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【完結】婚約破棄されそうな令嬢は知らないことだらけ  作者: 宇水涼麻
第一章 本編 ご令嬢たちの闘い編
9/71

1の9 本番とは?

ひとつなぞ回収

 明日の本番??


 そう、今日はあくまでも卒業パーティーの予行練習なのだ。


 よく見れば、食事の並ぶべきテーブルには、何も載っていない。


 楽団も半分しかいない。しかも、よく見れば、公爵家と侯爵家のメイドや執事たちだ。


 令嬢たちの装いも普段着るドレスよりは華やかであるが、けっして舞踏パーティー用ではない。中にはダンスの授業の練習用である淡いクリームの学園指定ドレスを着ている令嬢もいる。


 子息たちに至っては、ほぼ制服のままで、上着だけでも替えているのはほんの数名だ。


 保護者も参加できるパーティーであるにも関わらず、保護者は一人もいない。あの重厚な大人たち以外は。


 よく観察さえすれば、違和感だらけなのである。



 一部の者を除いては、卒業パーティーの予行練習であることはわかった上で参加している。

 自由参加ではあるが楽しそうだと多くの卒業生が参加していたし、予行練習であるがゆえに卒業生の婚約者でなくても参加してよいことになっているので、下級生も多く参加していた。


 本番のパーティーでは、下級生は卒業生の婚約者でないと参加できない。



 アリーシャはもちろん予行練習であることは知っていた。だが、断罪されるかもしれないことも国王陛下たちが現れることも知らなかったのだ。


 除かれた一部の者とは、まず、予行練習であることすらも知らなかった彼らだ。彼らとは、あの舞台に立っていた5人だ。自分達の断罪劇場に酔った5人は、会場の違和感にも気付かず、このような結果になったのだ。


 そして、除かれた一部には、令嬢たちへの断罪劇も、重厚な大人たちが現れることも、王子たちが逆に断罪されることも、知っていた者たちがいる。この予行練習という作戦を立てた者たちだ。

 昨年までは予行練習などなかったのだが、楽しいことが増えたとばかりに、恒例になるかもしれない。



「みなさん、今日は予行練習にお付き合いいただきありがとうございます。予定が随分と変わってしまい、ごめんなさいね。

 軽食ですがご用意いたしましたので、召し上がってくださいませ」


 学園のメイドたちが、軽食やお茶やジュースを運んできたタイミングで、イメルダリアが会場の皆に声をかけた。

 楽団だったメイドや執事も給仕にまわってくれた。楽団のメンバーを見たアリーシャは、目をまるくしていた。


 確かにただ予行練習だけであったなら、もうとっくに終了していた時間であろう。

 用意された軽食は、すべて、みんなお腹に収まった。


「このあと、楽団は残ります。ダンスの練習のつもりで楽しんでくださいね」

とヨアンシェル・レンバーグが軽食を終えようとしている会場の皆に伝える。


 わぁーと歓声が上がる。いくら子息令嬢とはいえ、ダンスの練習に楽団を呼べるわけではない。普段は先生の手拍子か、ピアノまたはバイオリンだけである。


 楽団のメイドや執事たちは楽しそうに、リクエストに応えた。


 国王陛下が帰り際に、指名したヨアンシェル・レンバーグ、家名の通りアリーシャの弟である。彼はこの学園の生徒会役員だ。なので、卒業生ではないが、パーティーを取り仕切っている。


 この学園の生徒会は、前生徒会役員が上級学年から3人、中級学年から1人を指名して世代交代する。

 しかし、例外はある。王子がいる学年は王子の側近と呼ばれる者が、政務の練習として、生徒会を任されるのだ。

 

 ちなみに、王子とその婚約者は、王家での教育が忙しいため、生徒会には参加しない。


 というわけで、今回は、イリサス、ウズライザー、エンゾラールは決定しており、指名を受けたのは、中級学年のヨアンシェルだけである。


 生徒会が世代交代した時点ですでに問題のような状態であった3人は、案の定、メノール嬢と王子を含めた5人で生徒会室をサロンのように使い、生徒会の仕事は一切しなかった。

 その対策として、それぞれの婚約者に相談し、他の部屋を与え、彼らの代わりに、ヨアンシェルと共に生徒会の仕事をしてもらっていた。


 現在は、ヨアンシェルの学年へ世代交代されているが、中級学年で指名された者はほぼほぼ上級学年になっても生徒会役員に指名されるので、ヨアンシェルはもちろん今も生徒会役員である。

 そして、部屋は、問題の彼らが昨日までサロンとしていため、そのまま他の部屋を使用している。


 ヨアンシェルは上級学年(3年生)の生徒会長として、イメルダリアは、最終学年(4年生)の前生徒会長代理として、国王陛下から指名を受けたのだ。

 

 そして、今日が予行練習だけでないことを知っていたのは、前生徒会役員(代理であるが)であるイメルダリア、ヴィオリア、エマローズ、ヨアンシェルとヨアンシェルの友人2人であった。



 楽しい雰囲気のまま、予行練習は終了し、明日の本番が皆とても楽しみになった。


題名の回収も軽くしてます。たぶん。


ご意見ご感想いただけますと嬉しいです。


筆者は語彙力少なめなので、言葉のご指摘なども受け付けております。


原稿がやっと貯まったので、しばらく毎日投稿します。


明日19時投稿です。

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