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第一章 4話 『俺の能力が異世界門と世界時計だったなんて』

**********


壊れた、元は2枚のドアであった木の破片が広がる部屋。

破片と言えどその装飾は、歴史的または美術的に見ても美しく。元有る形であったならば、王族などの身分が有る人物で無ければ所有出来ないのが無知な者が見てもすぐに分かる。

そんな、今はゴミ同然になってしまった破片を眺める二人の少女は、


「「ハァー」」


とため息をつき、うなだれながら掃除を始めた。


「ユア、さっきはまたキレてたネ(笑)すぐスイッチが入るの良くないネ(笑)」


最初に言葉を発したのは、くすんだ銀色というか灰色の肌に無数の黒いタトゥーの様な模様が入っている少女。

目立つのは、腰の辺りから生えた小さな蝙蝠の様な羽と、額の左右から後ろに向かって生えている角だ。

誰に聞いても魔族と答えるだろう。

身に付けているのは現世で言うチャイナドレスの様な白い服で、しゃべり方も何処と無く、アニメで良く見るチャイナ娘っぽい。

見た目は14,15くらいだろうか。


「ご、ご、ご、ごめんなさい。ユイがいきなりドアを壊したり、ヒューマンさんを殴って、、感情的になってしまいました…」


ユアと呼ばれた少女は、先程とは打って変わってペコペコしながら破片を拾うのを中断した。

その見た目は、先程暴れて牢屋に入っているユイにそっくりだ。

しかし見るからにはっきり分かる違いが有る。

その肌は透き通る様な白さをしており、正にエルフと言われる存在だ。

服装もユイと同じ白を基調とした神官服の上着に少し短めなスカートと白のブーツ。

肌の色が同じならば誰にも見分けが付かないだろう。


「レヴィさんにも掃除を手伝わせてしまって、本当にごめんなさい。」


ユアは深々と頭を下げながらレヴィに謝るとアタフタと掃除を再開した。


謝るユアに少しからかい過ぎたかなと反省したレヴィは。


「ユアが謝る事ないネ。悪いのは全部ユアのバカ姉ネ。後で地下牢に行ってバカ姉説教すればいいヨ。ヒューマンの様子もついでに一緒に見に行くヨ。」


と、普段はふざけた事ばかり言い、三行以上言葉を発さないレヴィが取り繕う様に対し。ユアは満面の笑みを取り戻し答えた。


「ハイ!ヒューマンさんのお手当てもするので一緒にいきましょう!」


そう言いながらユアは、ルンルンしながら掃除を再開した。


ユアの落ち込みが改善されたのを見たレヴィも、ニッコリ笑みを浮かべ、中断していた掃除を再開する。


「あとは箒で掃くだけですね。」


ユアが箒でささっと片付け、綺麗になった石畳を二人で眺めながら。


「それじゃあ地下に」


「行きますか。」


と、楽しそうに二人並んで部屋から出ていった。


**********


何もない真っ白な空間。

地平線も空すらも無く、地面の存在も感じられない何も無い空間。

一人の老婆がひざまずきながら祈りを捧げていた。

キラキラと光の粒子を帯びたその姿は、老婆が只の老婆では無い事を物語っている。

しかし、そんな老婆が足元にも及ばぬ程の存在、嫌、エネルギーが、何も見えない空間に満ちていた。

空間は老婆に問いかける。


【それで鍵を抜き忘れて能力取られたんだ】


空間はやる気の無さそうにそう答えると。


【クロノス!ちょっと来いよ!今すぐ!】


言い終わる前には小さな光のヒトガタがすでに、老婆の右にひざまづいていた。


【で、どうだった?】


空間はクロノスにそう問いかけると。


「はい。あの者、レバーに触れた瞬間に少しだけハツの能力を受け継いで仕舞いました。ゲートホールの中で見つけたので力を剥がして時間軸を修正しようとしたのですが…」


光の穴で取っていたひょうきんな態度とは、打って変わったクロノスは、ヤスシを見つけ能力取りを戻し、時間を戻して修正しようとしていた。

事実、出来ると確信して独断で動き失敗した。


【どうせ僕が、君からハツに渡した時間の力を少しでも取り戻そうとしただけだろ。まぁ当たり前の行動だから良いけどね。】


クロノスは事実、自身の力に制限が有った。

以前犯した罪のせいで、自身より下級の神に加護として力を譲渡していた。

それが譲渡先から少しでも離れ、宙ぶらりんの状態て漂っていたら、回収するのは義務である。

悪用されれば罪はまた増え大変な事になるからだ。


【世界の理を外れた者か…で、渡った能力だけど。異世界門(ゲート)世界時計(ワールドクロック)だけだね。でも大変な事になったよ。僕が今から説明する事を良く聞いて。】


空間はそう言うと。ヤスシの能力とそれに対する影響、今後どうして行かないといけないかを説明した。


それはヤスシには勿論、ハツにとっても残酷な内容だった。







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