12/12
蛇足 或いはエピローグ
12/31
結局、俺があの場所で失ったのは、60万円近い金と、少しばかりの自尊心だった。
お金に関しては、授業料だと思えている。
彼女がなぜ、あんなにも回りくどい嘘をつき、俺を連れ回したのか。
それがデート商法だったのか、本当のところは、俺には一生わからないだろう。
ただ一つ確かなのは、俺が見ていた彼女は、
誰かが作った巧妙な脚本の一部だったか、
彼女自身が書いた脚本の中の彼女でしかなかった、ということだ。
なにが本当で、なにが嘘だったのか。
今でも、はっきりとは判断できない。
それでも、きちんと金を払い、後腐れなく終われた。
それは、確かな救いだった。
ひどいことをされたし、
もう二度と関わりたいとも、会いたいとも思わない。
関わることになった人で、
好きになったかもしれない人だったから。
どうか、良いお年を。
彼女の未来が、誰かを不幸にしたり、
奪ったりしない形での幸せでありますように。
fin




