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幸せの入手法  作者: clown
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First break  枯れた町①


 メルリア砂漠は、なかなかの広さだった。しかし、RPGゲームみたいにどこもかしこも魔物だらけというわけではないので、普通に歩けば簡単に砂漠を通り越せる。


 途中で休憩を入れつつ、あの大きな魔物がいたところから15キロほど歩いたところで、遠くのほうに人工的な建造物がたくさん集まってるのを発見した。きっと町なのだろう。


 オルゼーの安全な居場所を探すためにも、とりあえず町に向かって歩く。


 「いやー、こんな砂漠の中に町があるなんてね~」


 「まあ、人間はどこにでも住み着く。そして、他の生物の居場所を奪い取っていくんだ。」


 「なんで、そんなしゃべり方してるの?リオル?」


 「そんなとは、どんなだ?」


 「なんというか、ポエムを朗読しているような、詩人になりきってるような、、、」


 「私、さっきリオルさんが何かを紙にメモしてるのみました!」


 「ほう、オルゼー。リオルは何を書いていたんだい?」


 「えっとですねー、、、」


 オルゼーがボヌールの耳に向かって、小声で話す。


 「ま、まさか、あのことを、、、」


 リオルの顔が青ざめる。


 「キャー、リオルクン、ポエムナンテカイテルノー!」


 あえて、からかうように棒読みで、ボヌールが叫ぶ。


 「くっ、それだけは、俺の胸の中の黒歴史としてとっておくはずだったのに~」


 「ふむふむ、ああなんとこの世は無情なのだろう、こんなに幼い子でさえ、、、」


 「読むなー!」


 リオルが必死で止める。ここまで、あわててるリオルはじめてみるかも。ってか、まだ旅し始めたばっかなんだけどね。


 まあ、その後もボヌールが、口に出すのも恥ずかしいようなリオルのポエムをただ淡々と朗読しながら歩く。もちろん、リオルはやめさせようと必死だ。そのうちに、町についていた。


 

 町の光景は、決してきれいとはいえなかった。


 廃れている。そう、ひと言で言うなら、廃れている町だろう。


 建物はほとんどが風化して、看板などのたてつけは全部がたがただ。


 「こんなところに人がいるんでしょうか?」


 ボヌールが不安そうに聞く。


 「きっといるだろう、所々、風化してない部分がある。」


 リオルはなかなか、洞察力が優れている。


 確かに、あちらこちらに、ちらほらと、植えたばかりのような鉢植えや、生活用品が見受けられる。


 とりあえず、俺たちは町の中で人を探してみることにした。

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