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窓星の歌
窓の外に星がひとつ
手を伸ばしても届きはしない
どうか私を見ないでください
私はまだ何も持っていない
窓の外に星二つ
眺めても手を伸ばさない
どうか私を照らしてください
白き泉に華は咲くでしょうから
窓の外に星三つ
白き泉に咲く華は星を見もしない
どうか私を買ってください
実をつけぬ華を貴方の飾りに
窓の外に星はなし
華は夜、貴方の上で咲き誇る
貴方の華になりましょう
実をつけない私のたった一つの役割なのだから
貴方の華になりましょう
貴方に飾られる事しか私にはできないのですから
貴方の為に歌いましょう
喘ぎも囁きも貴方の望むがままに
貴方の望むがままになりましょう
飾り物の華に意志などないのだから
だからお願いします
私を飾ってください
窓星の元に私を晒さないでください
私は貴方だけの華
貴方しか見ない私に窓星の輝きは眩しすぎるから
詩のジャンルで投稿している『華姫挿歌』より。
小説使用部分だけでは文字数が足りなかったので、後半即興で作って投稿しているからみんな知らないだろうという訳で投稿。