二人
「キース……」
クリスが館の庭の掃除をしていると、キースがやってきた。
「母さんから手紙が来て……」
「何? なんで笑ってるの?」
「だって……クリス、ダンの古書店で働いてることになってるから」
「そんなに可笑しいかな」
「母さんがさ、クリスのおじさんとしゃべってたら、やたらお城の話をするからまるでクリスがお城で働いてるのかと勘違いしてしまう、って書いてるんだ」
「……まったく。で、今日も練習なの?」
「ああ、一緒にお願いしようと思って」
「待ってて。先生を呼びに行ってくる」
「うん、ありがとな」
その二人の様子を中から窓を通して見ていた年長の弟子たちは次のような感想を持った。
「……ジャンってあんな表情するんだな、キースといると」 ヘンリーがそう言うと、
「幼なじみの力って凄いな。ジャンが普通の女の子に見える」 エズラも同意した。
「俺も幼なじみの女の子が欲しい……」
「そこかよ。ってか、ヘンリーお前も特定の彼女作れよ」
「エズラの彼女の友だち紹介してくれよ」
「面倒くさがるなよ」
「エズラはマメだよなぁ」
「そうでもないよ」
「エズラ、最近どうよ。彼女とは?」
「……」
「何? なんかあったの?」
「……一度、魔導士の館を見たいって言うんだ」
「えっ、来るの?」
「ダメだろ。カイン先生の許可がおりるわけない」
「だよなぁ。こんなとこに女連れ込んだりしたら」
「いやらしい言い方するなよ」
「あっ、でもさ。今度、カイン先生、ティモシー王子の狩猟見学のお供で1週間ほど留守にするだろ。その間にコソッと連れてくれば?」
「でもなぁ……」
「見るだけなんだろ?」
「うん……」




