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黒い魔導書
カインの館をいつも通り掃除していたときだった。
本棚の整理をしていると違和感に気づいた。
(あれ……黒い本の鍵が開いてる……?)
一冊の黒い本は鍵となっている帯が外れ、パラパラとめくれた。
「黒魔導士……?」
本の中には黒魔導士について書かれていた。
『……黒魔導士は主に闇魔術を使うため、魔導士によっては冷気を感じることがある』
『まれにエネルギーバンパイアと化す』
(エネルギーバンパイア……?)
「どうした?」
急に声をかけられてクリスはびっくりして本を床に落とした。
「カイン先生……」
カインは床に落ちた黒い本を拾った。
鍵はその瞬間に自然と閉じた。
「そうか、黒い本か」
「……?……」
「開いてたのか?」
「はい……。すみません」
「そうか」
しばらくカインは無言だった。
クリスは叱られると思って身構えていたが、カインはこう言った。
「何か気になった言葉があるか?」
「……」
「今おまえが見た本には意思がある。開くということは何か伝えたいことがあったのだろう」
(えっ……)
「何か気になったことは?」
そう聞かれてクリスは思わず言ってしまった。
「エネルギーバンパイアって何ですか?」




