異世界幸せ生活
俺がこの世界に来てすでに何年目だろう。今では俺も三人の娘に恵まれ、幸せな生活を送っている。
「お父さん」
「ん?どうした」
俺が薪割りを中断して後ろに振り向くと、そこには三女であるシノブがいた。黒いうさ耳と毛並みをしていて、内気でモジモジとしたかわいらしい娘である。
「お昼ご飯そろそろできるって」
「そうか、すぐ行く」
俺はシノブとともに持てるだけの薪をもって家へと帰る。
「「お帰りなさい」」
戸を開けると、もう二人の娘が部屋の真ん中にあるテーブルに座っていた。
「どうした二人して」
「お姉ちゃんから冒険の話聞いてるの」
二人は長女のサクラと次女のユキノである。二人とも活発な子で、名前の通り桜のようなピンク色と雪のように真っ白な毛並みをした頼もしい娘たちである。どうやらユキノは冒険者として旅立ち、久しぶりに帰ってきたサクラの話をいろいろと聞いていたようだ。
実はサクラのようにピンク色をしたウサギの獣人は非常に珍しい。白か黒、茶といった色が普通なのだが、サクラは「異色種」といわれる獣人なのだ。俺の妻であるマリアによれば、サクラのような「異色種」は同じ種族の普通の獣人とは違って身体能力や反射神経、体力などが大変抜きんでていて、ある意味生まれながらの天才であるのだ。
「あなた、ありがとう」
俺はマリアに運んできた薪を渡し、かまどの横に再び新しい薪が重ねられる。ユキノと同じ白い毛並みでをして、背中を向けたマリアのしっぽを俺は掴んでモフモフする。丸くて手のひらサイズの柔らかい尻尾である。
「もう、いきなり触るんだから」
俺はマリアの頬を膨らませた顔も笑顔と同じくらい好きだ。
「嫌だったか」
「そんなこと言うと思う?」
その後、俺たち五人は仲良く食卓を囲んで昼食を食べる。愛する妻と愛しい娘たち、・・・この幸せは言葉で表すことができない。
異世界から来た俺がこの世界で幸せな生活を送るなんて出来すぎた話だ。しかし、俺は毎日のようにこのような幸せな生活を送っている。ああ、俺は本当に幸せ者だ。
いつかこんな感じのを連載で書いてみたいと思っています。