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女神の剣  作者: 蔵樹りん
第1章
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第4話『依頼をこなそう』

「じゃあそろそろ行こっか? あまり長居してリーマドータの仕事を邪魔しても悪いし」

「うん、そうだね」


 エレンからプレゼントされた新しい輝石も刻印してもらい、すでに武装を解除した二人はそろそろお暇しようとリーマドータに向き直り、別れの言葉を告げる。


「おっと、待つのじゃ。一番大事なことを伝え忘れておった」


 そんな二人を制止し、リーマドータは真面目な顔になってアンリの目を正面から見つめた。


「神々の武具についてじゃがな。元々は神々が使っておったものを人の子が使うのじゃ……やはり無理が生じるのじゃろう。その力をずっと享受することは出来ぬ」

「ええっ!?」


 驚きの声をあげるアンリにリーマドータは重々しく頷いた。


「神々の武具を人の子が纏っておられる時間は……まあせいぜい半日程度といったところかの。それを過ぎると少々面倒なことになる」


 ごくりと唾を飲み込み、アンリは慄きながら尋ねた。


「じ、時間が過ぎるとどうなるんですか?」

「装備しておる人間もろとも爆発する」

「マジですか!?」

「嘘じゃ」

「……」

「た、ただの年寄りの茶目っ気じゃぞ? そ、そんな冷たい目で見なくてもよいじゃろうに」


 氷のようなまなざしを向けるアンリにリーマドータはたじろいた。アンリはエレンへと首をめぐらす。


「それで実際はどうなるの? エレン」

「なっ……一度の過ちくらい許してくれてもいいじゃろうに。これだから若い者は……」


 一年前に同じ冗談を言われたエレンはフォローすることもなくアンリの疑問に答える。


「時間が過ぎるとね、武具は消滅して輝石の中に戻っちゃうの。そしたら街に帰って神の息吹を浴び、輝石の力を回復させないといけないわ。ただそんな時に簒奪者に出会うと大ピンチだからね。大抵は余力があるうちに街に戻るようにしてるわよ」

「ああ……だから大きな神の息吹がある街には執行者もたくさん集まって来るわけだね?」

「そういうことよ。このエターナルイリスの神の息吹は、大陸でも上位に入るくらいの大きさだからね」


 神の息吹ゴッドブレスの加護が及ぶ範囲には、基本的に魔物達は近付くことが出来ない。それゆえにその周りには必然的に街が出来、人々が安寧の場所として住み着く。


 アンリとエレンの故郷である村にも神の息吹と呼ばれるものはあった。もっとも、この街のそれとは比べ物にならないような小さな吹き上がりであったし、もちろん石で周りを囲ったりもしてはいなかった。それでも村の人間にとっては大事な場所であったのだ。


「まあ、さっきの冗談はさておいての。いつかは神の息吹が無い場所で長居をしなければならぬかもしれぬ。そういった場合、周りに敵がおらぬ時は武装を解除することも必要なことになる……とはいえ、気配を消すのに長けておる簒奪者もおるからの。しばらくは簡単な依頼などをこなして慣れていくことじゃ」

「依頼?」

「おぬしの村にも昔、四人組の執行者がやってきたじゃろ? 近くに住み着いた魔物を倒すために」

「!? な、なんで知ってるんですか!?」


 自分が執行者になりたいと思う契機となった事件のことを突然振られ、アンリは慌てた声を出す。


「それはその依頼がこの神殿に出されたからじゃよ。アンリ」


 リーマドータは片目をつぶる。


「執行者はそういった依頼に対して払われる報酬で生計を立てるものがほとんどじゃ。まあ、他にもお金を稼ぐ手段はいろいろあるが、あとはエレンに教えてもらえ」

「は、はい……」


 アンリとエレンにそれぞれ慈しむ視線を向け、リーマドータはそっと囁いた。


「命を大事にするのじゃぞ? ……ゴッド(神の息吹と) ブレス ユー(共にあらんことを)


 この大陸で――特に執行者の間でよく使われる挨拶の言葉に二人は感慨深げに頷き、やがて神殿を後にした。




アンリの【魂の器ソウルフレーム


○●●●●●

=○○●○○

===○○○

====○○


打ち壊すものブロークン】×1

闇の帳ダークフォール】×1

【解毒の粉薬】×2

【麻痺解除の粉薬】×1

【覚醒の粉薬】×1



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