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解けない魔法  作者: ともるん
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面接

「えっ、マギーがこの館に!?」


 クリスの驚きを見て、カインはため息をついた。


「やはり顔見知りか。断ったのだが、どうしてもと引き下がらなくて。王宮の役人も困ってるんだ。彼女だけ身寄りもなく、城内で仕事がないか探してるようなんだ」


 クリスだけカインの部屋に呼ばれたので例のバンパイアのことかと緊張していた。


「週に三回、この館に城下町から通ってくる。午前中に数時間。買い物や掃除や雑用をこなしてくれるそうだ。ジャンはその間だけマスクを被ればいい。エズラたちにもマスクを被らせるか……。魔導士はたいていそんなもんだと思うだろう」


「……はい」



          *



 マギーが王宮の面接室で初めてカインと会ったとき、


(まるで、お伽話にでてくる妖精王みたい) そう思った。


 カインは目の下に少し皺が見られたが、長身で肩幅が広く、若々しく見えた。


 後で弟子たちに聞くと、マギーより20歳も上だと知って驚いた。


「……のか?」


「えっ、は?」


 マギーは綺麗に整えられたカインのストレートな銀髪に見とれてしまっていた。


「来週からお願いする」


「あっ、はい、ありがとうございます!」




 カインは面接が終わってホッとした。


 雇う前提の話を持ってこられたが、一応、形だけの面接を行った。


 マギーは小柄だが、元気に溢れていた。


 長い髪はきちんと編み込んで一つにまとめ、襟までカチッとした白いブラウスや、長い丈の黒いスカートをはいていたので見た目は真面目そうに見えた。

  が、好奇心旺盛そうな個性的な顔立ちをしていた。


(仕事はできそうだな)


 そうカインは思った。



          *



 結局エズラとヘンリーはマギーの前でもマスクは被らないし、偽名も使わないことにした、とクリスに言った。


「後宮の女官でしょ? 口堅そうじゃん。仕事柄、大丈夫そう」


 そう言いながらエズラはあくびをした。


 マギーのゴシップ好きを知っているクリスには何とも言えなかった。


「館ではゆっくりしたいよ。ジャンは律儀だなぁ」


 ヘンリーも面倒くさそうにそう言って食事用の椅子にもたれかかった。



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