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day2.5 予定外の予約

日曜日



「昨日はありがとう」と連絡が届いたのは、その翌日のことだ。


「まあ、来るよな」

営業の一環だと思いながら、当たり障りのない返信を数回繰り返す。

すると、あいが昨日話していたおすすめの居酒屋の情報を送ってきた。


リンクを開いてみると、客単価は5,000円ほど。

会社帰りや友人と行くのにちょうど良さそうな、落ち着いた店だった。

(やっぱり、店のチョイスも背伸びしてないな。昨日言ってた苦労話も、本当なのかもな)


そんな風に、彼女の「素朴さ」に妙な信憑性を感じていた時、スマホが震え、着信、ディスプレイにはキャラクターのアイコン。


「……え?」


不意の電話に少し驚きながらも、ボタンを押す。

受話器の向こうからは、昨日と同じ、少し落ち着いたトーンのあいの声が聞こえてきた。

改めて昨日の礼を言われ、話題は自然とさっきの店の話になる。


『あのお店、いつ行こっか。日程決めたいな』


正直、年内はこれ以上プライベートで飲みに出るつもりはなかった。

仕事も年末にかけて忙しくなるし、自分の中では前回の五万円で区切りをつけたつもりだった。

だが、昨夜の酒の勢いで「行こう」と約束してしまった手前、無下に断ることもできない。


「そうだね....再来週の土曜なら、空いてるけど.....」


彼女に聞けば、年内の予定はほとんど空いているからいつでもいい、という。


(あれだけ綺麗な子が、年末に予定がスカスカなんてことがあるのか?)


少し疑問がよぎったが、彼女が嘘をつく理由もない。

結局、押し切られるような形でその日に会うことになった。


「わかった。予約、後回しにすると忘れそうだから今しちゃうね」


俺は通話をつなげたまま、指先で居酒屋の予約を完了させた。

決まったタスクは、その場で処理するのが一番効率がいい。


この時の俺は、自分の「決断の早さ」を誇らしく思ってさえいた。

その予約が、自分をそのお店の奥深く、引き返せない深淵へと誘う招待状になるとも知らずに。



-----


領収書


¥0

計¥0


TOTAL¥50,000



20日の予約、完了。

同伴して、さくっと帰ろう。



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