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116 第15章 トドマの港町 15ー23 続・山での警邏任務5

 休日に支部長が娯楽棟にやってくる。

 カレンドレ隊長の意識が戻ったことで、支部長はお見舞いに来たのだが、カレンドレ隊長は、支部長にあの蜥蜴男との邂逅を話したのだった。

 

 116話 第15章 トドマの港町

 

 15ー23 続・山での警邏任務5

 

 翌日。

 

 起きてやるのは、何時ものようにストレッチ。

 ネグリジェを巻き上げて、軽く準備体操をしてから、着替える。

 ツナギ服は干しているので、着るのは、以前普段に着用していた服である。

 

 そして、外に出て空手と護身術も行う。

 汗を拭いて、一休み。

 そこからブロードソードの鍛錬。一通りやったら、ダガーを二本で我流の格闘術だ。

 空手の動きのような、護身術のような動きにダガーを使う、私独自の我流格闘術。

 

 これも終わったら、スラン隊長に見せて貰った二刀剣術だ。

 左手にミドルソード、右手にブロードソード。

 二刀剣の練習だ。目を閉じる。

 あの黒服の男の打ち込んでくる剣をミドルソードで僅かに弾いて逸らす。イメージを頭に思い浮かべ、左手を僅かに動かしてコツンと弾く。

 右手でも同じだ。ただ右手のほうは剣が短い。そこもイメージに入れる。ギリギリまで引きつけて、右手で僅かに外側に弾く。

 

 スラン隊長は私の動きを見て、まだ大きいという事だった。無駄を削れと。

 出来るだけ手を動かさない、迎え撃つ剣。左手の握った手を僅かに外側に回す。肘の動きもギリギリ僅かに動かす。

 相手の強烈な剣が当たっても、手首がブレない様に固定だ。弾いたイメージの後、ほぼ間髪を入れずにそのまま左手で突きを入れる。

 この左手の剣が弾かれる事も想定。弾かれた剣を引き戻しながら、カウンターで来るであろう剣を逆に僅かに弾いて剣を突っ込む。しかしその剣も弾かれる事を想定して、弾かれた瞬間に脇を閉めて剣を戻す。

 目を閉じて、シャドウで剣を動かし続けた。

 

 どれくらいやったのか。門の方で鐘が一回だけ鳴った。

 ドアが開いて、女性たちが出て来て、彼女たちは何時ものように館に向かう。

 私は剣を仕舞って、挨拶した。

 彼女たちからも笑顔の挨拶があった。

 

 汗を拭いて、一休み。

 

 ……

 

 服を着替える。今日は仕事はないのだ。

 若草色のブラウスと、焦げ茶の長いスカートにする。

 一応忘れてはいけない階級章。そして首には白いスカーフ。

 私は、娯楽棟に向かった。

 

 ……

 

 娯楽室には人が大勢いた。

 奥の方ではまだ昼にもならないうちから麦酒を飲んで上機嫌な状態の男衆が、椅子の上でなにか歓談していた。

 時々、私には分からない共通語ではないものが混ざる。きっと、彼らにとって話しやすい母国語が出てしまうのだろう。

 共通語がやっとの状態で喋っているのは、私だけじゃないらしい。

 

 そこへ支部長が娯楽棟にやって来た。

 支部長は、昏睡状態だったカレンドレ隊長を見に来たのだった。

 

 そして、ようやく意識を取り戻したカレンドレ隊長である。

 カレンドレ隊長はここ二日で短時間意識を取り戻してはいたものの、はっきりと覚醒したのは、昨日の事であったという。

 

 そこで支部長が見舞いに来たわけだ。

 まず、支部長だけが医療班の許可を得る事になっていたらしい。

 医療班の女性がやってきて、支部長を連れていった。

 カレンドレ隊長が寝ている部屋に向かったようだ。

 

 ……

 暫くして医療班の女性が娯楽棟にやってきた。支部長が呼んでいるとの事だった。

 

 娯楽棟にはスラン隊長とズルシン隊長も来た。

 私と隊長ふたりが、カレンドレ隊長が寝ている部屋に通された。

 

 そして、そこで明かされたのはラドーガという蜥蜴男との邂逅、ラドーガの語った話である。

 

 私が来た事を視界の端に捕らえたカレンドレ隊長が話し始めた。

 「あの日、オブニトールに出会う前に、……魔族の男と出会ったのですよ。支部長殿」

 「この件に関しては、隊長権限で、口外無用とさせました」

 まだカレンドレ隊長は薄く目を開けただけのような状態だった。

 

 「この魔族は、グレミケル族のラドーガと名乗り、ヴィンセント殿を(わらし)扱いしよったのです」

 「その時に、ヴィンセント殿が名乗り、ラドーガは奇妙な事を言ったのです。エルフ族も魔族も(たばか)るか、と。そして、彼女が死んでいない事も不思議だと言い、銀の森に行けば彼女の血の事も分かる事だと言っていました」

 そこで一度、カレンドレ隊長は目も口も閉じた。

 まだ、体力が回復してきていないのだ。

 

 ……

 

 彼は再び話しはじめる。

「ヴィンセント殿が、そこには行く事が出来ない、という様な事を言ったのです。しかし、ラドーガは事情をほとんど知っているかのような口調でした。ヴィンセント殿の家は、ガイスベントにあるが、既にもう無いと」

 そこまで言うとカレンドレ隊長は、目を閉じた。

 

 「……」

 支部長は無言だった。

 

 再びカレンドレ隊長が語り始めた。

 「あの魔族の男は、今の魔王である『ジオランドス魔王』に会えと、ヴィンセント殿に言ったのですよ」

 「私にはさっぱり判らない。ヴィンセント殿には一体どういう過去の経緯(いきさつ)があるのか」

 

 「…………」

 なおも支部長は無言のままだった。

 

 私はそもそもガイスベントという国が何処に有るのかすら知らないのだ。すでに無いというヴィンセント家の屋敷とやらも知らないし、なぜ、魔王が出てきて、自分の出生を知っているのかも謎だった。

 そもそも、お(ばば)は、ヴィンセントかもしれぬとは言ったが、確定ではない。私の剣の練習を見て、そう言っただけだ。

 

 ヴィンセント家がこの王国の槍に匹敵する武の持ち主である事は王国概要にあった。たった一行だが。

 その事と、私が少し剣を振り回した事が偶然の一致で、苗字が同じ、剣も使える、これは武勇で知られるヴィンセント家のものだ。という勘違いが独り歩きしているのではないのか?

 私にはそう思えてならなかった。

 

 ……

 

 病室には重苦しい空気だけが、そこにあった。

 

 その沈黙を破ったのは、スラン隊長だった。

 「支部長殿。皆には言ってはおりませんが、ヴィンセント殿と一緒に伐採場の奥を警邏した際に、森の奥から伝説の魔獣が出たのです。…… ベントスロースでした」

 「何!」

 支部長の顔色が変わった。

 「なにがあった。スラン」

 「いえ、何も。…… あのベントスロースは、()()()()()()()()です。私たちを。いや……。たぶん……、ヴィンセント殿を見ていたのだろうと思われます」

 「態々、銀の森からか?」

 支部長の目が鋭く光った。

 スラン隊長はあの時の事を思い出して、すこし顔を(しか)めていた。

 「そこまでは分かりませんが、あの獣はこちらを値踏みするかのような目線だったのは確かです。何かを確かめ、それに満足して帰っていったと思うのが自然。そういう遭遇でした」

 

 「うーむ」

 ヨニアクルス支部長は唸った。

 

 そこにズルシン隊長が口を挟むように発言した。

 「そう言えば、エボデン隊長代理と共に、アジェンデルカにも出会って戻って来たのでしたな。ヴィンセント殿」

 ズルシン隊長が腕を組んで私を見下ろしていた。

 「儂が思うに、アジェンデルカもヴィンセント殿を見る為に来たのではないのか。そして何かを確認して、それで戻った。ベントスロースがそうであったのなら、この一件もそう見るべきでしょうな」

 

 支部長は腕を組んで目を閉じた。そして重々しく頷く。

 

 「支部長殿、彼女は……、一体……」

 カレンドレ隊長はまたようやく薄目を開けて私の方を見ていた。

 

 「カレンドレよ、まだ確たる事は何も言えん。彼女も自分の昔の記憶を失っている。自分がどこの出身なのかすら知らないのは本当のようだ」

 そう言って支部長は私を見た。

 「しかし、彼女が何処の出身でどういった経緯(いきさつ)があろうと、今は白金のふたりの保護の元に我々の前に現れ、そして()()()()我らの仕事を手伝ってくれている」

 ヨニアクルス支部長は、両手を腰に当てて全員を見回した。

 「そうだろう?」

 支部長がそう言うとズルシン隊長もスラン隊長も頷いた。

 

 「だから、今回の件。様々な事がある様には思うが、これは皆の胸に仕舞っておいて欲しい。いつか本当の事が判るだろう」

 

 「了解しました」

 最初にそう言ったのはスラン隊長だった。

 ズルシン隊長は目を閉じたまま、少し大きく頷いただけだった。

 カレンドレ隊長もベッドに寝たままだったが小さく頷いた。

 

 病室ではなおも重苦しい空気が流れる。

 「支部長殿」

 しばしの沈黙を破ったのはズルシン隊長だった。

 「儂らの間の認識では、この山の(ぬし)が以前とは異なり、『アジェンデルカ』に変わった。これは、ほぼ間違いないと考えております」

 「そうか。分かった。これが何かの予兆なのか、我々にはまだ分からないが、何かが起ころうとしているのだろう」

 支部長がそう言った所で、医療班の女性が入って来た。

 

 「もう、ここまでとして下さい。カレンドレ隊長様のお体に障ります」

 「すまない。時間を取りすぎたようだな。全員これでお暇しようではないか。カレンドレよ、早く良くなるといいな。なにしろ我々には人手が足りない。直ぐにでも良くなるよう願っている」

そう言った支部長は左手で左耳を引っ張り、カレンドレ隊長を見つめた。

 カレンドレ隊長の顔に僅かに微笑が見えた。

 そして支部長は他の二名の隊長を引き連れて扉に向かった。

 

 「カレンドレ様、早く良くなりますよう」

私はそう言って、スカートの中間をつまんで持ち上げ、左足を引いてお辞儀した。

「それでは失礼いたします」

右掌を胸に当ててそう言うと、カレンドレ隊長ははっきりと優しそうな顔を見せてこちらを見ていた。

 

 彼はまだ意識が戻ったばかりだ。カレンドレ隊長が体力も回復してリハビリを行って、再び警邏に出れるようになるまでにはかなりの時間が掛かる事だろう。

 

 ……

 

 娯楽棟に戻ると、人が多い。全てのテーブルは人で埋まっていた。

 皆、ボードゲームに興じて、麦酒を飲んでいる。

 あのバックギャモンらしき物や、駒の多いチェスのような物だ。

 こういうのは、元の世界では大抵がギャンブルになるのだが、ここは聞いてみる。

 「あの、すみません。こういうのって、何か、賭けたり、するのですか?」

 

 男はぎょっとして、私を見た。

 「お嬢さん、新入りかい?」

 かなりの掠れ声だ。彼は私を()め回す。

 「鉱山街での賭け事は禁止されているんだ。麦酒もそうだ。一切が賭ける対象にならない。これはこの王国ならどこの鉱山街でもそうさ。覚えておくんだな」

 男はまるで怒っているかのような表情だ。

 「ありがとうございます」

 私は無理やり笑顔でそう言って、お辞儀して後ろに下がった。

 

 どうやら禁忌(タヴー)に触れたらしい。

 この王国の鉱山労働者たちに賭け事禁止令が出ているのだろう。あの表情の(けわ)しさから言って、話題にする事さえ躊躇われるという感じか。となると、相当な厳しい処罰が有るという事になる。

 

 まあ、元の世界でも近世ではあまりにギャンブルが加熱するものだから、王様の命令でバックギャモンの遊戯自体が公共の場や酒場で遊ぶのが禁じられたほどだ。

 その後はチェスが主流になってはいくものの、そのチェスだって倶楽部の中で密かに賭け事は蔓延したという。

 

 元の世界でもこうしたボードゲームを賭け事にしていた人々が多数存在していた。

 刺激的な遊びが殆どなかったであろう、あの時代にあっては皆が皆、のめり込むほどの魅力があり、そこに賭けが成立したとしても何も不思議ではない。

 

 異世界であっても、娯楽が少なければそうした事は十分考えられる。

 

 王国の女性たちの娯楽はたぶん、香り立つお香だな。

 スッファの街のオセダールの宿でそれは見た。

 他の国から来た普通の人たちは何が娯楽なのか不思議だったのだが、この鉱山で見る限りはボードゲームだ。カードゲームは無いらしい。

 この王国には残念ながら、紙が無いからな。骨とかで作れなくもないが。

 私は木板で作ったが、あれを他の人も使うとしたら裏側は色を塗るか何かしないといけない。木目が出てしまっている。私の一人遊び用だから何も対処してないが。

 

 スポーツの様な物はまだ見かけていない。

 この重力のやや大きい世界で球技とか、ちょっと考えにくい。

 まあ、槍投げとか、弓の的当てで競技だけでなく賭けるのなら、あるかもしれない。

 走るのだってそうそう容易ではないので、体を鍛える目的ならともかくそれを賭け事にするのは考えにくい。

 

 そうなると、あとはあのアルパカ顔の馬たちを使った馬術競技的な物かレースも考えられるが、この国にはそういうのはないのだろうか。

 しかし、もっと大きい都市なら大掛かりな娯楽もありうるな。

 

 元の世界の古代でもそうだったが、この異世界でも闘技場のような物はあるかもしれない。

 ただ、この国では奴隷はいない。戦闘奴隷とかは存在しないだろう。たぶん。

 だとすると闘技場で戦うのは腕に覚えの有る戦士とかになるだろうか。

 殺し合いが禁止なら、相手は魔獣だろうか。それとも剣の刃を潰したもので殴り合いか。

 こういうのなら、ありそうな気はする。

 元の世界の拳闘のような感じで、人々が観戦するかもしれない。恐らく、ここの王国の女性たちは見向きもしないだろうけれど。

 

 ……

 

 夕食まではかなりの時間がある。

 私は売店に行った。娯楽棟は人がいっぱいで座れる場所もなかったからだ。

 

 売店を眺めていても、そんな長い時間を潰せる訳でもない。

 私は部屋に戻り、あの植物の本を読み始めた。

 どうやら、薬草が多いらしい。

 ……

 読んでいって思うのは、これは漢方薬の元になる薬草の見分け方本といった趣だ。

 多くが漢方のような感じで、すりつぶして、煎じて飲むと熱に効くとか、腹下しによいとか、葉っぱをもんで傷に貼ると切り傷によしとか、そんな調子である。

 なるほど。村の村長婦人の所にあったこの本は、村の薬学の本だった可能性がある。

 

 この本に、あのスッファで聞いたネペタラの木は載っていない。

 残念ながら、プレゴとリドミルの木も載っていないのだ。

 樹木は別の図鑑がありそうだな。これは、あの骨董屋の爺さんに頼んでみるしかないな。

 

 ……

 

 女性たちの夕食の鐘の音が鳴って、少し離れた部屋から女性たちが出てきて、食堂に向かって行った。

 

 どうか、今日も刺激の少ない食事でありますように。

 ……

 

 また鐘が鳴って、女性たちは戻ってきた。

 やっと男性陣の食事の時間になり、私は共同食堂に向かう。

 

 休みの日だからなのか、食事のおかずは多めだ。

 塩漬けした魚を天日に干した、干物の焼いた物。燻製肉をふんだんに用いたシチュー。燻製肉を薄く切って作られたソテー。魚醤を入れたスープと固いパン。赤い葉っぱと黄色の野菜を刻んだサラダ。

 

 手を合わせる。

 「いただきます」

 

 干物は旨味が出ている。いい味だ。小骨はやや多い。

 口の中の傷はもう、だいぶ癒えているのだろうか、塩分が沁みる事はなかった。

 燻製肉の入ったシチューは、とろみが有るのだが、これはどうやっているのだろうか。魚醤と肉から出ている油、茶色になるまで焦がした何かの粉。たぶんそういう組み合わせだろう。

 固いパンを千切ってシチューに付けて食べる。

 魚醤を入れたスープは僅かに色が付いているが、かなり透き通っている。魚醤の臭いは少し。香草で香り付けしてある。

 このスープもまた、見た目からは想像できない程複雑な旨味で構成されてる。

 

 いい味だった。私は食事を堪能した。

 

 手を合わせる。

 「ごちそうさま」

 軽くお辞儀。

 

 ……

 

 夕食後の娯楽棟での打ち合わせにも、支部長はいた。

 

 「さて、ギングリッチ。もう勘も戻っただろう。いくつか魔獣を斃した話も聞いている。来週は工場警邏に入ってくれ。ズルシンは伐採場を頼む。スランは粘土採集場だ。それから、ヴィンセント君。君はまた一日交代で現場をずらして行ってくれ」

 ヨニアクルス支部長は両手を腰に当て、辺りを見回した。

 私はまた、一日交代で見て回る事になったか。

 

 「では、隊員たちのお待ちかね、配置換えの時間だ。あまり騒ぐなよ」

 ズルシン隊長が宣言した。

 くじ引きでの配置換え。くじには多数の棒が用意された。一番下に数字が付いている。この数字がどの現場になるかを示しているという。

 ほど長い箱に差し込まれた多数の棒をズルシン隊長がかき混ぜた。下は見えないように箱で隠されている。

 この棒は一回こっきりなのだそうである。毎回新しく作っているらしい。

 木の棒の特徴を覚えられてしまうと、不公平が出るかららしい。

 

 まず、誰が最初に引くのかさえ混乱が起きそうだったが、これは順番が決まっているという。

 まず工場の夜警邏隊の人たちが最優先でくじを引く。硬貨を投げては、誰が最初にするか、やり合っていた。

 つまり、この現場が一番不人気という事だな。

 次に工場外の昼警邏隊の人。ここも雨が降っても中止にならず、お昼休憩もない。

 厳しい現場という事だろう。

 

 そして伐採場の隊の中で、下生えの伐採や若木を植える方の警護隊。次に伐採場の警護隊。最後が粘土採集場の警護隊であった。

 引き当てたクジで悲喜交交(ひきこもごも)の声が上がる。

 

 私は部屋に戻り、青いツナギ服をロープから外して取り込んだ。

 一日完全に干した事でよく乾いていた。

 

 

 つづく

 

 支部長とそこにいた隊長たちにもたらされた、蜥蜴男の語った内容といまだ、正体のわからぬマリーネの事については、支部長は全員の胸にしまっておくようにとの指示を与えた。

 休日の夜は、来週の持ち場を決める行事であるくじ引き。

 しかしマリーネはまた、魚醤工場近辺警邏からの日替わりとなる。

 

 次回 続・山での警邏任務6


 小糠雨の中、ギングリッチ隊長率いる警邏隊は魔獣と遭遇する。

 もはや、山の警邏は魔獣遭遇が当たり前となりつつあった。

 

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