最終話「全てを終わらせるために」
『魔王を倒した先には・・・』も、これにて完結ッス。
勇者は自分が勇者となった城に忍び込んでいた。
衛兵になるべく見つからないように移動し、見つかった場合も速やかに口を封じた。
そして、王がいる部屋に入って行った。
「反逆者よ、わしを殺してどうするつもりだ。」
「どうもこうも、お前が殺し屋なんて送るせいで俺の命が危ないんだ、その元を絶つのは当たり前だろ。」
「わしが死ねばこの国は混乱に陥るぞ。」
「そんなの知ったことじゃねえよ。」
勇者が王に首を切ろうと近づいたところで、衛兵がやってきた。
「遅いぞ、おぬしr・・・。」
言葉を言い切る前に、勇者は王の首を切り裂き黙らせる。
「さて、俺を殺すと言う奴は返り討ちにしてやる。」
衛兵の半数は逃げ出し、半数は勇者に立ち向かっていった。
姫は王がいる部屋に向かっていた。
何か嫌な胸騒ぎがし、周りがあわてている雰囲気だったので部屋を飛び出し向かっていった。
そして見たのは地獄絵図であった。
そこで立っていたのは、かつて自分を助けてくれた存在であった。
「勇者様、何をなされているのですか。」
何度も吐きそうになり、気を失いそうになりながら姫は必死に尋ねた。
「俺を殺そうとする奴を始末してただけだ。」
ただ、淡々と勇者は答えた。
「そんなことをして、他にあなたを殺そうとする人が出てきたらどうするんですか。」
「そいつらも殺すだけだ。」
「殺されそうになったら殺して、それを繰り返して・・・そんな生き方悲しすぎます。」
姫は涙を流し、勇者は少しいらだちを見せる。
「なら、黙って殺されろというのか。ただ利用されるのを拒否しただけで。そんなの嫌だね。」
「そうは言いませんが、他のやり方があったはずです。勇者様は少し疲れていただけですよ。」
勇者は、短剣を手に取り姫に近づいて行った。
「疲れていた?他のやり方があった?それが本当だったら俺はこんな道を歩いていない。俺を否定するならお前も敵だ。」
勇者が姫を刺そうとしたとき、死んだふりをしていた衛兵が勇者を切っていた。
「姫様、大丈夫でしたか。」
「私は大丈夫ですが、勇者様にお父様は。」
「王は反逆者である勇者の手によって殺されました。勇者はもうこうするしかなかったのです。」
姫は絶望した顔をして気絶し、英雄となった衛兵は姫をそのまま寝室へと送った。
そして、王が居なくなったこの国がどうなったかは定かではない。