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第二話 とある街に現れた

気がつくと俺は知らない街にいた。

一瞬、中世ヨーロッパにタイムスリップしてしまったと錯覚してしまうような街並みだった。

しかし、街を歩く人々は身軽そうな軽金属の鎧を纏い、レイピアを装備している女性や

重装備に身をつつみ自分の背丈ほどある両手剣を持った男性などが道を歩いており、

ここは元いた世界とは違う世界だということを嫌でも感じた。


「ここはどこなんだ…」

そう呟いたときに少し前に聞いた女神の言葉が頭を過った

「この街の…東の…神殿…」

ただし俺はひとつの事に気がついた。

何しろ初めて来た街だ、方角なんて分かる訳がないし方位磁石なんてもの持っている訳がない。

通りを行き交う人に聞いてみようにも言葉が通じるかどうかもわからない…


とりあえず言葉が通じるか確かめるため、

近くを通りかかった人の良さそうな青年に声をかけてみることにした。

「あ、あの…」

「はい?どうしました?」

助かったどうやら言葉は通じるようだ。

「東の神殿に行きたいんですけど…」


「東の神殿ですか?ちょうど僕も東に向かう予定があったので、

もしよろしければ道案内しましょうか?」

「じゃあ、お願いします。」

そうして俺は彼の案内で東の神殿に向かうこととなった。


「神殿はこっちだよ、さあ行こうか。」

 そうして神殿まで歩いていたらふと青年は問いかけてきた

「ところで君はこのあたりでは見ない格好だね、旅人か商人かい?」

 予想はしていたが返答を考えてまではいなかった質問に戸惑いつつも

「えぇっと、はい。様々な世界を知るために旅をしています。」

と、返事をした。


「へぇ、面白いね君。そういえば自己紹介がまだだったね。

 僕はアーベルしがない商人をやってるよ。気軽にベルって呼んで、君の名前は?」

「な・・・、ケンジです。」

思わずクセで「長原 健二 」と答えそうになったが貴族などに間違われたりしたらやっかいなので名前だけ答えた。


そうしてベルさんは歩きながら街の案内をしてくれた。

どうやらベルさんはこの街によく来ているようだ。

もうどの位歩いただろうか。

「ここが神殿だよ。じゃあ僕は用事があるからね、機会があればまた会おう。」

「ありがとうございました。またどこかで会いましょう。」


ベルさんと別れて神殿の方に向きを変えたとき、どこかで見たような感じがした。

懸命に思い出そうとしていたら、学校の授業で出てきたような気がしてきた。

地理だろうか世界史だろうか…

その神殿はローマ神殿に形が似ていたのだ。

「もしかして…この街はローマに似ている?」


なぜローマに似ているのかそんな疑問がわいたが、

景観などを考慮したら似てしまっただけかもしれないと無理矢理自分を納得させ神殿の中にはいていった。

不思議と人はおらず外とは違いひんやりとした空気を感じた。

少し歩みを進めると祭壇がありその奥には大理石のようなもので作られた女神の像があった。


その像は夢で出会った女神とそっくりだった。

もう少し近づいてみてみようと思い一歩進んだ瞬間像は一瞬強く光った、

気がつくと俺は夢で女神と会った空間にいた。


「あなたならきっと来ていただけると信じて待っていましたよ。

 端的に言うと、この世界を救っていただきたいのです。」

運命の神、デークラは語り始めた。

「過去のこの世界には5体の邪神がおりました、

 その邪神を沈めるべく勇者たちは立ち向かい、遂に封印に成功しました。

 しかし何者かによって再び封印が解かれようとしています。」


女神からその話を聞いたとき俺の中は思考が停止していた。

確かに俺はその手の小説が好きで読みあさってはいたし、

体験してみたいなぁとは思っていた。

しかし実際体験してみると人間頭が真っ白になるらしい。

しかも、魔王では無く邪神ときたものだ、誰だって思考が停止するに決まってる。


ましてや、伝説の勇者ならまだわかるが、

数時間前までテスト課題でヒイヒイ言っていた高校生にできるわけが無い。

そんな、俺の思考を読み取ったのか女神はこう言った。

「突然こんなことを言われて混乱することはわかっています。

 ただこれだけは信じていただくしか無いのです。」


「しかし、あなたにはまだ邪神と戦うほどの力はありません。

 ですがこの世界にはステータスとレベルがあるのでこれから自分を強化していけば邪神にも対抗できるようになるでしょう。

 また称号もあり、称号を得ることにより称号に応じた能力を得る事が出来るようになります。そこであなたには『邪神殺し』の称号と神も斬ることができる神刀・虎徹を授けます。それを使い」


「それと仲間を集めると良いでしょう。

 人々の平穏な生活を保つ為に多くの人が力を貸していただけることでしょう。」

「さあ、お願いします勇者様、悪の力を押さえ込み、私たちの世界を助けてください。」

そう言い終えると女神が消えると同時に目の前が真っ黒になった。

気がつくと元いた神殿に戻っていた。

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