驚き
キースとクリスが出発した週末の休みの夜、マギーは珍しく夕食にお酒を飲んだ。
「なんか今日、寂しいですね……」
ヘンリーは飲みに出かけていて、エズラは例の住所に日誌を届けるために外泊で不在だった。
しばらくするとマギーはうつらうつらしだした。
「カイン先生……私ね、ここが好きなの……」
その様子でマギーが酔っ払っていることがわかった。
「……でも、いつかみんないなくなっちゃうでしょ? ヘンリーやエズラやジャンも、みんな出ていくときが来るでしょ? そんなことを考えると寂しくて眠れなくなることがあるの」
「……」
「先生、私に帰るとこなんてないの……な~んて」
言葉が途切れたと思ったら、マギーは寝ていた。
とりあえず居間の長椅子に寝かせようと思ったカインは彼女を抱きかかえた。
そのとき、マギーが何かつぶやいていたので、カインは耳をすませた。
「……先生が私の家族だったらいいのに……」
「……」
*
エズラは乗合馬車に乗って例の住所のある家に到着した。
手入れの行き届いた庭のある、可愛らしい赤い屋根の家だった。
(この家だな……)
ドキドキした。
(もしかしたら亡くなってる可能性もあるよなぁ……)
恐る恐るチャイムを鳴らした。
「は~い」中から女性の声がした。
「あっ、あの……こちらにエリザベスさんはいらっしゃいますか?」
出てきたのは50代くらいの女性だった。
「ええ……いますけど。ベス! お客さんよ」
(えっ……生きてるんだ)
エズラはこの後、もっと驚くことになる。
「は~い……?」
出てきたのは若い女性だった。
「あの……どちら様?」
「……!!……」
「……?……」
「君が……エリザベス……?」
「ええ、私ですけど」
「……あー……え~と……(どうなってるんだ!?)」




