First crime 強欲 1
アビディティに向かうために少年がいた町を出て、砂漠の中を数キロ東に進む。
すると、建物が見えた。
それは、威圧感のある大きなレンガの壁だった。
ゴゴゴという効果音が聞こえてきそうだ。
「どうやら、ここみたいだな。」
リオルが壁の上のほうを見上げて言う。
「どうやって入りますか?」
ボヌールが聞く。
確かに、そこには壁があるだけで、入り口がなかった。
どうやって入るか考えながらあたりを見渡すと、リオルが何かを手に持っていた。
大きなハンマーだった。
リオルの武器なのだろう。
リオルがおおきく振りかぶる。
そして壁にたたきつける。
丑三つ時に、五寸釘をたたきつけるように。←え?
大きな音をたてて、壁が崩れる。
ガラガラガッシャーンとはならなかったが、というかなるわけないし、あんな効果音がほんとに流れると思っているの?ばかなの?
壁が崩れると同時に、十人くらいの武装した人(兵士だと思うけど、まだ分からないから言わない)が駆けつけてきた。
「お前ら!何者だ!」
「何をしにきた!」
「このまま何も答えないならば敵とみなす!われわれアビディティの兵士は全力を持ってお前らを排除する!」
兵士A、B、Cみたいな人たちが、計算されていたかのように、それぞれに言う。
「俺たちは、ここから西に数十キロ行ったところにある町から来たもんだ。」
あの町の名前をまだ僕たちは知らないので、俺はとりあえず、位置を説明してあの町を伝えようと、、、あーもう面倒くさい!
すると、兵士たちが突然笑い出した。
「ハッハッハッ!お前たちはウィザーから来たのか。あのすごく貧乏な町から。それで、お前たちは何をしに来たんだ?チップがほしいのか?壁を壊したやつになんかやらんけどな!八ッハッハッ!」
一番がたいがよさそうな兵士が前に出てきていった。
これには我慢できず、リオルが殴りかかろうとすると、
「ふざけんな!」
と、後ろから大きな声が響いた。
聞いたことのない声だった。
「あんたたちが悪いんだろーが!あんたたちが、あんなでかい化け物を作って、放ったんだろうが!」
後ろを見ると、黒髪のストレートで、今風な格好をした大和撫子って感じの女の子がたっていた。
怒りつつも泣きそうな顔をしていた。
兵士は、その言葉を聞き、フンと鼻で笑った。
「悪いが、おじょーちゃん。どこにそんな証拠があるって言うんだい?」
すると、その女の子は、さっと、ポケットから写真を取り出した。
「これは、私のインスタントカメラで撮ったあの化け物の背中の表皮の写真。」
こちらに見せ付けてきた。
そこには、あの化け物の表皮に白い紋章が描かれていた。
「この紋章はあなたたちの国の紋章でしょ?」
兵士たちが顔をしかめる。
「うっ、うるせー!そんなの偽造だ!俺たちを、陥れようってんだな!そうはいかねーぜ!おい!」
がたいのいい兵士が、一人の兵士を自分の元に呼ぶ。
そしてにやりと笑う。
「お前らへの攻撃許可が王から下った!処分させてもらうぜ!」
数人の兵士が、剣を持って飛び掛ってきた。
俺は、善心がはたらいたため、ノーキルでクリアするために風で吹き飛ばす作戦を取ることにした。
つまり、手裏剣をアイテムボックスから取り出した。
ぐるぐると回すと同時に大きな風が巻き起こる。
それと同時に、兵士が一気に吹っ飛んだ。
「なん、、、だとぉ、、、!」
がたいのいい兵士が、風を必死でこらえながら、驚愕の表情をしている。
とかいってるが、実は、目線は後ろの女の子が穿いていたスカートのほうに重点的に目がいってたりする。が、それは秘密だ。
え?男のロマン?残念ながら、女の子はちゃんと抑えていた。
あと少しなんだけどな~。
捲れろ、捲れろと、どんどん力を増していく。
もちろん、風の方向は、兵士のほうに向けてる。しかし、反動で、風が女の子の方にも行く。
って、俺落ち着けよ!
気がつけば、目の前には一番がたいのいい男しかいなかった。
他の兵士は全員吹っ飛んだのだ。
下心って怖いな~と俺は思った。
bibukoさんの「呪いのすすめ」って曲をニコ動で見るといいよ。
途中で途切れたのには理由があった。親フラというね。
下心ごめんなさい。