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解けない魔法  作者: ともるん
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魔法陣の部屋

「我が王たる§§よ……深淵より出でたまえ」


 クリスは魔法陣の上に寝かされていた。


 黒魔導士は闇の感応魔法を唱え、クリスのエネルギーを得ようとしていた。

 

 クリスの上衣はいくつかボタンが外され、白い肩肌が露出している。


(なぜ……体が動かない……)


 クリスは必至で抵抗しようとしたが無駄だった。


(キース……)




 アクセルはクリスが胸に巻いている布に触れた。


(魔導士でいる間は、ずっと男のフリをしていたのか?)


 舞踏会のとき、クリスに触れた時点でまだ誰のものでもないことをアクセルは確信していた。



「身も心も清らかな……」


(好きな男がいればそいつにエネルギーが流れてしまうが……それはなかった)


「無垢なエネルギーほど強烈なものはない……」


 そう言って、アクセルは隠していた牙でクリスの喉元にかみついた。


「……!!……」


(キース……助けて……)


 そのとき浮かんだのはキースのことだった。


 それを感じたのかアクセルは一瞬、嫌な顔をした。




 ガッターン!!




 もの凄い音とともに部屋の扉が壊された。


「………」


 入ってきたのは怒りの形相のキースだった。


(……キース……)


 意識が遠のく中でクリスは彼の姿をみとめた。



「……!!……」



 その場の状況を見るなり、キースは目の前にあった机を蹴飛ばした。


 そして握っていた剣を振り上げ、アクセルに向かって切りかかってきた。


「この野郎!!! クリスを離せ!!!」


「こいつ……!!」


 とっさにクリスから離れたアクセルを見て、キースは暴れまくった。


「§§……ッ!」


 剣の動きが早すぎて、アクセルは術を唱えることができなかった。


(なんてやつだ)


 アクセルは再びクリスを腕の中に引き込むと、盾にして背後の壁ににじり寄った。


 そして壁に飾ってあった大剣を掴んだ。


「卑怯だぞ!」


 キースはそう言って間合いを詰めながら、アクセルに剣を向けた。


「女が大事ならその剣をしまえ」


「……」


「§§………」


 呪文を唱えだしたアクセルの足元に向かって、とっさにキースは腰に差していた短剣を投げた。


「……くっ……」


 剣はアクセルの右膝をかすり、そこから血が噴き出した。



 焦ったアクセルはクリスをキースの方に突き飛ばした。


「クリス!」


 キースはクリスを抱きとめた。




 ガッシャーン!!


 さすがに形勢不利とみたアクセルは隙を見てそばの窓を割った。


「§§§………」


 呪いの言葉を唱えたままアクセルは落ちるように窓の外に消えた。



 キースは追わなかった。


 それよりクリスが心配だった。

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