いいないいな白い結婚ていいな
ほのぼのです!
よろしくお願いします!(´∀`*)
「君とは白い結婚にしようと思う」
婚約者同士のお茶会でのたまった第二王子に、侍従たちは無言のまま驚きました。
「まあ…」
おっとりと頬に手を当てる婚約者のご令嬢。
ご令嬢のお家からもお付きのものが来ております。
テーブルに着くのが二人だけでもこの場には大勢がいるのです。
彼らが赤くなったり青くなったりしている中、ご令嬢はおっしゃいました。
「私も白い結婚を望みますわ」
!?
周囲は再び驚きます。
二人は婚約以前から仲が良く、いまでもほのぼの微笑みあっているというのに——…!?
「アデリーン様が結婚式でお召しだったドレス、とても素敵でしたの。
マリリア様のドレスも素敵でしたが…
やはり我が国伝統の白い結婚がよろしいかと」
「たしかに。
マリリア様の赤いドレスも美しかったが…
君には白が似合うよ」
「まあ♡」
一同力が抜けました。
なんと彼らの言う白い結婚とは、ドレスのことだったのです!
マリリア様は赤い染料を特産とする領地の娘です。
結婚式には白いドレスというのは定番ですが、厳密なものではなく、様々な色の伝統衣装を着る方も多いのです。
たまたま聞き齧った「白い結婚」という言葉を、近頃出席した結婚式のドレスに結びつけ、背伸びしてそんな事を言ったのでしょう。
なにしろ二人はまだ六歳。
にこにこ微笑む二人に、一同もほっこりです。
しかし白い結婚とはそう言う意味ではないですよーとお教えするにも、真実を伝えるにはどう言えば…なんやかんやはまだ早い…好き好き同士では違くなるとお伝えしては?
などとお付きの皆が矢羽根で相談していると——……
「アデリーン様仰ってましたもの。
あのボケ白い結婚だとかいうからあいつのタマ潰してやったわハーーッハッハーー!!て」
!!!!????
一同再度びっくり。
「タマ…?何かのボールかな?ボケとは…?
アデリーン義姉さまは難しい言葉を使うね」
「さすが妃殿下ですわ。女狐ぶっつぶしたったとも仰ってました」
「狩猟がお好きなのだね」
しかし白い結婚にそんなに笑うほど喜ばれていたとはよかったよかったとほほえみあう幼き婚約者たち。
周囲はそれどころではありません。
アデリーン様は王太子妃殿下です。
そのアデリーン様が潰したタマとはつまり王太子殿下の
——…
『メイドに執心して婚約破棄するだ何だ騒いでおられたが納得させたのではなかったのか!?』
『初夜のシーツに残っていた血!あれはまさか!』
『殿下の殿下はご無事なのか!!?』
何人かが慌てて退出していきます。
他の者たちも心ここに在らずです。
そうともしらず婚約者の二人はほのぼの話を続けます。
「そういえばマリリア様の真っ赤なドレスは伝統的なアカーイの実で染めたものではないようだよ」
「あら」
「マリリア様がおじ上に、『メリッサで染めたドレスですのよ。次はあなた』と仰っていた。
あたらしい染料かな」
「あら素敵。ご夫君にもお揃いで仕立てますのね」
再び侍従たちに動揺が。
マリリア様は王弟妃です。
夫の王弟殿下は現国王である兄君とは歳が離れ、王太子殿下と同年代。
第二王子は幼いため、いま王太子殿下に何かあれば、その座につくこともある方です。
『メリッサといえば王弟殿下がかこっていた平民の!』
『婚約破棄するだ何だと騒いでおられたが納得させたのではなかったのか!?』
『蜜月だとマリリア様の別邸に篭っておられるがご存命なのか!?』
ふたたび何人かがあわててとびだしました。
「それでね、兄上とおじ上が素敵な女性と結婚させてくれたお礼にと、父上のいつものお茶に、健康にいい茶葉をまぜてプレゼントしたそうだ。秘密でね」
「まあ。隠れた親孝行ですのね。奥ゆかしい。
何と言う茶葉ですの?」
「ドキドーキの葉といったかな」
アウトーーーーー!!!!
ドキドーキの葉は確かに薬効があり、精力剤として用いられることもありますが、国王陛下のようなある種の持病のある方には心疾患をおこすおそれがあるものです。
王太子殿下と王弟殿下、お二人の婚姻は王命によるもの。
素敵な結婚をさせてくれたお礼とはつまり……
ついに残っていた者たちも退出し、部屋には護衛と二人だけになりました。
おだやかな静寂。
幼い婚約者たちはほのぼの見つめあい、仲睦まじく微笑みます。
いずれ玉座は、彼らのものとなるでしょう。
♡おしまい♡
ありがとうございました!(´∀`*)




