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○某日 某所にて とある二人の会話
「大崎さん聞きました? 久間地区のチカに人が入り込んだらしいですよ」
「なに? 一体どうやって……」
「フェンスの下に穴を掘って入ったらしいです。それでハコのケーブルが二本、切られ
てたって。名前は……誰だっけかな? すいません、忘れました。でもまだ中学生って話
です」
「中学生……。それで、その後どうなったんだ?」
「ハコのナカミは無事だから、ケーブルを復旧すれば二人共復元できるらしいです。そ
れよりも、記憶の改竄のほうが面倒でしょうね。前後の辻褄調整とか、関係者の関連記憶
削除とか」
「やれやれ、なんで忍び込んだりなんかしたのか。子供の好奇心ってやつは厄介なもの
だ。それにしても、そんなに簡単に入られるとは……。管理の方は一体どうなってるん
だ?」
「なんでも、担当が週一の定期巡回をしていなくって、発見が遅れたらしいですよ。し
かも事が発覚した理由っていうが、ケーブル切断で記憶欠損が生じた侵入者が、自ら交番
へ報告へ来たかららしいです。“気づいたら見知らぬ部屋にいました”ってな要領で。こ
んな事ってあるんですかね?」
「大いにありえる話だ。確か過去にも、似たような事例があったはず。それよりも……
久間は確か、瀬山さんの担当だったな。あそこのチカは林の中にあるから、誰も入らない
と油断したんだろうか……。定期巡回を怠るなと、上からも口酸っぱく言われてるのに、
それを怠るなんて。これに限っては、どんな処分が下されても、文句は言えんだろうな――」




