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纏わせる纏わせると考えてみたものの結局お風呂に入る感じ?いやプールで潜ってみた感じかなぁとか水の中ってしか考え付かなかったのでそれでいいかと一人頷いた。
ちらりとウキウキワクワクなフルーさんの計画表に『サイラスの部屋を隅々まで調べる!』とか物騒な文章が書かれてるのは見間違えだと思いたい。プライバシーは保護してほしい。
「スイ様っ見てみたい事ありますか?私面白くなってきましたわっ!絶対サイラスに見つからない気がしてきましたのっ!いいえ、今日こそはやれますわ!!」
「え、いやぁ……そうです、ね。ええっと…………」
「さあさあ、今日の私は何でも出来ますわ!大船に乗ったつもりで行きましょう!なんならサイラスの実家に行きましょう!あら、その方が面白そうな気もしますわ………どうしましょう?」
今日こそはって事は既に実行した事有るって事だよねと思ったが、なんだかやる気に満ちすぎてサイラスさんの実家に行くなんて言い出したのでちょっとどうしようかと私は軽く混乱してきた。いや待て待て、このまま行くとサイラスさんの実家とかに転移で行く感じだしそれはなんか気まず過ぎるでしょうっ!別の事を提案しないと!!
「あ、あの、それならその~サイラスさんの執務室が見てみたいなぁ…………なんて、駄目ですか?」
「サイラスの執務室なんかでいいなんて、スイ様は謙虚が過ぎますわ。サイラスの執務室の場所はご存知ですか?」
「はい、実際は見たことないですけど私の執務室と同じ階にあるんですよね?」
「そうですわ、スイ様の執務室の横にありますの。でも必要最低限の物しか無くてびっくりすると思いますわ、以前にあんまりにも飾り気もなくて私がこっそりキノコ型のランプを飾ってみたら、直ぐ様窓から投げ捨てたんですのよ!あの絶望感に溢れるかのような表情がチープで気持ち悪くて、でもなんだか絶妙に可愛いかもしれない面白いランプでしたのよ?光が灯ると一段とシュールでしたわ。一押しのランプでしたのにっ!!それをサイラスときたらっっサイラスときたらぁぁぁっっ」
思い出したらムカついてきましたわっと憤怒な顔をしていらっしゃる。でも、きっと私でも欲しくはないだろうランプにサイラスさんに少し同情した。絶望してる顔のキノコ型ランプなんて怖くて部屋に置きたくないもん。
フルーさんの執務室にある置物って結構可愛い物ばかりだから、面白半分で置いたんではないかなぁなんて思う。…………私の執務室にもいつか、しれっと変な置物置かれたりして。いや、まさか、ね?
「本当にムカつきますわね、また変で面白いもの探して置いてやります!!ではスイ様、私の魔力を纏わせましょう!そしてサイラスの執務室にイタズラを!!」
変で面白いとかイタズラとか言っちゃってますフルーさん。心の中で私の執務室には普通にファンシーなやつを下さいとお願いしながら、フルーさんに魔力を纏わせてもらいましょう。
フルーさんが私に向かって手をかざしたと思ったら、次の瞬間には何かが自分を覆っている感覚があった。なんと言うか、私が思ったようなプールに潜った時のような感じがして思わず息を止めた。
「あら、ふふっスイ様、息は止めなくても大丈夫ですわ。それに上手く纏わせておられますから、これなら直ぐに無意識にでも出来るようになりますね」
「え、あ、苦しく……ない。ついその~、水の中に入った感じでイメージしてて条件反射と言うか、あはは」
「水の中、と言うのはいいイメージですわ。そのままスイ様が止めようとしなければ魔力の続く限り続けられますの」
「あ、出来てるなら良かったです。魔力を使うのは、全部イメージが全てなんですか?」
魔力については、殆どイメージがみたいな感じできてるよなぁと思い出して、それにフルーさん専門家だもの聞いてみた。呪文とか覚えないといけないだったら私は無理な気がするしね。
「んー、イメージが全てと言っても過言ではありませんわね。妖精族などは自然界から力を借りるので言の葉や陣を書く必要も、学ぶ必要も有るのですわ。他者から力を借りるのですから、そこに見合った対価が要るのです。その点、私達リバルデールの民は己の身に宿る魔力を使うのです、その手間は必要ありませんの。その代わり、イメージを確かなものにしなければいけませんけれど。まあ、慣れてしまえばそれだって無いも同然ですわ!」
「なるほど。それじゃあ、これから数をこなして早く慣れないとですよね」
「ええ!私も手が空いている時にはお手伝い致しますっそれで色々な街にお連れしますわ。二人で食べ歩きをしたり、買い物致しましょう!」
食べ歩きだなんて魅惑の響きだなぁ。街に連れて行ってもらえるのも、ワクワクしてくる。
この世界の事も大陸の事も魔力の事も勉強頑張ろうとオススメの場所のリサーチをしておきますわねと笑顔のフルーさんに私もしっかり笑顔を返した。




