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魔王様のハーレムダンジョン ~俺は、ハーレム王になるっ~  作者: Red/春日玲音


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癒しを求めて その5

「くすん……ぐすっ……。」

泣きじゃくるサラ。

身体に巻き付けたシーツの下は何も身に着けていない。


「えっと、確認するけど、おにいちゃんは手を出してないんだよね?」

「あぁ。」

カズトもサラも半裸である。しかも場所はベッドの上。

これで、手を出していない、と言っても説得力はないのだが、そこは安定のカズトであり、信用度は高かった……カズト的には不本意だろうが。


「この状況で、手を出さないって、おにぃちゃん、ヘタレ?」

折角気を聞かせて二人っきりにしてあげたのに……と、ルミナスはぶつぶつ文句を言う。

「いや、そういうけどなぁ。」

カズトは昨夜の事を思い浮かべる。



薄く灯ったランプの下、ルミナスの気配が遠のき、部屋には二人きりの静けさが落ちた。

互いの息遣いが近づいた、その瞬間だった。


サラの肩が震え、堪えていたものが溢れるように、ぽろりと涙がこぼれた。


「……ごめんなさい……」

サラは喉を震わせ、絞り出すように続けた。

「この身は、神に捧げた身です。どんなに想われても……その一線だけは、どうしても越えられません」

涙を浮かべたまま、必死に視線を向ける。

「でも……それ以外のことなら、何でもします。どうか……どうか、それだけは許してください……」

絞り出すような声で、彼女は自分の誓いを語る。神に捧げた身であること、その一線だけは越えられないこと。代わりにできることなら何でもすると、涙に濡れた瞳で懇願した。


必死に気丈さを保とうとする仕草が、かえって彼女の弱さを際立たせる。サラは精一杯、相手を思いやる行為に身を委ねようとする。手を使い、こわごわに口を近づけ……精一杯の行為は感じる……しかし、その様子は奉仕というよりも、作業に近かった。無理をしていることは明らかで、カズトの胸に重くのしかかる。

やがて、彼の中で熱は静かに引いていった。


「今日は、もういい」

そう言って、彼はサラの手をそっと止める。

サラは驚いたように顔を上げ、次いで、安堵と戸惑いが混じった表情を浮かべる。カズトは彼女を抱き寄せ、ただ隣に横になった。



「無理やりなんてできないだろ。」

「ぐすっ……ごめんなさい……ぐすっ、ぐすっ……」

カズトの言葉に、サラが一層泣きじゃくる。

「あー、よしよし、サラ姉、大丈夫だから泣かないで。……えっと、リラお姉ちゃん、サラ姉を……。」

泣きじゃくるサラを持て余したルミナスは、リラを呼ぶとその身を預ける。


「でもさ、おにぃちゃん、アリーナおねえちゃんには、無理やり酷いことしたんだよね?」

「あ、アレは、恥辱を与える必要があってだなぁ……それに最後まではしてないし……って俺は子供になんて話してんだよぉっ!」

どんどんと壁に頭を打ちつけるカズト。

「くすくす。じゃぁ、ダンジョンに攻めてきた女冒険者がいたとして、罠にかかって身動きが出来なかったとします。何をしても相手は抵抗できません、おにぃちゃんはそうする?」

「そりゃあ、裸にひん剥いて犯すだろ?普通は。」

「無理やりヤるの?」

「無理やりヤる。」

「いやぁぁぁ、やめてぇぇぇ……と言ってるのに?」

「あぁ、その声が興奮するな。」

「じゃぁ、サラ姉も無理やり犯せばよかったじゃん?ここではおにぃちゃんが法なんだから、だれも文句は言わないよ?」

「うーん、そうなんだけどなぁ……なんか違うんだなぁ。」

「ふーん……ひょっとして、サラ姉に惚れちゃった?」

「それはない。」

「即答なんだ……意外。」

「だよなぁ……俺も意外……ってそうか。」

「ん?おにぃちゃん、なにかわかったの?」

「あぁ。……俺は思ってた以上にルミナスの事が大事なんだってことに気づいたよ。」

「ええっ!」

突然の事にルミナスが、顔を真っ赤にし、ぶるぶると頭を振る。

「お、おにいちゃんっ、なに言っちゃってるのよ、もぅ……冗談ばっかりっ!」

「冗談かどうかは、ルミナスならわかるだろ?」

「うぅ……分かるけどぉ……。おにぃちゃん、そういうところだよっ!」

なぜかぷんぷんと膨れるルミナス。


「ま、それでだな、サラはルミナスの大事な家族。だから酷いことは出来ない。故に、無理やり犯るなんて選択肢はないってことだ。状況がどうあれ、サラが無理やり犯されたって聞いたら、ルミナスは嫌な気分になるだろ?ルミナスが嫌な思いをするのは、俺が嫌だってことだ。」

「うーん、おにいちゃん、私のこと好きすぎじゃない?お姉ちゃんたちが焼くよ?」

「大丈夫だ、ルミナスと同じぐらい、アイツらの事も好きだからな。」

(……シーラについては微妙だけどな)

決して嫌ってるわけじゃないが、どうしてもシーラが押し掛けてきたというイメージがあるため、やや引き気味なのは否めない。

「もぅっ、そんなこと言ってたら、シーラおねえちゃんが泣くよ?」

カズトの考えを読んで、ルミナスはくすくすと笑いながら言う。


「でも、私、まだおにいちゃんと出来ない身体だよ?それでもいいの?」

「ていっても、あと一年かそこらだろ?それぐらい待つさ。」

「おにぃちゃん……ヘタレの癖に口だけは達者だから……。」

「ぐうっ……反論できない……。」

「まぁまぁ。私の初めては……おにいちゃんのモノ……だからね。」

そういって、チュッと口づけをしてくるルミナス。

「いーやっ!初めてだけじゃなく、ルミナスの全部が俺のもんだっ!くぅっ。呪術が使えるなら、俺以外とはエッチが出来ない呪いをかけてやるのにぃっ!」

気恥ずかしさを誤魔化すように、そんなことを言うカズト。

「くすくす。おにいちゃんの愛が重いよぉ。そんなこと言うなら。私はおにいちゃんが、私以外とエッチが出来ない呪いをかけちゃうよ?」

「いや、それは困る。」

急にまじめなトーンで返すカズトに、ルミナスは、もうダメ、というように大笑いするのだった。



「はぁ……こんなに笑ったの初めて。おにぃちゃん、せ・き・に・ん・取ってね♪」

「何の責任だよっ!」

「くすくす。で、どうするの?もう聖女様とかはいいの?」

ルミナスが、笑いをこらえながら尋ねてくる。

「諦めたわけじゃないが、まぁ、縁があればそのうち見つかるだろ。それよりだ、俺は冒険者になるっ!」

「はぁ……。」

また、なにを言い出すんだコイツ?みたいな視線を向けてくるルミナス。


「いや、だってなぁ。ぶっちゃけ、最近暇だろ?」

争いのゴタゴタで、半ば搔っ攫うように領地を得たのだから、その支配者である魔王が暇なわけがない。

が、諸々の面倒なことは全部シーラに丸投げしているし、街中の治安はアリーナが面倒を見ていてくれる。

身の回りの事や生活面は、リラを筆頭に回しているし、孤児院の処遇のおかげで人手も何とかなっている。

ダンジョンを中心とした魔族領側の調整は、マイたちに任せてあるかし、今後の大まかな意向も伝えてあるから、カズトが手を出す必要はないと言えばない。


カズトとしても、スキルや称号について考察したり、実験をしたりしているが、今回の件で、人族だけでなく亜人族などからも人材を得ることが出来たため、大半を任せているから、あくまでも、趣味、暇つぶしの域を出なくなっている。


「でも、だからと言って、なんで冒険者?」

「いや、さっきルミナスが冒険者がどうとか言ってただろ?それで思い出したんだよ。そう言えば冒険者もいいなって、思ってたことを。」

「そんな軽々しいものじゃないと思うんですけどねぇ?」


冒険者と言えば、孤児たちの中でも、一獲千金を狙える職業として、目指す者が多い。

だからルミナスも色々と聞いて知識だけは持っている。

それらから判断して出した結論は「博打」だった。


確かに、腕を磨き、階級を上げて、見知らぬ遺跡から宝物を得るとか、ドラゴンなどの危険生物を倒して名を上げるとか、憧れ、目指す要素は大きい。

しかし、現実に待っているのは、地味で根気のいる依頼を粛々とこなし、危険を避けて生き延びるだけの才覚が必要であり、一歩踏み外すだけで、死が待っているという、自分の命をチップとした、分の悪い賭けでしかない。

それでも、冒険者になりたい、という志願者が後を絶たないのは、それ以外に道がないからだ。

すでに「魔王」として、その地位を確立しているカズトが、なぜ冒険者をやりたがるのか、ルミナスには理解が出来なかった。


「男のロマンだよ。」

そう、笑って言うカズトの気持ちや考えはわかる。分かるのだが、理解はできないルミナスだった。


その夜……


「カズトぉ……んちゅ……」

甘い声で囁くエルを抱きしめ、迸る情熱を吐き出すカズト。

しかし、エルがどこか不満そうな声で聞いてくる。

「ねぇ、昼間何かした?」

「いや、何もしてないぞ?」

なんでそんなことを?と思いながら答えるカズトに、エルは納得いかず、絶対何かしたはずと詰め寄ってくる。


「ちょっと、落ち着け。訳が分からないぞ。」

「だってねぇ、これ以上、エッチができないのよ?おかしいでしょ?」

「いや、おかしいって、そんな……。」

言われてみれば、先ほど精を放った後、カズトのソレは大人しくなっている。

「言われてみれば……。」

最近は、エルが「自重」しているため大体10ラウンドぐらいしかしていないのだが、今日はまだ3ラウンドしかしていない。なのに元気がなくなるというのは……。

エルは、おかしいことを証明するように、リラともう一人のメイドを呼び、二人に恥ずかしいことをさせ、それをカズトに見せつける。


「あの二人とやっちゃってもいいのよ?」

お互いに絶頂を迎えているところを見せつけられている時に、エルが耳元で囁く。

その言葉を聞いて、カズトも我慢の限界とばかりにお二人に襲い掛かるが……できなかった。

色々とご奉仕をしてもらい吐き出すことは出来るのだが、いざ本番、となると、急激に萎えてしまうのだ。


「何か思い当たることはないの?」

二人きりになり、エルが真剣な声で聞いてくる。

「と言われてもなぁ……。」

カズトはエルに、朝からの事をかいつまんで話していく。

そして、ルミナスとのイチャイチャトークに話が及んだ時、エルは頭を抱えた。

「はぁ、原因はそれね。」

「それって?」

「あなた達、お互い以外とエッチできないようにするって、言ったんでしょ?」

「言ったけど……ただの言葉遊びじゃないか。」

「あのね、「言霊」って知ってる?純粋な言葉には想いが宿り力を発揮するの。それを成すことが出来るのが「言霊使い」。断言するわ。ルミナスに「言霊使い」のスキルが生えてるわよ。」

「マジ?」

「えぇ。朝になったら確認するといいわ。」

「ちょ、ちょっと待てよ。確かにルミナスは言ったけど、俺は拒否したんだぜ?」

「でも心のなかで、「それもいいかな」って少しは思ったでしょ?」

「……まぁ……。」

否定はできなかった。


「私の場合はね、それ以上に強い「食事」という誓約があるから、エッチが出来る。それでもたぶん5回が限界。他の子たちでは、ルミナスとの間に紡がれた絆を乗り越えるだけの力がない。まぁ、アリーナ相手なら、お互いに本当にしたいと思えば、1回ぐらいなら出来るかもしれないけど……まず無理でしょうね?」

「え?じゃぁ、もしかして……俺はルミナスが大きくなるまで、エル以外とできないってこと?」

「そういう事ね。まぁルミナスがエッチできる身体になって、身体を重ねて、満足できるようになるまでは、言霊の強制力は続くでしょうねぇ。」

「待って……何とか解除できないのか?」

「無理ね。意識的にしたものじゃなく無意識だから厄介よ。無理やり解除するなら、彼女を洗脳して、何も考えられないお人形さんにするしかないけど……する?」

「却下に決まってるだろ。」

「じゃぁ諦める事ね。

「マジかぁぁぁぁぁッ!!!」


カズトの悲鳴が、部屋中に響き渡るが、いつもの事なので、だれも気にすることはなかった。


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