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クズの完全変態  作者: 佐々本悟
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新入して5月でこれってまじですか

 高校1年、5月の放課後。

 こういう時、黄昏れるなら屋上と相場が決まっているが、そんな身投げ御用達区域なんて今時どこも開いてないので、うちのボロボロで、シミだらけな5階建て校舎の中でもとびきり老朽化の進んだ、最上階の西側トイレに俺はよく入り浸る。

 そこには個室と個室内の大便器と個室外の男子用の小便器が1つずつしか設置されておらず、素材はよくわからないがとにかく金属感凄まじいメタリックシルバーで縦幅80センチメートル横幅130センチメートルの換気用の窓が一つあるだけのもの寂しい空間。屋上を施錠するのなら、同様の理由でこの窓にも板を打ちつけた方が良いのではないかと思うのだが、俺にその気はないし、俺以外の学生がここを使うのも見たことがない。

 また、このトイレ、手洗い場が存在しておらず、ここを利用して手を洗おうと思ったら、4階の東側、1年の教室前まで行かなければならない。

 一度、窓の大きさと一緒にそこに至るまでの時間をはかったことがあったが凡そ3分、少々遠いが、手に汚物がついたりしなければ特に気にもならない距離である。

 そんなこんなで、俺はいわゆるボッチで、毎日放課後にはこうして、ここに足繁く通っているという話である。

 なので、雲ひとつない空を力強く羽ばたくカラスの群れを見て、なんとなく、

「俺も変わりたい」

 そう思ったのは極々自然なことなのである。

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