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序章

はじめまして。suke-kiyoです。

なろうに投稿するのは初めてになります。

いろいろと慣れない部分もあり、不備等あるかもしれませんがよろしくお願いします。

 落下感を感じはっと目を覚ます。目を開けて入ってきたのは、黒板いっぱいに投影された文字列であった。

 あごひげをたくわえた初老の教授がゴホンと咳ばらいをする。まるでマンガのワンシーンのよう。ぼくは思った。居眠りをしている間に授業はかなり進んでいたらしい。

「君、ずいぶん気持ちよさそうだったが、ついてこれてるのかね。三種の神器はわかるか」

 居眠りをされたからだろうか、教授はぼくを指し、質問をした。

「三種の神器ですか。八咫鏡、八尺瓊勾玉、草薙剣です」ぼくはよどみなく答えた。

「よろしい、ではそれらがどこに祀られているかは知っているかね」

 厄介な教授にロックオンされたな、そう居眠りを後悔しながらもぼくは答える。

「八咫鏡は伊勢神宮、八尺瓊勾玉は宮中、草薙剣は熱田神宮です」

 天皇即位が『たまたま』数年前に行われたため覚えていたのだ。答えることができた。


 天皇即位、先の大戦が終わってから何度目の『即位』になるのだろうか。最近はその回数が多くなっている。別に天皇陛下の公務が激務で長生きできないわけではない。三つ前の天皇だって、今もぴんぴんご存命である。ではなぜ交代が早くなったのか。それは天皇の交代が政治的に行われるようになってしまったからだ。

 女系天皇の存在が認められ、数十年。皇室関係は荒れに荒れた。右の団体からの批判、複雑怪奇な継承問題、最大の原因は、「天皇の娘と結婚出来れば、天皇になれる可能性がある」ことだった。

恥知らずで欲深い人間が何をしたか、想像に難くない。以前も女系皇帝の問題で滅んでしまった国があったというのに。


 その回答を聞いて教授、「よろしい」とひげをさすりながら、ぼくから目線を外す。そしていつものように、まるで権威主義者のようにつづけた。

「だが、この三種の神器の中で、草薙剣は消失されたと言われている。壇ノ浦の戦いで海の底に沈んだのだ」


 平家一門没落の地、関門海峡、幼くして入水した安徳天皇

 そう、草薙剣は今も海の底に沈んでいるのだ。

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