怖い先生って絶対一人はいるよね
「夏央ー!起きなさーい!」
下の階から母親のものすごいけたたましい声が響く。
「うるさい・・・。」
「はーやーくおーきーなーさーい!!」
「うるさあああああああい!!!!」
声でけえんだよ母さん!
「夏央ー!!!」
「起きたよ!!!」
こんなん嫌でも目が覚めるわ。
「おはよう母さん。」
「おはよう夏央。あんたってばなんで朝弱いんかねえ。」
「母さんってばなんでそんな声大きいんかねえ。」
「そりゃあ、高校の時応援団だったからよ。」
「応援団!?チアリーディングとかじゃなくて!?」
「学ラン着てたんだからね!」
「マジかよこの人・・・。」
朝から母親の過去を知った。
「まったく、早くしなさいよ。リビングでミーちゃん待ってるわよ。」
「もう来てんのかよ早いなあいつも・・・。」
早起きは三文の徳とは言うけれど、自分の欲求に従ってた方がいいと思うのは俺だけだろうか。
なぜ寝るか?眠いからだよ!
布団を開発した人はノーベル平和賞あげようぜ。
「すー・・・。すー・・・。」
リビングに入るとミー子が・・・寝ていた。
「おい寝てんぞ母さん。」
「夏央が起きないから、ミーちゃんも待ちくたびれちゃったんでしょ。ミーちゃんの事も少しは考えてあげなさいよ。」
それ俺が悪いんですかね・・・。
まあ起こすのも悪いし準備ができるまでソファで寝ててもらおう。
ぶっちゃけじゅうたんで寝られてると邪魔なだけだ。
「よっ・・・と。・・・ミー子軽いな。」
「あらやだ、お姫さま抱っこ?」
「寝てるんだから仕方ないだろ。」
うん、これくらいしか移動させる方法がないもんな。
カシャッ。
「おいバカ親撮影すんな。」
「パパにも送っておくわね!」
「やめてください。」
ミー子をさっさとソファにおろし、朝飯を食った。
「ミー子起きろー。」
「・・・(むくり)。」
呼びかけるとミー子は素直に起きてくれた。
「夏央もこれくらいすぐに起きてくれればいいんだけどねえ。」
「俺とミー子は違うの。」
『おはよう』
「ああおはよう。」
『私、襲われた?』
「断じて襲ってねえ。」
何言ってくれやがる。
『じゃあ学校行こう。』
「そうしよう。」
準備は終わっていたので家からすぐに出ることができた。
これくらい余裕があると楽だね!
やっぱり早起きって三文の徳だわ。
だからと言って早く起きるとは言っていない。
「おーうアヤとかがみんおはよー。」
教室に入ると、すでに祈木がいた。
『おはよう、陽花。』
「おっす。祈木って学校来るの早いの?」
「クラスには一番に来ています!」
「はやい。」
一番とか・・・。どんだけ早起きなんだよ。俺そんなことしたら授業全部寝るわ。
「吹奏楽部だからね!朝練とかあるからね!」
ああ朝練ね、それなら仕方ないね。
「今日着任式と離任式があるってね。」
「面倒だから寝るわ。」
『同じく。』
「おいコラそこの夫婦。」
夫婦じゃないんですが。
だって、離任式はともかく、着任式ってめんどうだよな。
他学年の先生は俺らには関係ないし、俺らの学年だったとしても最初の授業でそうせ自己紹介するだろうし。
あれ?着任式やる意味なくね?
「・・・(ぐっ)。」
俺の考えが通じたのかミー子が親指を立てた。
だからなんで分かるんですかね・・・。
『私たち夫婦だって。』
「別に考えが伝わってるわけじゃなかった。」
『陽花、私たちは夫婦。』
「ちげえ!」
まだ結婚できる年じゃないし!
男子は18歳からだから!
俺まだ16だから!
「まあ、それはこちらに置いといて。」
勝手に俺らの事を夫婦とか言いやがったやつがその話を置きやがった。
「なんか、一人あんまよくない先生が来るらしいよ?」
「よくない先生?」
「・・・?」
そんな先生いたら俺の右腕が灼熱のバーンストライクを放っちゃうぜ。
あ、嘘です。
「うん、なんかね、他の学校で問題を起こした先生がこの学校の校長の親戚で、仕方なくうちの学校が引き取ったって話だよ。」
「・・・やばくね?」
『噂は噂に過ぎない。』
問題起こしたって何したんだよ。
暴力とか体罰とかか?
いや、今時そんなのは・・・まあ、可能性か。
「しかも二年生担当なんだって。」
「おいマジかよ今から背後狙ってちょっとご退場願おうぜ。」
『手伝う。』
「冗談だよ。」
手伝おうとすんな普通に犯罪だ。
「まあ、午後になってみないと分かんないね。」
「そうだな。」
「・・・(こくり)。」
高校生活の平穏が崩れるとか、俺は許さないぜ。
『それでは、今年度より鳶ヶ谷高校に着任した先生を紹介します!』
司会の先生が今年から来た先生を紹介していく。
別に一年生担当の先生は関係ない。
気になるのは二年生担当だ。
どうか・・・、めんどくさそうな先生が来ませんように。
『次は、二年生担当の先生です!二人、紹介しますね!』
お、どいつだ・・・って、なんか明らかに変なのがいる。
顔つきがなんかまずやばい。
怖い顔、というような感じじゃなく、こう、顔が死んでる。
なんか、やる気とかそういうのを一切感じない。
クスリやってんじゃねと言われてもおかしくない感じで、死んだ馬みたいな顔をしている。
『まず、下尾鷲の台高校から鳶ヶ谷高校に来た、古樫七海子先生です。』
一人は女の先生だった。
パッと見若そうな先生だ。
男子から人気出そうな先生だな。
『みなさん、こんにちは。ご紹介にあずかりました古樫七海子です。担当教科は物理です。皆さんよろしくお願いします。がんばります。』
なんかえらく普通の挨拶だな。
『そして、海口工業高校から鳶ヶ谷高校に来た、吉田優先生です。』
ざわっ・・・!
体育館内が少しざわついた。
それは無理もない。
海口工業高校。通称海工は不良の溜まり場として有名だ。
しかもその高校で問題を起こした先生だと・・・!?
嫌な予感しかしない。
『みなさん・・・、こんにちは。海口工業から来ました・・・、吉田優です・・・。日本史担当です・・・。よろしく・・・。』
ものすごいぼそぼそしゃべりだった。
やばい、怖い。
死んだような見た目から放たれるぼそぼそしゃべり。すごく怖い。
俺はこれからの一年間が一気に不安になった。
「なあ夏央、さっきの先生なんかやばくなかったか?」
教室に入るなり、京介がそう切り出してきた。
たしかに、なんだかやばい感じがした。
切れさせたらやばいけどどこで切れるかわからないみたいな。
「まあ海工だもんな。日本史の授業、まじめに聞いとこうかね。」
「夏央はいつもちゃんと授業聞いてればいいのに。」
「眠いんだよ。」
ただなんかあの先生は何するかわからないから一応起きていることにしよう。
「アヤもなーみんも、あの先生はやばい感じがした?」
後ろから祈木も会話に混ざってきた。
「な、なーみん・・・?」
初対面でいきなりあだ名で呼ばれた京介は若干戸惑っている。
お前最初きょーちゃんなりなんなり呼んでくれとか言ってたよな・・・?
「なんか、普通に怖いっつーか、何考えてるかわからない感じだよな。」
「あのボソボソしゃべり、超怖いよなー。」
「それ分かるよー。あたしも怖いと思ったもん。」
みんな考えてることは同じようだ。
実際、クラスに帰ってきたほとんどの人はあの先生の話をしている。
『怖いというか、気持ち悪い。』
うん、確かにそんな感じ・・・って。
「ミー子、横からいきなりケータイが視界に入るとビビる。」
『ごめん。』
「まあ、何もないことを祈るくらいだな。」
『そうだね。』
そう、何もないのが一番なんだよ。
何もないのが。
「さて、帰るか。」
『材料買っていこうか。』
「ああ、そうだな。」
『忘れてた?』
「いや、忘れてない。」
スーパーによって、キウイタルトの材料を買った。
よし、あとは作って店長のところに持っていこう。
「よーし、作るぞー。」
『手伝う。』
「んじゃあミー子はキウイをスライスしてくれ。」
『了解。』
さーて俺は生地を作りましょうかね。
「あ、キウイはすこし分厚くスライスしてくれ。生クリームも甘さ控えめで。キウイの味をしっかり感じるようにしよう。」
『了解。』
生地つくりはあんまりゆっくり作業していると柔らかくなりすぎてしまうから、なるべく早く。
『カスタードクリームもできたよ。』
「作業早いな。さすが。」
『v(^o^*)』
タルト生地とカスタードクリームを冷蔵庫で冷やし、タルト生地の上の部分であるクレームダマンドを作る。
『手慣れてるね。』
「うちのメニューにタルトはないんだがな。」
『それはもうなっちの才能だと思う。』
「それほどでも。」
褒められると素直にうれしいです。
あとは冷やしたクレームダマンドにタルト生地を入れ、170度のオーブンで焼く。
「結構時間かかっちゃうな。」
時計を見ると、もう18時を回っていた。
『一日数量限定かもね。』
「そうなるとメニュー入りはキツイかなあ。」
『まあとりあえず持って行ってみようよ。』
「そうだなー。」
生地に生クリームを絞り、スライスしたキウイを並べ、ナパージュをかけて冷やしたら完成。
「大体3時間かー。」
『楽しかった。』
「たまには二人で作るのもいいな。」
「・・・(こくり)。」
ミー子が手伝ってくれたおかげでおいしそうなキウイタルトができた。
「ただいまー!あー、なんかいい匂いがするねー!」
大学から帰ってきた春女さんが匂いにつられてこっちに来た。
「あ、美衣ちゃん。こんにちは。」
「・・・(ぺこり)。」
「これ、すごいね。2人で作ったの?」
「・・・(こくり)。」
「私にもくれるの!?」
春女さんが目を輝かせている。
ごめん、春女さん・・・。
「これ、新メニューの提案としてバイト先に持っていくやつなんだ。ごめんね春女さん・・・。」
「がーん!!!ショックだよ!!!」
春女さんが目に見えて落胆する。
「もし新メニューとして採用されたらうちに食べに来てよ。」
「絶対行くよ!」
春女さんが力を取り戻した。
「今日は手伝ってくれてありがとな、ミー子。」
『礼には及びません(キリッ。』
「表情は全く持ってきりっとしてないけど。」
さて、これをバイト先に持っていこう。
店長、どんな反応するかな。
「ちわーっす。」
「お、絢駒じゃん。どしたの?今日シフト入ってないじゃん。」
バイト先である喫茶店”Grace drop”に入ると、先輩が出迎えてくれた。
「こんちわっす先輩。今日はちょっと店長に相談がありまして。」
「ほほーう?その右手に持ってるものを見せるわけだな?」
「そんな感じっす。」
「んま、期待してる。」
「あざっす。」
従業員スペースへ入り、店長がいる部屋に向かう。
いまはそこにいるはずだ。
店長室のドアには『仕事中』という表札がかけられている。
仕事中だろうがそんなん知らねぇ!
コンコン
「店長いますかー?」
『はーい!誰ですかー?』
「絢駒ですー!ちょっとお話があって来ましたー!」
『はーいどうぞー!』
部屋に入ると、店長は事務作業中だった。
「今大丈夫ですか?」
「大丈夫だよ。それに、絢駒君の持ってるその中身、気になるしね~。」
Grace dropの店長、高塔小夜里さんがパソコンから目を離し、こちらを向いた。
「いい匂いだね。新メニューの案?」
「あ、はいそうです。うちの春メニュー、少し遅れましたが作ってみました。5月ぐらいまで出せます。」
「ほうほう。」
「ただ・・・、作るのに少し時間がかかっちゃうんですよね。」
「限定時期が長いなら一日数量限定でもへーきだよ。」
あ、これもしかしていけるかな。
「そろそろ見せてもらえるかな~?」
「はい。では、どうぞ。」
袋を開き、ミー子と一緒に作ったキウイタルトを店長に見せる。
「ほーうタルトですかー。」
「どうっすかね?」
「そういえばうちのメニューにタルトなかったねー。・・・何で作ってなかったんだろ。」
「時間かかるからっすかね。」
「別に時間がかかるくらいどうってことないんだけどね。」
じゃあほんとになんでタルトのメニューなかったんだ。
「ほかの従業員も絢駒君みたいにどんどん新メニューの案出してくれればいいのになー。」
ほかの従業員があんを出さないのはおそらく店長自身が新しい案をバンバン出すからだと思う。
「で、これ、どうっすか?」
「食べてみよう。まずはそれからだ。」
俺と店長で一切れずつ食べてみる。
・・・あ、我ながらおいしい。
キウイの優しい酸味と甘さ控えめのクリームでとてもすっきりとした味に仕上がっている。
少しキウイを厚めに切らせておいて正解だったな。
コーヒーと一緒でも全く問題ない。
「おいしいねー!これ採用!」
「決定早いっすね。」
「おいしいからいいんだよ!よし、じゃあ今週の土曜日からメニューに入れよう。急いでほかの従業員も作れるようにしておかないとね。あ、レシピある?」
「ここに置いていきます。」
「ありがとう!じゃあ作り方とかは私が指導しておくね!」
「よろしくお願いします。あ、勝手にアレンジ加えて改良とかしてくれちゃってもいいですよ。」
「できたらやってみるね!」
「じゃあ、俺は帰ります。」
「はーい。明後日のバイト、よろしくね!」
「うす。」
とてもいい気分で俺は店長室を後にした。
やった。やったぞ。
俺の新メニュー案、また採用された。
これで5つ目だ。
でも今回はミー子の手助けもあったからな。
あいつにも感謝だ。
「ただいまー。」
「あ、夏央くんおかえり~。」
「お帰り、夏央。」
家に帰ると、春女さんと母親がいた。
「母さん、仕事お疲れ様。」
「ああー、そうね。母さんお仕事疲れちゃったねぇ。肩もんで。」
「シップ貼れ。」
「あらあら、夏央ったらいつの間にそんなひどい子になったのかしら。母さん悲しいなー。」
「てか、小型のマッサージ機あるのになんでわざわざ俺に頼むんだ。」
「人にやってもらうのが一番よね。人の力で私が楽をする、最高ね。」
「最悪だアンタ!」
息子を何だと思ってやがる!
俺はマッサージ機じゃねーぞ!!
「そうそう、夏央くん、どうだった?」
「ああ、どうやら採用してもらえるみたい。今週の土曜からだってさ。」
「ほんと!?絶対食べに行くからね!」
春女さんが嬉しそうにそう言ってくれる。
ええ、売り上げに貢献してもらえるのはとてもうれしいです。
「あら、また店長に直談判したの?あんたも好きねえ。」
まあ、新メニューの提案なんて店長くらいにしかしないし、直談判と言えばそんな感じだけど・・・。
「俺はどうですかねって実物作って見せに行っただけだよ。」
「ああ、だから甘い匂いがしてたのね。」
母さんが納得したように頷く。
「夕ご飯、食べちゃいなさい。私と春女とミーちゃんはもう食べちゃったから。」
「あいつ、うちで食っていったのか・・・。」
「ミーちゃんは私にとって家族みたいなもんよ。」
家族ねえ・・・。
「夏央が頑張って本当に家族になってくれてもいいんだけどねえ。」
「な、何言ってんだ母さん。」
か、家族か。
あいつと家族か・・・。
・・・自然すぎてあんま想像が湧かねえ。
今日だって大体そんな感じだったし。
まあ別に、あいつがいいって言うんだったら・・・。
「なーに想像してんのよ。やっぱあんた高校生だねえ。」
「べっ、別に何も想像なんかしてねえよ!」
「あらあら、図星?」
「うるせえ!」
めんどくさいこの母親!
「夏央くん、まだ年齢的に無理じゃないかな?」
「気にするとこそこじゃないです春女さん。」
そもそも18で結婚とか大変そうだから嫌だし。
もうちょっと安定してからそういうのは考えたいね。
なぜか俺はあいつとの結婚生活を想像しながら夕飯を食べていた。
「ふー、今日の課題はおしまいだな。」
学校の課題を終え、現在時刻22時。
寝るまでまだ時間あるし、何をしようか。
この前買ったラノベはもう読み終わったし、進めているゲームもない。
よく考えると俺の部屋って物が少ないな・・・。
今度何か買いに行こう。
『ユーガッタメール♪』
ケータイにメールが来た。
誰だろう、こんな時間に。
メールを開くと、こう書いてあった。
『From ミー子
たすけて
私の部屋に来て』
「・・・!」
助けて!?なんだ!?何があったんだ!?
こんな時間にあいつは外に出たりはしないはずだ。
しかし、万が一ってこともあるかもしれない。
俺は急いで家を飛び出した。
「大丈夫かミー子!?」
ミー子の部屋のドアを開けると、ミー子は・・・ゲームをしていた。
なんだよ・・・。
『手伝って。』
「助けてじゃねーよ心配したじゃねえよ・・・。」
『なっちは優しい子。』
「うるせ。んで、何をするんだ?」
『パラロス。手伝って。』
ミー子がやっていたゲームは、無双系ゲーム、”PARADISE LOST”だ。
略称はパラロスで、天使を使って悪魔との戦争に勝っていくゲームだ。
現在4作目。なかなか人気のあるゲームだ。
ミー子はこれを初代からやっていて、かなり強いはずなんだが・・・。
「俺、これ助けなくてもいいんじゃね?ミー子めっちゃ強いじゃん。」
『2人ミッション。』
「ああ、そういうことか。」
キャラクターの解禁にはミッションを進めることが必要となる。
2人でやらないと解禁できないキャラクターもいるため、少々ボッチには厳しい。
俺はミー子にかなり付き合わされているため、結構上手な方だと思っている。
「どんなミッション?」
『10分以内に一人最低1000体斬りをする。』
「なかなか大変だな。」
『なっちにも頑張ってもらわないと。』
「まかせろ。」
俺もコントローラーを握る。
「これ、成功すると何が解禁できんの?」
『サンダルフォン。』
「なんか強そうな名前だな。」
ちょっとデジタルチックな気がするが。
『なっちが前作で使ってたメタトロンの妹。これを解禁するとメタトロンの解禁ミッションが出るよ。』
「おっまじか頑張る。」
メタトロンか・・・、使いたい。
このゲームにおけるメタトロンは火を操る。
俺はそれがかっこいいと思っている。
エフェクトも派手だしね!
『やるよ。』
「おっけー。」
ゲームが始まる。
ミー子の方を見ると、なんだか力が入っているように見える。
俺も負けてらんないぜ!
結果はミー子1180体、俺977体だった。
「すまんミー子ほんとにすまん。」
『大丈夫。できるまでやる。』
「次は決める。」
『よろしく。』
また同じようにゲームが始まる。
これで決めるぜ!!
結果はミー子1095体、俺970体だった。
「キャラ変えるわ。」
『大振りのペリエルでそこまで倒せるのもすごいと思う。』
「ザドキエルにするわ。」
『私はゼルエルのままで行くよ。』
スピードと範囲攻撃のゼルエルは討伐数稼ぎに向いてるといえる。
ザドキエルは早くはないが、攻撃力が高い。
「よし、いいぞ。」
『やるよ。』
さっきまでの俺とは違うぜ!
【サンダルフォンが選択可能になりました。】
「よっしゃああああ!!」
「・・・(ぐっ)。」
見事俺たちはミッションをクリアした。
三度目の正直とはこのことだぜ!
「ミー子イエーイ!」
『イエーイ。』
うれしくてハイタッチした。
『手伝ってくれてありがとう。』
「どうってことねえよ。1週間に4回はミー子の家でパラロスやってんだから。」
『次はメタトロンを解禁しよう。』
「そうだな。」
『じゃあ、おやすみ。また明日。』
「おう、また明日な。」
ミー子の家を後にし、自分の部屋に戻った。
家が近いと夜まで遊べていいね。
さて、寝る前に明日の準備でもしておこう。
明日の授業は・・・、英語と数学と日本史と体育と家庭科か。
家庭科・・・、さすがに最初の授業で調理実習はないだろうけど、楽しい授業だよな。
さて、準備も終えたことだし、寝よう。