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世界の黄昏に舞う蒼玉  作者: 神無月 あかり
ノルトライン編
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第二話 終結と復興

「そっちは任せた!」

「了解!任せといて!」

アリシアとレヴィと共に扇形に攻め込んでゆく。

はじめの頃は一撃で倒せるモンスターも多かったが徐々にそうは行かなくなってきた。

敵が多いため体力の消耗も激しい。

それでも敵軍は山の方へと続いている。

俺たちは剣を振り続けた。

攻撃を続けているうちに、住民の避難も終わりつつあるようで、腕に自信のあるものは防衛戦に参加するようになった。

「ノルトラインは俺たちの街だ!」

「野蛮な奴には決して触れさせないわ!」

「病院は開いてるが怪我はするなよ!!」

戦いには多くの人々が参加した。

街の手前にも防衛線を作り街への被害を防いだ。

前線はいよいよ山の麓まで到着し、宿の近くで見た光の方へ全力で進んでいった。

俺は今のところ大きな怪我はしていないが何人かは既に病院へ運ばれていったようだ。

そうして山の中腹まで来たときに、紫のオーラを放つ大きな狐のようなものが現れた。

その狐のまとう雰囲気は禍々しく紫のオーラはまるで恐怖を濃縮したかのようなものだった。

そして、狐は俺の腰にある刀をじっと見つめ「その剣、忌まわしき女神の匂いがする。

さては貴様、女神の使徒か?」

と言った。

俺がどう答えた物かと考えていると後ろからバスターソードを持った冒険者2人が、

「このキツネ野郎!お前がこの群れのボスか!」

と言い攻撃をしようと突撃をした。

狐は「虫けらどもが!」と叫びその長い尻尾で2人をなぎ払った。

一瞬風が吹いたと思った瞬間そこには誰もいなかった。ただ彼らが立ってた場所には赤い跡が少し

残っているだけだった2人の末路は明白だった。

俺は戦慄したこの前戦ったオークキングも強かったがまだ、人間が頑張ればなんとかできる範疇だった。

しかしこいつは違う。

おそらくこいつが女神の言っていた邪神だろう。

そこまで思考がたどり着いたとき再び狐の邪神が聞いてきた、

「もう一度言う。貴様は何者だ。」

俺は一瞬躊躇ったが息を整え

「俺は女神に頼まれこの世界にやってきた。お前ら邪神を倒すためにな!」

俺はそう叫ぶと奴に攻撃をするべく突撃した。


俺は狐に対して刀を大きく振り、斬りかかった。

しかし、そう簡単に行くはずもなく薙ぎ払われてしまう。

「貴様如きに倒せまい」

と狐が大きく飛び上がった。

着地した瞬間、大きな地震が起きた。

数秒間の揺れだったが今までより大きな揺れであったため、立っていられない程であり街への被害は小さくないであろう。

早く決着をつけなければダメージが直接街へ入ることになってしまう。


そう考えた俺は刀を構え直すと自分の中にある魔力を刀に流した以前よりも集中し

刀をコーティングするように。

すると刀は魔力に反応したように蒼くひかりそのまま狐の腹に水平切りを放った。

狐は防ごうと腕をクロスさせたが俺はその腕もまとめて切り飛ばした。

狐はそのまま倒れたがニヤリと笑うと

「いまは、勝ち誇るがよい。たが、いつか貴様とは違うかたちで合うことになるであろう。」

そう言うと狐から紫色のオーラが浮かび上がりどこかに行ってしまった。

「何だったんだ?最後の言葉は、それに違うかたちって...」

俺の中で嫌な想像がよぎったが頭を振って考えを追い払うとアリシア達の加勢に行こうと山を降りた。


まずは山の麓にいるアリシア達と合流した。

「ケンジ!またボロボロになってるじゃん…また吹き飛ばされたの?ところで敵の大将は討てた?」

最終防衛ラインのある街へと戻りつつ、大きな狐のようなものとの戦いをアリシア達に話した。

街へと戻った頃には既に日が暮れていて街が暗かった。

中には木造の家もあるため迂闊に火をつけると地震で火事に発展してしまうのでその為であろう。

「レヴィ!街は大丈夫か!?」

「ああ、一部はな…この街は古い建物が多い、幾度も襲った地震のせいで殆どが倒壊しちまった…もしかしたら建物の下敷きになっている人もいるかもしれない…

殆どの人が避難した大聖堂はまだ最近建て直したばかりだからそこは崩れてない。大丈夫だ。」

その後、避難している人々の緊張を解くために大聖堂へと向かい、ノルトライン防衛戦の終結を宣言した。


俺とアリシアは最初に使っていた宿に戻った。

この宿は門から比較的遠かったのとしっかりとした造りだったおかげで被害は少なかったそうだ。

明日はレヴィをはじめとした地元の人と宴をする予定なので水浴びを済ませるとそうそうに寝た。

次の日、目が覚めると外が騒がしかった。アリシアと外に出ると街の中に避難していた人たちが家を建て直したり、

道の修繕をしているところだった。俺達もレヴィに会うのは昼からなのでそれまでの間炊き出しの手伝いに向かうべく街の広場へと向かった。

するとそこには多くの人で賑わっており炊き出しを行っている街の女性達のところまで少し時間がかかってしまった。

俺は料理ができないので配膳を担当しアリシアは女性達の手伝いをしていた。

炊き出しが一段落し、解放された俺達はレヴィに会いに街の酒場に向かった。

酒場に着き見渡していると奥からレヴィが

「おーい、こっちだ!」

と言う声が聞こえたのでそちらに行くとレヴィが座って早速1杯始めていた。

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