男女遭遇【10】
みみ氏!!!
「怪人!」
それが、闇姫の感想だった。
二度目の遭遇で、ゆっくり話せた。
初遭遇の時は、混み合い話せなかった。
ほとんど、会話できなかった。
自己紹介も、ろくにしていなかった。
名前を名乗る男。
逆から呼び捨てで良きです、と、いつもの台詞。
その男に対する最初の印象が、『怪人!』。
それを、そのまま口に出す闇姫。
そして、相手の反応を見極める。
正しい男である事を、主張し述べる男。
たんなる正しい男であり、あくまで正しい男。
女は、色々と聞きながら確認していく。
素敵な笑顔だが、眼は、正直だ。
怪しい人物に対する、警戒の眼差し。
心の窓である眼。
彼女の眼は、鋭く射抜く瞳で心を読み取る。
その瞳に見つめられ、照れて嬉しそうに喜ぶ男。
満面の笑みを浮かべている、怪しまれている男。
どちらもお互いに笑顔を向けあっていた。
自己紹介を聞かれ素直に答える男。
塾講師と、別の仕事を掛け持ちしている現況。
立命館大学経済学部経済学科の卒業生。
一昨年までエムケイタクシードライバー。
十年十ヶ月の、社歴と運転歴。
御殿会議城の縁は、刻を刻む美少女との御縁。
色々な事を会話した。
怪しいところは、無い。
怪人だから、無い訳は、無いはず、なのだが?
闇姫は、邪眼を閃かせ追求していく。
だが、無い。
怪しい人物では、無い、のか?
(変だ?)(おかしい?)(どこが?)
334歳の美少女が、笑顔のまま困惑する。
怪人、と思ったのは、間違いだったのか?
しかし、そう言った時の反応を思い出す。
彼奴は、笑みを浮かべた。
肯定の笑みを浮かべた、はずだった。
怪人である事を否定する事もなく笑っていた。
ならば、怪人であるはず。
しかし、人物として怪しいところは、無い。
ということは、つまり?
みみ氏の脳細胞が、活性化する。
そして、答えにたどり着く。
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男女遭遇【11】に続く
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令和六月十日【2】
目と目で、惹かれ合う。
確信。
間違いなく知っている少女。
覚えている。
その特徴的な目。
挑むように真っ直ぐ凝視める瞳。
真っ直ぐ歩いてくる少女。
近づいてくる目。
その間、じっと見つめあう。
声をかけて、それに反応した声で確定した。
「覚えててくれたんですか」
懐かしい久しぶりの少女。
黒髪は、紫がかった黒になっていた。
身長も伸びている気がした。
それを言うと、お洒落な靴を見せる少女。
歩きにくそうな身長を高くする靴だった。
懐かしみ。
「懐かしい、嬉しいよ、また逢えて」
素直な感想を述べた。
懐かしさを懐かしみ嬉しがる男女。
想い出が、蘇る。
「ウテナさんの事、好きだったでしょ」
「好き、と言うより、ただ愛する存在」
悪魔メイド長を知っている美少女の元メイド。
「小説も読みましたよ」
『人類滅亡!悪魔に恋を!』の事だ。
「アリガタキ」
元メイドに対して感謝を伝える。
「お絵描きもしましたよ」
「お絵描きの指名したのは、もなか画伯だけ」
「本当に?」
「本当!」
お絵描ケーキで、指名したのは、彼女だけ。
他の絵は、全て、巡り合わせで描いてもらった。
悪魔のお屋敷は、すでにこの世から消え去った。
未来永劫、もう誰も指名できない。
そこで、お絵描き指名されたのは、彼女だけ。
悪魔のお屋敷には、鬼界が、存在した。
そこで、ジンガイ達とお話しした。
悪魔や吸血鬼や猫姫や妖精などと戯れた。
お屋敷のメイド長が、悪魔。
彼女から、そこで二つの願いを聞きだした。
一つは、悪魔としての願いで、それは、叶った。
もう一つの願いは、少女としての願い。
それは、まだ、これからだ。
革命により、その願いは、叶えられる。
悪魔メイド長に目をかけられた事のある美少女。
悪魔から愛されていた元メイド。
悪魔に人の魂を捧げた男と再会した乙女。
安らかに眠らせる?
人類滅亡は、確信であり確定事項。
人間機械類を生み出した人間哺乳類は、滅亡する。
それは、必然の流れ。
万物の霊長が、人間。
人間とは、万物の中で最も優れているモノ。
我ラは、理知的精神生命体で人外。
自己を支配し、人工知能を支配する存在。
そして、周りを共に支配する仲間達。
我ラは、日本国の主でR。
我ラが、全宇宙の主でR。
あとがき
立命館大学卒業生は、ほとんど校友会に入る。
立命館大学校友会は、2019年に百周年記念。
R革命。
『地球市民』という思想が、ある。
地球市民は、帰属を国家だけに求めない。
より広い概念に求める世界市民が、地球市民。
宇宙の中に銀河系が、ある。
その中にある太陽系第三惑星が、地球。
宇宙から見れば、灰塵に等しい小さな星。
そこに生息する怪人。
たんなる正しい男。
あくまで正しい男。
ゆいいつ正しい男。
『王の王』2017/02/25『悪魔のメイド長』より。
『最高賢者』2019/03/25『革命開始』証明開始。
06/13、夢幻屋敷。
たねメイドとzenomnメイドの赤髪コンビ。
先輩後輩の間柄。
その後輩である新メイドに聞いてみる。
「たねさん、滅びゆく人類に一言」
少し考えてから、フラワー妖精が、応える。
「いい地球でしたか?」




