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Stagnete



 「はぁ・・・・・」

と、何回目かわからないため息をついたところで横から言葉がとんできた。

「何回目よ、ため息。こっちまで沈んでくるからやめてよね。智菌がうつる。」

智菌ってなんだよ。

と、口をついて出そうになったが我慢した。

なんせ自分は居候の身。余計なこと言って追い出されてはたまらない。

なぜこんな目に遭わなければならないのだろう。俺は何か神様の気に障ることでもしたのだろうか。

神様お願いします。助けてください。

普段は神様なんてこれっぽっちも信じてはいないがこんなときだけは都合よく神頼みしてみる。

今まで宗教の勧誘に引っかかるやつの気が知れなかったが、もし、今、神頼みしたあとにこの状況が打開されたりしたら神様の存在を信じ、宗教の勧誘にものってしまうかもしれないな。

「はぁ・・・神様・・・」

祈るようなポーズをしながらつぶやいた。

・・・何言ってんだ俺は。言ってみて恥ずかしくなり顔が熱くなったような気がした。

「・・・ぷっ。」

横から恭子の笑いが聞こえた。

こいつ、笑いやがった。まぁ確かに「神様・・・」なんていってたこと自分でもおかしいけど。

「笑うなよ。」

と恭子の方をみると案の定、笑いをこらえていた。

恭子の膝の上でくつろいでいるメルもなんだか笑っているように見えていたたまれない気持ちになった。





雄治



 「やっと帰った・・・」

雄治は疲れた表情で自宅のソファに腰を下ろした。

先ほどまで佳織とデートしていた。食事だけしてすぐに帰るつもりだったのだが、佳織がどうしても家へ来たいと言うので家に入れたのが間違いだった。もう少しだけ、すぐ帰るから!まじで!と何回言ったかわからないが最終的に泊まっていくと言い出したときにはさすがに困った。俺は一人になりたいんだよ。と何度口から出そうになったか。黙っていればかわいいのに、と何度思ったことか。

「はぁ~・・・」

今日一番大きなため息をしたあと携帯を手にリダイヤルを押す。

prrrr・・・prrrr・・・

「はい。」


「あ、ゆみさん?今電話大丈夫かな?智くんの件なんだけど。」


「はい、大丈夫ですよ。あぁ、どうなりました?」


「まぁ順調だよ。心配はいらないよ。」


「そうですか・・・引き続きお願いします。では。」


「はいはーい。」



電話をきったあと、またすぐにリダイヤルを押す。

prrrr・・・prrrr・・・

「はい、何?」


「うん、あのさ・・・」




佳織



 フーンフーンフフッフフフーフフフ♪フフンフンフフンフフフ~♪

まじ楽しかったなぁ~。

まじ雄治ってなんであんな優しいんだろうっ!全然怒んないし。まじイケメンだし。

今日のデートも最高だったなぁ。

「ほんとあいつとは大違い。」

・・・でもお泊りしたかったなぁ。なんか雄治って泊まるって言うとちょっと嫌そうなんだよね。

なんでだろ。やっぱ浮気してるとか?前にお泊りしたときは夜携帯まじ触りまくってたし。

やっぱまじ怪しいよね。考えてたらまじ不安になってきた。

誰かに相談しようかな。こーゆうのはやっぱきょーこ!

きょーこに電話しよっと。

prrrr・・・prrr・・・

「プーッ・・・プーッ・・・」


通話中?まじか~・・・まぁ明日話せばいいか。





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