決意
あれから二年、日本は深い混沌に突き落とされていた。今思い返せば一瞬の地震、しかしその爪痕は想像以上に大きかった。津波により沿岸部は壊滅状態、関東の港という港は破壊されつくされた。余震の恐怖におびえた人々は疑心暗鬼になり、街は暴動にあふれ、無法の限りを尽くされた。どの人種がやったとは言わないが、移民を受け入れたのは大失敗だったと思う。さらに問題だったのは日本国民の無関心さだろう。東京から離れた西、北の国民の意識はどこか他人事であり、日本全体でこの被害に応じようとする気配がなかった。
東京に集中しすぎていた官公庁の機能もストップし、円滑な措置、支援が行われず日本はいまだ未曽有の自然災害から立ち直れないでいた。いや、これは人災なのかもしれない。問題を野放しにしていた日本国、移民受け入れにより多様化してしまった日本、危機意識の足りない国民、いつの間にか獲得してしまった当事者意識に欠ける国民性。これらが合わさり今回の災害はこんなにも大ごとになってしまったのではないか。
国際社会における日本の立場も失墜してしまった。「復興支援」という名目で外国人が闊歩している。産業もそうである。今まで持ちこたえてきた分野もこの二年で韓国、中国の後塵を拝す事態になってしまった。かつて日本は敗戦を乗り越え、経済大国になりあがったと習ったが、今回はそう行くのだろうか。
明日が今日よりいい日になるとひたすらに信じ込み、がむしゃらに働き世界一になったあの国民性はもはや失われている。アメリカに飼いならされ、移民を受け入れ、格差を生み、社会に失望してしまった日本人にはあの時のような情熱はないだろう。ぼく以外には。
ぼくは何としても取り戻す。教科書で習ったあの希望に満ち溢れていた日本を。どんな手を使っても。