表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

雀を飼っていた昔の人の気持ちが分かったような気がした

作者: 如月米美

2ヶ月ほど前の話です。


会社の倉庫に雀が迷い混んで、壁に向かって飛んでぶつかったり、出口が解らず地べたをうろうろしたり、チュンチュン鳴いたりしていた。

たぶん雀の雛だと思う。色が微妙に違ったから。


かわいいので眺めていたいが、ここは倉庫でリフトで色々するところだから誤って轢きそうになるので、一旦仕事を中断して雀を捕まえて外に出すことにした。


地べたに膝をつきハイハイ状態でゆっくり近づくと、警戒したのかチュンチュン鳴きながら壁に向かって飛んで逃げようとする。

数分間壁に向かって飛んだ末、逃げ場がないと悟ったのか雀はおとなしくなって座り込む。少し怯えている気がした。そりゃそうだよな。人間が熊とかに目の前に立たれてるのと同じような状態なんだ。だから、少しでも警戒を解くために姿勢を低くした。

少しずつ近づき至近距離まで近づいた。雀の両側からすくうようにして手を近づけて、手の間から雀の足を出した状態で持ち上げた。その時、雀はさらに怯えた気がした。気持ちは分かるが、許してくれ。こっちにも事情がある。


その状態で倉庫の外に出て、広いところに雀を下ろした。

すると雀は一旦周りを見て、チラッと私を見るとチュンと鳴いてどこかに飛んでいってしまった。


私は雀の飛んでいった方を見て、ホッコリした気分になった。そして手に残っている温もりと感触を思い出しながら、雀って軽いんだなと思った。

感動と驚きがいり混ざった感情になった。なんて説明すればいいんだろう、、、とてもいい経験だった。



2ヶ月ほど経っているのに、今になって投稿したのは理由がある。


最近気がついたのだが、会社近くの電線や倉庫のひさしの下の溝とかにポツンと1匹の雀がとまっているのを、毎日でないがかなりの頻度で見かけるようになった。

もしかしたらあの助けた雀かもしれないと思った。確かめるすべはないが、そうだったらいいなと思っている。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ