない。仕方なく靴を脱いで、正座してやや爪先を立てる。これでやっと胸がテーブルに届く。
私はケープを取って膝の上に置いた。スカーフも外す。
首元の金色の階級章が、店の燭台の灯りで煌めいた。
その階級章を見たマインスベックの目には明らかに大きな驚きがあったが、彼は何も言わなかった。
「ここは随分、大きくなったな。スイッド」
支部長がそう言うと赤ら顔の男は、笑顔だった。
「第四商業ギルドの方で、だいぶ色々融通してもらったのさ」
「そうか。西南西から北西一帯、あとは北地区の半分が第四だったな。今の第四地区はだいぶ規制が緩くなったのか?」
「いや、そういう理由でもないんだが。ポロクワ街を知っているだろう?」
「ああ。まさか、あそこの青空市場か?」
「そういうことさ。それを毎日行える様にしたと思ってくれればいい」
「よく、王都が許したな」
私は黙って話を聞いていると、そこにウェイターのような男性がやって来た。
きちんとした服を着こんでいて、一部の隙も無い。オセダールの宿にいた人たちと似ている。
「会長様、ヨニアクルス様。お酒をお持ちしました」
「此方のお嬢様には、果実の果汁をお持ちしました」
男がほぼ直角じゃないのかと思うような角度でお辞儀して、去って行った。
「まずは乾杯と行こうじゃないか、ラギッド、お嬢さん」
「ああ、再会を祝って」
支部長はグラスを持ち上げた。
「乾杯」
私に出されたのは生ジュースらしい。まあ、見かけはまるっきり子供だから仕方がない。
「なかなか、いい酒だな、スイッド」
支部長がそういうと大男はニヤリとして片目を瞑った。
「こいつはクルルトの方から仕入れたんだ。うまいだろう」
大男と支部長が呑みながら話し始めた。
「あそこに、こんなうまい酒を造るやつがいたのか」
「まあ、色々探させたのさ。そして俺好みの酒造りが出来るやつを送り込んで、そこに工房を造った」
「それじゃ、ずいぶんと手間もかかるし手続きも面倒だろう」
そういうと支部長は早くも半分ほど飲んでしまった。
「ここを借りる時ほどじゃないさ。それでも、ここの監査官殿がこれで中々話が通るんだ、ラギッド。それでだいぶ投資した訳さ」
「ほお。ここの監査官殿は、今は誰なんだ?」
「ララナス・リル・バウンスシャッセ監査官殿だ」
「なるほど。あのお方か。たしか前はコルウェにいたのだったな」
「ああ。あの馬鹿でかい港町で相当、学んできたらしいな」
そう言って赤ら顔の大男は、ニヤリとして見せた。
……私は一度、その人に会った事がある。
あの取り調べの時のノレアル・リル・エルカミル第一商業ギルド監査官の横に来た人だ。エルカミル監査官がバウンスシャッセと呼び捨てにしていた。
少し怖い感じで、やや取り付く島もなさそうに見えた監査官だった。
しかし、やはり優秀なのだろう。商業を盛んにする方法に関しては積極的という事に違いない。
そしてこの、マインスベックという赤ら顔の大男は、さっきのウェイターが会長様と呼んでいた。つまり彼自身の商会の会長であり、この馬鹿でかいショッピングセンターの建設主であり、家主という事なのだろう。
「おい、スイッド。第三地区の方の店はどうしたんだ」
「あっちはな、もうとっくに畳んだ」
赤ら顔の大男は一気に酒をあおって、もう一杯を二人分直ぐに持ってこさせた。
「どうして?」
「お前が王都を出ていって暫くして監査官殿が変わってな。お前さんがいたころのような雰囲気じゃなくなったんだ。どうにもあっちはよろしくない感じで、第四地区に絞ったという訳さ。第三地区の店を売って出来た資金を全部ここに投じたって事さ」
「そうか。南の方の店もいい感じだったのにな」
「まあ、監査官殿に睨まれる前に脱出できてよかったさ」
「不穏だな」
「ま、色々あるさ。ここもだいぶ人が増えてるからな」
支部長とこの赤ら顔の大男の四方山話はずっと続いていた。
途中で出された多種類の料理は、匂いのしない魚醤をふんだんに使った物が出された。
手を合わせる。
「いただきます」
旨味たっぷりの肉汁が掛けられた、何かの肉。
魚も干して旨味を引き出した後にたれを塗って焼いて切り分けた物だ。
旨味が多いスープに入った野菜。
どれもこれもいい味だった。
支部長の古い友人との話は尽きずに続いているようだった。
私はそれを見ていると、元の世界の友人たちの事を懐かしく思い出した。特に湯沢の友人の事を。
……
感傷に浸ってもしょうがない。もう、戻る事は二度と出来ないのだから。
長い長い付き合いの友人との思い出があるだけマシじゃないか。
そう思い直す。
私は料理を堪能した。
手を合わせる。
「ごちそうさまでした」
両人とも、お酒が回って完全に出来上がっていたが、ふいに大男が、ウェイターを呼んだ。
「ヨニアクルス殿と、このお嬢さんをな、彼らの宿に返せるように馬車だ」
「畏まりました」
そう言ってウェイターは後ろに下がった。
どうやらお開きのようだ。私は急いでテーブルに置かれた白いナプキンらしい布で口を拭いて、首にスカーフを巻きなおした。それから濃紺のケープ。
靴を履いて、座り直す。テーブルの上には私の顎の下、スカーフがようやく見えるくらいだが、もう帰るのだから気にしない。
暫くすると、その馬車が来たらしく、支部長はやや千鳥足のまま箱馬車に乗り、私は御者の男性の手で、馬車に載せられた。
支部長は一言。
「クゼスカまで頼む。冒険者ギルドの支部の横だ」
御者は頷いてアルパカ馬に軽く鞭を入れ、箱馬車は通りを走り始めた。
つづく
第三王都に以前住んでいたヨニアクルス支部長は古い友人との出会いで、彼らは暫し旧交を温めることになった。
大谷も、元の世界の友人との思い出に浸ろうとしたが、元の世界に戻る事の出来ない大谷はその思いをそっと胸の内にしまった。
次回 事件のその後5
第三王都を後にして、トドマの宿営地に戻るマリーネこと大谷。
昇級したことで、宿営地を引き払う事になったのだった。