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作戦②
「そうだ、そのまま気をためて……僕に向けてみろ」
「えっ……」
ダンの家の庭で修行中にそう言われてクリスは戸惑った。
「もうそろそろ僕を吹き飛ばせると思うんだがな」
「……やってみます」
クリスは再び目をつむり念じだした。
「クリス、目を開けてみろ」
ダンに言われて目を開いて驚いた。
彼の周りだけ砂ぼこりが起こっていた。
「君は優しいから僕を傷つけまいとしてるだろ?」
「……」
「城の魔導士が弟子を募集してる。選抜試験は近々らしい」
「えっ……」
「急がないとな」
そしてダンは庭の椅子に腰かけた。
「君のお母さんからだいたいの事情は聞いてる。君がなぜ城に出仕したいのかも」
「あの……」
クリスは母がどこまでダンに話しているのか知らなかった。
「キースって幼なじみの男性に会うためなんだってね」
「……」
「まぁ、恋が実るといいが」
「えっ……」
母はそんな風に説明してたのか。
「偽名はどうする? 僕の親戚ってことでジャンはどう? 声でばれるかもしれないから気をつけてなるべく低いトーンでしゃべるといい」
「ええ、わかりました」
「カイン……城の魔導士のカインは僕の後輩でもあるから折を見て君のことを話そう。今は試験に受かるのが先だ」
「はい、ダン先生」




