一章 壱
はじめまして、黒塚慧介です。適当に書いた小説ですので、どうぞ気楽にリラックスして読んでいただけると嬉しいです。
僕の名前は、神川静琉……今は高校生だ。
授業がもうじき終わる。
授業が終われば今日は帰れる。
しかし、今日は依頼があった。
そう、僕はこの世界で唯一の勇者だ。
チャイムがなると次々と人が帰っていく。
そういった群れを追い払うと、気づけばそこに依頼人がいた。
僕がこの依頼を受けるようになったのには訳があった。
それは、僕が拾ったハンカチである。
僕は律儀にそのハンカチをその少女に返しに行った。
なぜ、そのハンカチの持ち主がわかったかと言えば、実は知り合いが持っていたと気づいたからであった。
名前は、半田三園。セミロングの黒髪。
彼女は、学校では全く接点がなかったが、この間告白された。
「好きです」
ストレートにそれを言ったが、僕もストレートに断ってみた。
すると、泣き出したのでその時は無視した。
今思えば、そのハンカチは涙を拭きすぎて落としてしまったものなのかもしれない。
あえてそんなどうでもいいことを語った理由は、彼女が以後この物語の重要人物になるからなのだが、それはおいておこう。
僕が、頼まれた依頼とは、この世界で日夜起こっている怪事件の数々である。
近頃、サイコキネシスを使う人間がいるという噂がある。
単純な念力ではなく、人の心を捻じ曲げたりもできる。
僕は、冷静にその謎に取り組もうと思ったのは、ありえなさすぎるからだ。
何か、秘密があるような気がした。
僕は、その謎の奥を見つめていた。
半田三園は、僕の目の前でこう言った。
「勇者様、お助けください」
「ふふふふはははは、そうだね。そんな不思議な力があるんだったら、知りたいし。本当に面白いね、その事件の詳細。全部世界の大事な理に関係しているよ。今、僕がその謎の序文を解読してみせよう」
……、僕は目の前にある謎を冷徹な目で見つめていた。
サイコキネシス。
多発事件。
そして、犯行の目的。
「今現実を凌駕する」
僕は結論を出した。
○○○
勇者、それは戦いに勝ち……未来を見出す者。