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幸せの入手法  作者: clown
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First battle  砂漠の穴 【Ⅰ】

看板のほうに向かって歩いていくと、舗装されていた道が、だんだん砂に変わっていった。


そして、しばらく歩くと道に赤いラインが引かれていた。


その横には看板が立っており、「この先メルリア砂漠」と書いてあった。


とりあえず進んでみる。


あたりには木が生い茂っているが、地面は完全に砂だった。



しばらく進んだところで、何か異変を感じる。


周りがおかしい。


さっきまでは、少なからず人がいたのに、今では一人もいない。


「何か、妙だな、、、」


リオルがぼそっとつぶやく。


「いやな予感がします。」


ボヌールが言う。




そしてしばらく歩くと、人の屍が道端にいくつか落ちていた。


ぎょっとする。


現実世界では見ることのないものだ。


とりあえず、そこら辺で、誰かいないか探す。


もしこのまま進んで、突然巨大な魔物とかが現れたら、ひとたまりもない。

こういうのはまず、情報収集をするべきだ。


しかし、誰も見あたらない。


そうやって人を探しながら進んでいくと、一体屍の横で、泣きじゃくる子供がいた。女の子だ。


「どうしたの?」


たとえ、幼い子供でも、情報を得られるかもしれない。


「えぐっ、、、あのね、お母さんとね、お仲間さんとね、向かってたらね、穴があってね、、、ひっく」


そしてまた、泣き出してしまった。


穴?なんだろう。


「泣かないで。それで、どうしたの?」


「ひぐっ、、、お母さんがね、私を投げてね、それで、足が、まきついて、、、動けなくなってね、、、」


そしてまた、泣き出してしまった。


大体読めたぞ、穴から魔物が出てきたってことだな。で、お母さんは子供を助けるために遠くへ投げたけど、殺されちゃったってことかな?そうなると、この女の子はかわいそうだが、どうすることもできないしな~、、、


「えっと、、、」


少し困る。


悩んでいたら、ボヌールが後ろから女の子に向かって声をかけた。


「ねえねえ、あなた、名前はなんていうの?」


「私?私は、オルゼーって言うの。」


「じゃあ、オルゼーちゃん。おなか空いてない?」


少女は、泣きながら、こくりとうなずく。


「じゃあ、何か作ってあげるよ。」


そういってボヌールは、近くに生えていた草とかを調べ始めた。


そして、その草とかをむしって、アイテムボックスから、銃を取り出した。


そして、草に火をつける。


その後、そこら辺に生えていた木から実をとってくる。


よくみたら、りんごじゃないか。


それで、りんごを火であぶる。


すごく、ダイナミックな調理ですね。


しばらくあぶって、


「はい、どうぞ、焼きりんごです。厚いから気をつけて食べてね」


オルゼーに渡す。


熱そうだけど大丈夫?


「ありがとう、お姉ちゃん。」


そういってオルゼーは焼きりんごをかじる。


「おいしい!」


オルゼーはにっこりと笑う。


「ならよかった。ところでさ、私ね、ここってすごく危ないと思うんだ。だから、オルゼーちゃんも私たちと一緒に来ない?安全なところにつくまで、、、」


「でも、お母さんが、、、」


オルゼーは、屍を見つめる。


あの屍はお母さんだったのか、、、


「えっと、でも、お母さんは、オルゼーちゃんに生きててほしかったんだと思うんだ。だから、生きるためにも、どこか安全なところまで、一緒に行こう?ね?」


オルゼーはしばらく考える。そして、


「うん、お母さんのためにもいっしょに行く。」


オルゼーは、コクリと首を縦に振った。


そうして、オルゼーが仲間に加わることになった。

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