座りっぱなし在宅ワークを10年以上続ける自分、その健康を支えてくれているのは「ニート」である
この一年数ヶ月ほど「外出自粛」や「テレワーク」が推奨されているが、思えば自分はかれこれ10年以上前から仕事のほとんどを家でこなし、しかも仕事中はほとんど座りっぱなしという生活をずっとしている。
いかにも不健康そうな生活だが、直近の、2019年末に行った人間ドックも、全項目A判定……。
いや~~ジム行って運動したり、サプリとか酵素とか、食生活にも気を遣ってるんでしょ?と思われるかもしれないが、そんなことはなくて。
自分がいかにも不健康そうな生活でも健康(だと、自分でも思う)で居られるのは、ある時から始めた「習慣」に要因があると思う。
それを今回はご紹介してみたい。
あくまで、自分の場合はこれが合ってましたということで、ご参考程度にお読みいただければ幸いだ。
ただ、身の回りの医療従事者に意見を聞いても一応、理にはかなっているらしい。
実は以前、もの凄く不健康だった時期があった。
一人暮らしを始め、これまで以上に頑張らなきゃという思いで馬車馬のように楽曲を制作しまくっていた頃、生活リズムも食生活も乱れに乱れまくっていた。
その頃のあだ名は「死神」。
顔色は最悪、頬はこけ、四六時中画面を見ているせいか寝つきも悪く、寝てもスッキリせず、疲れが抜けた気がしない。なんだか肩にずっと重りをかけられている感じで、生きているだけでしんどかった。
すごく老けて見えていただろうし、生気がまるでなかったと思う。
当時はやる気で乗り切っていたが、あの頃の生活を今でも続けていたらと思うと、ゾッとする。
これはさすがにマズいと思い、自分なりにあれこれ考えたり調べたりして、一つの仮説を立ててみた。
電化製品が電気で動くように、人間は血液が循環して動いている。
つまり、「血流」を改善すれば良いのでは?と。
そもそも、人間の体は歩いたり走ったりすることで血液が循環するようにできているので、「座りっぱなしで健康になれ」と言う方が無理がある。つまり、自分は血の巡りがすごく悪くなっているのではないだろうか、と。
そこで、血流を改善しよう!と思い立ち、
・(貧乏なので)お金がかからないこと
・無理なく続けられること
この二つを兼ね備えた習慣を作ろうと考えた。
「これを飲めば元気になる!」みたいな健康食品とかは怪しいし、マシンを買うとかジムに通うとかは続かなそうな気がしたのでパス。まあ、貧乏だし。
そもそも、いくら高価なサプリなどで栄養を沢山摂っても、結局血流が隅々まで循環しなければ意味ないのでは?とも思った。
そして、改めて色々調べた上で見つけたのが、「ニート」という概念だった。
(残念ながら、働かないことではない、あしからず)
NEAT(非運動性活動熱産生、Non-Exercise Activity Thermogenesis)とは
「しっかりとした運動ではなく、立っている姿勢を維持したり家事をしたりという日常生活の動きをする際に発生するエネルギー」のこと
ーー下記のページにもわかりやすく書いてある。“座りっぱなしが死を招く(Sitting is Killing You)!”など、なかなか恐ろしいことも書いてあるーー
Vol.47:“Stay Home”でもできる身体活動 “NEAT” を増やして、代謝アップを図ろう
https://www.heart-center.or.jp/rehabnow/3932/
つまり、ジムなどに通ってバリバリ運動するのではなく、日常における「ちょこまかとした動き」が健康維持に役立つらしい。
(過度な運動はかえって免疫力を下げたりするとも)
明らかに自分には足らないものだし、これなら続けられそうだ。
そこでまずは、今まで疎かにしていた「家事」を、制作の合間にすることにした。
当時は部屋も散らかっていて、いらないものも多かったので思い切って断捨離をし、不用品はヤフオクに出しまくって部屋をスッキリさせた。なかなかのお金にもなった。
スッキリしていると掃除機もかけやすいし、そのスッキリ感を保ちたくなる。
しかも、机の上や部屋がスッキリしたことで制作も捗るようになり、一石二鳥だった。
カップラーメンや惣菜ばかりだった食事も自炊をするようし、徒歩で買い出しに行くとか、立って炊事をするとか、とにかく少しでも立つ、そして動く。
仕事中は椅子にべったりなのは変わらなかったが、万歩計を買って測ってみると、家事をしたりしてちょこちょこ動いていると、なんだかんだで1日2000歩くらいは歩いていることを知った。
意外と歩いてるんだなと感じ、そうなるともう少し欲が出て、「散歩」も追加してみた。
測ってみると10分でおよそ1000歩歩いているので、家の近くをぐるっと一周してみると、時間にして20分、歩数はおよそ+2000歩だ。
つまり、家事+散歩で1日合計4000歩以上歩いたのだが、無理どころかかえって色々捗ったし、なんだか充実した1日を送れた気がした。
その後、家事や散歩の時間を増やしたりして歩数を伸ばしていくことがゲーム感覚で楽しくなり、この習慣を数ヶ月続けるうちに、まず寝つきと睡眠の質が明らかに上がったのだが、思えば学生時代に部活でヘトヘトになった日なんかはぐっすり寝てスッキリ起きていた。
そう思うと、これまでいかに体を動かしていなかったか、と。
顔色なども徐々に改善されていったのを見ると、血流を改善するという仮説は、自分にはどうやら合っていたらしい。
そしてこの習慣は今でも続き、1日平均8000歩程度歩いているのだが、コロナ禍での散歩は感染リスクを考え、夜の人気のない時間を選び、マスク着用で行なっている。ほとんど人ともすれ違わず、すれ違ってもお互いにマスク、感染リスクは皆無に近いはずだ。
ということで、自分の健康を支えてくれているのは「ニート」、具体的には家事と散歩だ。
なんだ、そんなの当たり前じゃん......と思われるかもしれないし、人によっては逆に一日中体を動かして働いている方も沢山おられると思う。
しかし、仕事中のほとんどを椅子で過ごす自分にとって、「ニート」は不可欠なものなのだ。
もう、死神にはなりたくない。
そして、体は使わなければびっくりするくらい、どんどん劣えてしまう。年配の方からいただいた今年の年賀状に、外出自粛で出歩かなくなったら足腰が一気に衰えたと書いてあり、とても心配している。
世間の運動不足を問題視しているのか、保険会社も「歩数に応じてキャッシュバック」する制度なども打ち出してきている。
東京海上日動「あるく保険」
https://www.tmn-anshin.co.jp/kojin/goods_medical/walk/
もしコロナ禍で在宅時間や椅子に座る時間が増えたり、それによってなんだか体の調子が悪いなと感じてきたら、高額な健康食品やジム通いなどの前にまずは、ちょこまかと体を動かす機会を増やしてみるのはいかがだろうか。