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Please speak!  作者: 長野原春
61/113

どう決めましょう

 春休みも残すところ3日。

 えー・・・もうちょっとで3年生じゃん。

 授業難しくなるらしいじゃーん。

 めんどくさ。

 というのはまあ今は置いておいて。

「よーっす京介。すまんすまん、おっきい方してたら遅れちまった。」

 駅で待っていた京介に声をかける。

 そして、京介が俺の方を向き、体をくねらせながら高い声で言った。

「もう、なっちゃんってばあっ♪遅くて京介、怒っちゃうぞ~っ♪」

「死ね。」

「だ!か!ら!!」

 相変わらず京介が気持ち悪かった。


「んで、今日はどこ行くのよ。」

「いやー、夏央に手伝ってほしいことがあってね?」

「手伝ってほしいこと?」

「ほらほら、そろそろ陽花の誕生日じゃん?」

「いやじゃん?って言われましてもね?」

 俺祈木の誕生日知らなかったんだけど?

「というわけでね?」

「どういうわけでね?」

「俺が夏央に、陽花の誕生日プレゼント選びの手伝いを頼むわけじゃん?」

「いやじゃん?」

「なんでやねん!」

「こらこら、電車の中で大声出さないの。」

「くぅん・・・。」

「キモ。」

「おい!!」

 話聞かねえなこのヤロウ。

「つまりあれだろ?お前が祈木に誕生日プレゼントを渡したいから、それを選ぶのを手伝ってくれって話だろ?」

「それ俺さっき言ったよね!!話聞かねえなこのヤロウ!!」

 だから、ここ電車の中なんだってば。

「ところで、夏央は美衣ちゃんにどんなプレゼントをあげたんだ?」

「・・・。」

「どうした?」

「・・・あげてない。」

「はい?」

「あげてない。」

「・・・えええ!?」

 ミー子にいらないって言われたんだよなあ・・・。

「去年、俺が誕生日の日にミー子にもらえなかったし、ミー子がプレゼントもらってはしゃぐような年でもないしいらないって言われちゃってな。」

「なんで夏央はもらえなかったん?」

「俺が入院中だったから。」

「ああ・・・。」

 ミー子なりに気にしてんのか、それとも本当にいらないかは気になったけども、来年はあげることにしよう。

「で、祈木に何をあげる気なんだ?」

「・・・決まってないからでかいショッピングモールに行くんだろうよ。」

「あーはい、そういうことね。」

 決めるところから手伝ってほしいということね。


「さて、何買う?」

 ショッピングモールについた俺たちだが、何も決まってないとなると困った。

「かわいい系のもの?俺よくわからないんだけど・・・助けて夏央!」

「バッカ、かわいい系のものとかミー子が好きじゃないからわからねえよ。ミー子が私服でかわいい系の着てるの、見たことあるか?」

「確か・・・中学の時はなんかよくわからない文字が書いてあった服だったような・・・。」

 それで正解だ。

「そういえば、高校上がってから俺美衣ちゃんと出かけてないな。」

「中学までは祈木がいなかったからな。それに、京介について行ってゲーセンに行くこともなくなったしな。」

「また夏央とか美衣ちゃんとか、というかみんなでゲーセン行きてーなー。」

「行きゃいいじゃねえか。俺らも誘われれば行くぞ?」

「んー、それもいいんだけど、陽花がなあ・・・。」

「ん、祈木に何か問題があるのか?」

 京介が難しい顔になった。

「いやほら、夏央も美衣ちゃんもゲーム上手いじゃん?」

「そうだな。」

「で、俺はゲーセンのゲームは結構自信あるのよ。」

「そうだな・・・あっ。」

 となると祈木は・・・。

「察してくれたみたいだな・・・。そう、陽花はゲームとか苦手なんだよ・・・。」

「確かにそれで4人で行ったら祈木だけ楽しめないかもな・・・。」

「俺と2人で行くことは多いんだけどな・・・。」

「連れて行ってるのかよ。」

「まあな?まあそんなことより、どうしたらいいかね。」

「いろいろ回りながら見て決めるしかなさそうだなあ。」

「じゃあ、行きますか。」


「アクセサリーショップに男2人でいるってのはどうなんだろう?」

「俺としては、ミー子に近くにいてもらいたかった。」

 正直、周りの視線が痛い。

 というわけで、アクセショップに来ました。

 といってもどんなもんがいいのかは分からないのだけれども・・・。

「な、何かお探しですかー?」

 ショップ店員が近づいてきた。

 顔が微妙にひきつってる辺り、警戒されているのかもしれない。

「あ、あの!彼女へのプレゼントを選ぼうとしててちょっと困っているのですが!」

 京介が大きな声で言う。

 そんなに緊張せんでも。

「あ、ああ!彼女さんへのプレゼントなのですね!隣の方は?」

「あ、俺は付き添いです。」

「そうだったんですねー!彼女さんはどういった方で?」

「あ、こういう感じの・・・。」

 そういって、京介が祈木の写真を見せる。

 ちょっと、簡単に人の彼女の写真見せちゃっていいのかな?

 まあ、京介がいいならいいか。

「まあ、おキレイな方ですね!こういう方なら・・・ピアスなどはどうですか?」

「ピアスか・・・。」

 京介がちょっと難しい顔になった。

 確かに、祈木は茶髪っぽい色のロングヘアで、見た目はちょっとギャルっぽい。

 中身は・・・あんまりギャルっぽくはないけど。

 まあそういうわけで、確かにピアスは似合いそうな見た目だ。

「んー、陽花は耳に穴開けてないからなあ・・・。」

「似合いそうだけどな?」

「うん、確かに似合いそうだけども・・・痛がるのは見たくないしなー・・・。」

 大事にしてるんだなあ。

「でしたら、耳を傷つけずに済みますしイヤリングはいかがですか?」

「あ、そっか、イヤリングという手があったか!」

「はい!ただ、イヤリングとなりますと、ピアスよりも種類が少なく、少し値段が高くなってしまいますが・・・。」

 このお姉さん、勧めるだけじゃなく高校生の財布を気にしてくれるのか。

 優しいな。

「あ、ほんとだ・・・少し高いな・・・うーん、どうしようかな・・・。」

「一度ほかのところも見に行くか?」

 店員さんの前で申し訳ないけども。

「せっかくの彼女さんへのプレゼントですし、いろいろ見て回った方がいいと思いますよ。もしまた来ていただけるのでしたら、いいもの探しておきますよ。」

「あ、ありがとうございます!」

 本当にやさしいな、このお姉さん。

「高校生のプレゼント選びって、なんだかいいですね。応援したくなっちゃいます。」

「よくしていただいて、ありがとうございます。」

「いえいえ!あ、あなたも彼女さんへのプレゼントがあるのでしたら、言ってくださいね!」

「そ、そうですねー、あいつ、アクセとか着けるかなー。」

 あんまり想像できない・・・。

 ピアスとかは間違いなくしないだろうし・・・。

 せめて、ネックレスかブレスレットか・・・。

 でも寒いとネックウォーマーつけるようなやつだしなあ。

「いつでも来てくださいね、初々しい恋模様は見てて楽しいですしね。私は・・・フフフ。」

「あっ・・・。」

 これはまずい。

 逃げないと。

「あれ?夏央くーん!」

 声をかけられた。

 この声は・・・。

白奈(しろな)先輩?」

「そうだよ白奈だよ!」

 近くに白奈先輩がいた。

 この店に来てたのか。

「こんなところで何してるの?」

 当たり前の質問をしてくる白奈先輩。

 そりゃそうだ、男はこんなところにいねえもん。

「京介と一緒に来てるんですよ。なんか、彼女にプレゼントを探してるらしくて。」

「えー、それで男2人でアクセショップ?面白いねー!」

 白奈先輩のゆるふわなロングヘアが揺れる。

「髪色変えました?」

 自宅研修期間に見た色とは色が微妙に違う。

 あの時は茶髪だったけど、もっと薄い色だ。

「お、気づいた?これから私は大学生だからね、思い切ってアッシュブラウンにしちゃった!」

 本当に思いきる人は金髪とかにすると思うんだけど。

「おやおや?白奈先輩じゃあありませんか。」

 他の店に行こうとして俺がついてこなかったのが気になったのか、京介が戻ってきた。

「あ、京介くん!夏央くんから聞いたよ?彼女のプレゼント探してるんだって?」

「そうなんですよー!でも男2人だと微妙にプレゼントが分かりづらくて・・・。」

「そりゃあ男2人でアクセショップなんて来ても分からないよー!事情は分かった!今日は私がついて行こうじゃないか!」

 お、それは心強い。

 俺たちからすれば願ってもない提案だ。

「やった!ぜひ女性の意見を聞きたいです!」

「おっけーおっけー!私は今日暇だし、お姉さんが一緒に行ってあげよう!」

 ゆかいな仲間が増えた。

「ちなみに、京介くんの彼女ってどんな人なの?」

 あ、そっか、ミー子のことはしってるけど、白奈先輩は祈木のことは知らないのか。

「えっと、こんな感じの子なんですが・・・。」

 京介が祈木の写真を見せる。

「へー!かわいいね!ちょっとギャルっぽい感じ?」

「あ、よく間違われるんですが、そんなことはないです。」

「そうなんだ!ごめんね!あー、なんでアクセショップにいたかわかるかも・・・。」

 といいながら、白奈先輩が少し悩む。

「・・・うん!ちょっといろいろ見て回ろうか!」

「もしかして白奈先輩、あんまりアクセとかそういうの・・・。」

「そ、そんなことないよ!私も女の子だし、アクセとか小物とか、そういうのが疎いとかないからね!」

 自爆しやがった・・・。

 頼りになるかもと思ったのに。

「白奈先輩、そういえば服はかわいいのにアクセとかしてないですね・・・?」

「ぐっ・・・。」

 京介の言葉に次の言葉が詰まる白奈先輩。

 今服をほめられたのは気にしてないのかな?

 青い長めのスカート、紺のカットソーに白いカーディガン。

 髪型も相まって、よく似合っている。

 ここにペンダントとかがあればもっとよかったかもしれない。

「アクセとかは分からないんだよー!でも、京介くんの彼女はピアスとか似合いそうだなって思った!」

「見た目ですよね。」

「そうだよっ!」

 白奈先輩が涙目になった。

 服はいいけど、もうワンポイント足りないということか・・・。

 まあ、ワンポイント足さなくてもいい感じではあるのだけれども。

 見た目だけなら落ち着いた感じのあるお姉さん。

 中身は割と元気な親しみやすい先輩。

 少しだけギャップがある。

 ちなみに紗由さんは黙っていれば元気そうなお姉さん。

 口を開けば暴れ馬だ。

「さて、どこに行くかね、夏央?」

「俺に聞かれてもな・・・。」

「彼女ちゃんの好きなものとか、ないのかな?」

「うーん・・・、たまに美衣ちゃんと一緒に服を買いに行ってるのはしってるけど・・・。」

「服とか好きなのかな?見に行ってみようか?」

「そうですねえ・・・服なら白奈先輩頼りになりそうですし、行きましょう!」

「服、なら・・・。」

 白奈先輩が微妙にしょんぼりした。


 レディースの服が売っているところに男がいるというこの異色。

 俺たちここにいていいんだろうか・・・。

 というか、女1人と男2人だとなんか変だな・・・。

 白奈先輩が二股してるような。

「京介くんの彼女は陽花ちゃんっていうんだね!どんなのが似合うかな~?」

「白奈先輩に任せきりじゃなくて京介もちゃんと見ろよ。」

「見てるよ!でも服って全然わからねえ!」

「そりゃおめー、自分が服を見て、あ、これ彼女が着たらかわいいかも、っていうのを探すんだよ。」

「夏央がなんかそれっぽいこと言ってる・・・。」

 俺はミー子の服を買ったことはないんだけども。

「祈木に着てほしい服とかないの?」

「・・・ちょっと探してみる!」

 京介が服を見に行った。

 レディースの服をあさる京介は、なんだか変質者っぽい。

「・・・俺もちょっと見てみようかな。」

 なんか、ミー子に似合う服とかあるかな。

 春用の服とか・・・。

 ただ俺もあまり服とかは分からないからなあ・・・。

 ミー子の服に関しては、春姉や冬姉、祈木に任せた方がいいのかもしれない。

 といってもミー子の服は大体NSシリーズなんだけど。

「・・・ぬ。」

 NSシリーズの服が売っている。

 店に売ってるんだ。

 いつの間にか増えてたし、通販で買うものなのかと思ってたんだけど。

 ・・・本当に種類多いんだなあ、これ。

「ミー子とおそろいでNSシリーズの服、俺も買ってみようかな・・・?」

 でもなんかおかしい気がする。

 そういえば前にミー子がビビっときてポチった服って、あの水色のTシャツだよな。

 ・・・やっぱり誰かに選んでもらった方がいいのかもしれない。

 まあ、ミー子は男っぽい服装でも似合うんだけど。

 あ、でもね、女の子っぽい服を着させて恥ずかしそうにしているミー子を見るのもいいと思うんだ。

「白奈先輩、こういうのとかどうっすかね。」

 京介が選んだ服を白奈先輩に見せる。

 パステルカラーのロングカーディガンだ。

 ああいう色ってなんていうんだろう。

 厚いわけでもないし、これからの季節によさそうだ。

「爽やかな色でいいね!ミントカラーのカーディガンかぁ・・・、じゃあ、下はショーパンとかがいいかも!」

「どんな感じのっすかね?」

「よしこっちだ!ついてきなさい!」

「うっす!」

 白奈先輩について行く京介。

 楽しそうですね・・・。

 というか、上はそのロングカーディガンで決まったのかな?

 一応ついて行こうか。

「彼女さん、身長はいくつかな?」

「陽花の身長は164㎝です。」

「結構大きいんだね!じゃあ、ショーパンよりもスキニーで縦にすらっと見せるのがいいかも!」

 白奈先輩が京介にアドバイスをする。

 ショーパンね・・・いいねえ。

 祈木は脚が長いし、ショーパンとの相性がよさそうだ。

 ミー子であれば、そこに黒タイツを履くだろう。

 黒タイツ・・・いいっすねえ。

 いや、それはともかくとして、祈木は高校生にしては胸が大きく、脚も長いとかいうとってもいいスタイルの持ち主のため、身長を活かした服装はよく映えることだろう。

 割と、街を歩いていたら注目されそうだ。

 モデル・・・とかもできそうだな。

「陽花ちゃんっていうんだね!陽花ちゃんは、脚とか出すタイプ?」

「えーと・・・基本的に寒くなければ出してる時が多いですね。」

「じゃあショーパンの方がよさそうだね!京介くんは、どういうのがいい?」

「そうっすね・・・。」

 京介と白奈先輩がショーパンを探し始める。

「・・・ミー子はタイツを履くか、スキニーの方がいいかな。」

 ミー子は身長は低いものの、脚は短くないのでそういうのは似合う。

 むしろ胸が小さい分、脚を強調していった方が・・・いや、俺の趣味になっちゃう。

 スカートも似合うんだけどね。

 あの黒いスカート、また見たいな。

 フレアスカートとか、すげえ好きなんだよね。

「夏央くんも、スキニー見てるね。美衣ちゃんに似合うのを探してるのかな?」

「たぶんそうだと思いますよ。あいつ脚が映えるような服装大好き・・・っていうか、脚が大好きなんで。」

「そういうことなんだね!もしかして変態?」

「脚に関してはかなり。」

「おい待て聞こえてんぞコラ。」

 白奈先輩、変態認定早くねえ?

 そういえば、ミー子はジーパンとかは持ってるけどスキニーは持ってねえな。

 タイツ履いてるくらいだし、ぴったりフィットするようなスキニーもミー子は普通に履けるだろう。

 問題はミー子と一緒に行かないとサイズが分からないことだけど・・・。

「さすがにミー子のこういうサイズは分からないからな・・・。」

 バストが控えめ、ウエストは細め、ヒップは少しだけ大きいってことだけしか分からない。

 さすがにいきなり電話をしてジーパンのサイズとかを聞くわけにもいかないし。

「あっ、こういうデニムのショーパンとかいいね!それなら春物だし中はシンプルな感じの白いTシャツでもいいかも!」

「確かにいい感じっすね!」

「うんうん!問題は値段だけど・・・。」

「いえ!今回は陽花の18の誕生日なんで、俺がバーンと出しますよ!」

「京介、そんなに金あったんだ?」

「まあ、少し貯めてたんだよ。」

「そうなのか・・・。」

 俺が金をためるとしたら、服とかそういうんじゃなく、旅行とかになりそうだな・・・。

 たまには、ミー子と一緒に服を買いに来るのもいいだろうか?

「よしよし!いい感じのも見つかったし、買ってきちゃう?」

「買ってきます!陽花、喜んでくれるかな・・・!」

「うんうん!きっと喜んでくれるよ!」

「はい!」

 京介が嬉しそうに選んだ服を持っていく。

 結局、白奈先輩に助けられたな。

「・・・さて、夏央くんもいろいろ見てたみたいだね?美衣ちゃんに似合うようなの、探す?」

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