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魔王様のハーレムダンジョン ~俺は、ハーレム王になるっ~  作者: Red/春日玲音


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演習 3

「あわわ……。ゴブリンさんたちが押されてますぅ。コボルトさんたち、頑張って援護してくださぁい。」

リラが、アワアワしながらも、必死になって伝令を伝える。

カズトはそれを微笑みながら見つつリラの側に行く。


「リラ、こういう時はこう言うんだよ。」

カズトはそう言いながらリラの持つ伝声筒に口を近づけ、指示を飛ばす。


「左舷っ、弾幕薄いよっ!何やってんのっ!!」

「・・・・・・・・・。」

「・・・・・・・・・。」

「・・・・・・・・・。あのぉ、弾幕って何ですかぁ?後、左舷って……」

マイとミィの冷たい視線に加え、困惑したようなリラの声……どうやら滑ったらしいと、カズトが気づくには十分だった。

……くすん、そんな目で見なくたって……。


「ご、ごほんっ。冗談は置いといて、リラ、この後はどうする?」

ミィが背後から「本当に冗談?」という視線を向けてくるが、今は無視だ。


「あぅぅ……先程から城壁の守備兵の動きが変わりましたからぁ、ゴブリンさんたちの力押しでは難しいと思いますぅ。」

アワアワしながらも、しっかりと戦局が見えているみたいだ。マイの言うとおり、リラには素質があるのだろう。

足りないのは経験ってか……。


しかし、それは、城壁の向こうで指揮をとっている筈のシーラにも言えることだ。

――――さて、どっちに軍配が上がるか?

カズトの息がかかっている以上、どっちが勝っても問題ない。

だから、これは実戦形式の演習に過ぎないのだ。

しかし、緊張感を持たせるために、負けた方の指揮官には、きついお仕置きが待っている。

つまり、リラかシーラ、ついでナリーナも、この戦いに負けた方は、捕虜として捕らえられ、カズトが好きにお仕置きができるのだ。

しかも、お仕置きが終わるまで、エルには手出しをしないようにという取引も済ませてある。

……色々と条件を付けられたが、それでも、エル以外の女の子とエッチができるチャンスなのだ!

一人のリラより、シーラとアリーナという二人の方が、色々出来そうなので、心情的にはリラに頑張ってもらいたいところだ。


そんな下衆な考えをしているとは知らずに、リラは一生懸命、頭を悩ましている。

時折、何かを聞きたげに、視線がカズトに剥くが、その都度、マイに窘められている。

今回のことは、リラにとっても、マイから課せられた重要な試験となっている。

今回の件をクリアすれば、リラは名実ともに「バトルメイド長」の資格を与えられ、その行動に制限がなくなる。

もしくは、「お勤めを終えた」という事で、奴隷身分から解放される。

……実際には奴隷ではないのだが、形式上「村を助ける代価」という事で奴隷扱いになっている。

ただその場合、カズトには何のメリットもないので、「エルの邪魔が入らないところで、一晩可愛がってからの解放」という条件は譲らなかった。


最近、エルのせいで忘れられがちではあるが、カズトの野望はハーレムなのである。ハーレム要員を手出しもせずに解放するなんてことは、世界が許してもカズトは許さない。エッチができる女の子を手に入れるためなら、神をも敵に回すことを辞さない……それが、カズトのジャスティスである。


カズトがそんなことを考えているうちに、戦局が変わりつつあった。

「ゴブリンさんたちの援護に、オオカミさんたちを1000回しますっ!城壁を崩さなくてもいいので、敵の目を引き付けておいてくださいっ!」

ゴブリンたち前衛部隊が攻めている東門付近の防御が厚くなっているのを見て、リラはさらなる戦力の追加を試みたようだ。

しかし、カズトにはそれが悪手に見える。

―――戦力の逐次投入は、負けフラグなんだよなぁ。

戦力差がある場合、多数戦力側が陥りやすいポイントだったりする。

なまじ、戦力に余裕があるから、ついつい、少しずつ投入してしまうのだが、この場合は、圧倒的戦力をもって押しつぶすのが正解なのだ。

とはいうものの、守備側もそれがわかっているため、大戦力が運用できないように工夫し、逐次投入を誘うのが王道でもあるため、そう簡単にはいかないというジレンマがある。

そんなことを考えている間にも、リラの指示は飛ぶ。


「おおかみさんの残りは南門に、オーガさんたちも一緒に行ってください。オークさん、トロールさんは北門へ向かって、城壁を壊してくださいっ!」


―――なるほど、東門に防衛戦力が集中しているから、そのすきに他の門を落とそうってわけか。

しかも、その作戦を気づかれても、東門の魔物を増強しているから、防御側は援護に行けない、よく考えられてるな。

よしよし、これでシーラとアリーナをたっぷりと可愛がれるな。

もう勝負が決まったも同然、とほくそ笑んでいると、慌てた様子で報告が上がってくる。


「南門の城壁にカタパルト多数っ!ウルフ達ですから、何とか躱していますが、近づけませんっ!」


「北門のオークたちが次々と倒されていますっ……アリーナ様ですっ!アリーナ様一人に、オーク。トロール混成軍が足止めされていますっ!」


「な、な、な、にゃんでぇ、ここにアリーナお姉さまが出てくるんですかぁっ!」

報告を受けたリラがパニックを起こす。

「まぁ……アリーナが戦ってはいけないって取り決めはしていなかったからなぁ。」

俺がそうつぶやくと、リラはわなわなと震えだす。

「そうですか、そうですかぁ……だったら、徹底抗戦ですぅ、下克上してやるですぅっ!」


……あ、壊れた?


「いいですよぉ、そっちがその気ならぁ……。メイ様、バトルメイド一個小隊を引き連れて出陣ですよぉ。目標はアリーナお姉さまですぅ。恥ずかしい格好で捕らえてカズト様の目の前に引きずり出すのですよぉ!シーラ様は裸で逆さづりですぅ。」


……ヤバい、目が完全に座ってる。

っていうか、メイの導入は反則だろ……って、こっちもダメとは言ってなかったか……。


リラの座った目を見て、カズトは、この作戦は失敗だったかと思う。



「ガイゼルさんっ、Bランク以上の冒険者を数組南門へっ!ウルフ達を門に近づけなければいいので、カタパルトの援護主体でっ!」

伝声管を使って、前線で指揮を執るガイゼルにそう告げるシーラ。


「近づけなければいいって言っても、明らかに戦力不足だ。あの数相手じゃ二日も持たねぇ!」

動揺を隠せないガイゼルの声にシーラは厳かに告げる。

「1日持てばいいのです。明日の夕刻まで守ることが出来れば、我らの勝利。これはそう言う戦いなのです。だから、何が何でも、死守しなさいっ!」

「そういう戦いって……どういうこと……」

「早くいきなさいっ!」

ガイゼルの言葉を遮り、通話を終えると、物見やぐらにつないで、北の様子を確認する。


―――こういう時、あの拠点のシステムのありがたさがよくわかるわぁ。あれは反則だよぉ。


小さな虫や小動物を模した小型ゴーレムに備え付けられたカメラアイ。

それらを通してみた映像が、ほぼリアルタイムで、メインルームのモニターに映し出される。

さらには、数は少ないものの、指揮官には通信魔道具を使って、リアルタイムに伝令を直接送れるとなれば……


「いくら指揮するのがリラだからといって、まともにやって勝てるわけないじゃないっ!」

だから、北門にアリーナを送った。

彼女ならオークやオーガが来ても、大丈夫だろうと。

そして目論見通り、北門に奇襲をかけようとしたオークたちを一掃したと先程報告が上がっている。

様子を見て大丈夫そうであれば、アリーナを南に向かわせたいと思い、物見やぐらからの報告を待つ。


実を言えば、シーラの持つスキル「千里眼」を使えば、各地の様子をリアルタイムで確認することは訳ないのだが、使用中は無防備になり、しかも他ごとが出来なくなるため、指揮をする立場では、よほどのことがない限り使用できない。また、使用できたとしても一瞬だけに限られるという不便さがある。

つまり、彼女の特性を生かそうと思えば、指揮官ではなく斥候にするべきなのだが、今はそうもいっていられない。


「姫様っ!アリーナ様が苦戦していますっ!」

伝声管からやぐらからの報告が聞こえる。

「苦戦?そんなはずは……」

シーラは一瞬考え、すぐにその考えを実行に移す。

スキルを使用すること……現状のアリーナの様子を確実に掴むことこそ、この後の戦略に繋がると考えたのだ。


そしてスキルを通してシーラが見たものは……


「にゃんでメイさんがいるにょよぉっ!!」

シーラの叫びは、おりしも、リアが叫んだ言葉と同意語だった。










2025年、皆さまに支えられてきました。ありがとうございます。

来年度も変わらず応援よろしくお願いいたします。

皆様、よいお年を。



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