真夏の空気
サークルの飲み会の帰り道。
湿気を含んだ重たい真夏の空気が、お酒で火照った体にまとわりついて、なかなか酔いは醒めない。
みんながトロンと酔った眼をして、飲み会の空気を引きずってる。
仲良しご近所5人組。
女の子は3人。
男の子は2人。
男の子たちは優しくて女の子を家まで送ってくれる。
最初に目指すのは私の家。
今日は楽しかったと言い合いながら、他愛もない会話でたらたらと歩く。
先頭歩くのはひと月前に付き合い始めた二人。
いつの間にか二人の世界で、寄り添いながら歩く。
私は一番後ろでそれを眺める。微笑ましいと思いながら。羨ましいと思いながら。
2番目を歩くのはもう一人の男の子と、、、
普段は男女ともに仲良く遊べてどちらにも人気な女の子。
ちょっとイタズラで男の子からは「女として見れない!」なんて冗談言われてる。
でも知ってるよ。本当はすごく愛されてる。色んな意味で。
顔だって可愛いし、舌足らずの甘い声。ストリート系のお洋服でまとめててセンスがいい。
大胆で大雑把な行動を見せるから周りはあんまり気づいてないけど、いつもリップやネイルは新色でお手入れはちゃんとしてポイントはしっかり押さえてる。
いつのまにか人の懐に入られて、心を奪われる、誰も彼も。
私はこっそり憧れてる。口にしたことはないけど憧れてる。
そんな彼女と友達であることが嬉しいくらいに憧れてる。
だからダメなの。
そんなに魅力的なあなたがそんな艶っぽい目をしたら、誰だって恋に落ちちゃう。
恋に落ちなくたって、今夜一晩を過ごしたくなっちゃう。
だからやめて。
そんな目で見ないで。隣の彼を見ないで。
そんな手つきで触れないで。彼の腕に触れないで。
その彼は昨日から私の彼なの。
もう少し人物を膨らませて長く書けそうな雰囲気でしたが、時間がかかりそうなのでまずはこれだけ。ある曲を聴いて書きました。