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第1話「本棚に潰されて異世界転生しました」

蓮は、小説家を夢見る普通の中学生だった。

授業が終わると毎日のように市立図書館へ通い、

ファンタジー小説や歴史書を漁る日々。


蓮(心の声)

「小説家になって、世界中の物語を紡ぐんだ……。

今日も閉館ギリギリまで資料漁りだ!」


図書館の奥、本棚の影に潜り込み、

古びた本を抱えていた、その時。


――ギシィ……バキッ!


蓮「え?」


頭上から、巨大な本棚が傾いでくる。

逃げる間もなく、本と木材の山が雪崩れ込んだ。


――暗闇の中で、耳元に声が響いた。


赤き竜「……おい、お主。聞こえておるか?」

蓮「う……うぅ? ここは……?」

赤き竜「異界じゃ。お主は本棚に潰されて死んだ」

蓮「死んだあああああ!?」


光のない空間に浮かぶ、真紅の巨大な竜。

だが、その輪郭はぼんやりと透けていた。


赤き竜「我は“赤き竜”。王立大図書館『エテルナ文庫』の幽霊館長じゃ」

蓮「幽霊!? 図書館!?」

赤き竜「ふむ……お主、相当な本好きよな?

我が蔵書を守る司書として転生する気はないか?」


蓮「……転生!?」


赤き竜は、淡々と説明を続けた。


蓮の死因は「本棚の事故死」


赤き竜は現世と異世界の間で魂を拾える立場


条件付きで“異世界”へ転生可能


転生先は「王立大図書館エテルナ文庫」


蓮は司書見習いとして働くことになる


蓮「じゃあ俺、小説家じゃなくて司書になるんですか?」

赤き竜「よいではないか。図書館なら物語は無限にあるぞ」

蓮「いやまぁ、確かにそうですけど……」


赤き竜は意味深な笑みを浮かべる。


赤き竜「それに、お主の《万象読解》の力は……この世界でも珍しい」

蓮「え? 俺そんなスキル持ってませんよ」

赤き竜「持っておる。今から持たせる」


次の瞬間、蓮の視界が一気に開けた。


そこは巨大なアーチ天井、金色のシャンデリア、

どこまでも続く螺旋書架。

蓮は「王立大図書館エテルナ文庫」に転生していた。


蓮「……すごい、本、本、本だらけだ……!」

赤き竜「うむ。我が宝物庫よ。だが問題がある」

蓮「問題?」

赤き竜「我は幽霊ゆえ、本に触れぬ」


蓮「は?」

赤き竜「だから、お主を転生させた」

蓮「動機、そこ!?」


赤き竜は得意げに鼻を鳴らした。


赤き竜「お主、本を読むのは好きじゃろう?」

蓮「……ええ、大好きです」

赤き竜「では頼んだぞ、司書見習いよ」

蓮「……押し付けられた感、すごいんですが!?」


すると、背後から優雅な足音が近づいてきた。


エルザ「おや、新しい司書見習いですか?」

蓮「えっ、あ、はい! 本日よりお世話になります!」

エルザ「では、まず禁書庫の目録整理をお願いするわ」

蓮「き、禁書庫!? いきなりですか!?」

赤き竜「ふふふ、そなたの試練は始まったばかりじゃ」


こうして、蓮の図書館転生ライフが幕を開けた。

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