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魔王様のハーレムダンジョン ~俺は、ハーレム王になるっ~  作者: Red/春日玲音


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11/51

王国にて……

 玉座の間には、朝の冷えた空気が残り、天窓から差す光が王の背後に長い影を落としていた。

   重々しい沈黙のなか、ゲール子爵は深く膝をつき、額が床に触れんばかりに頭を下げている。

「陛下――この度、世間を騒がせております噂について、弁明の機会を賜り、恐れ入ります。」

 王は玉座の肘掛けにゆったりと身を預け、静かに目を細めた。

「ゲール卿。そなたの子息ハルゲルが反乱を企てているという噂……“事実か否か”を確かめるために呼んだのだ。聞かせよ。」

 子爵の肩がびくりと震えた。だが、必死に声を整え、絞り出すように言葉を続ける。

「根も葉もない噂にございます!

   すべては、あの愚かな息子が――シーラ公女殿下の護衛任務で失態を犯し、その責を逃れるために、公女をお救いになった商人に濡れ衣を着せようとしたことが発端にございます!」

 玉座の間に微かなざわめきが走る。

   王は一度、深く息を吐いた。

 ゲール子爵は顔を上げぬまま、さらに続ける。

「その騒動が、いつしか魔物による辺境襲撃の話と結びつき……“ハルゲルが何かを企んでいる”などという、荒唐無稽な噂へと歪んでしまいました。

   陛下に余計なご心労をおかけしたこと、誠に……誠に申し訳ございません!」

 床に落ちる声は震え、玉座の広間にかすかに反響した。

 王はしばし沈黙したのち、静かに立ち上がる。

   その一歩ごとに、重厚な靴音が響き、子爵の背筋がさらに強張る。

「……そなたの働きは、これまで疑いようもなく国に尽くしてきた。

   故に、今回の件――子息への処分は、ゲール卿、そなたに任せよう。」

 子爵は驚きに目を丸くし、次いで深く、深く頭を垂れた。

「は……はい……! 陛下のお慈悲、ありがたく……必ずや、わが家の責として正しき処分を……!」

 王は背を向けながら、最後に鋭く言い放つ。

「国を乱すのは、敵ではない。無思慮と驕りだ。

   ……しかと肝に銘じよ。」

 ゲール子爵は震える声で「御意……」と答え、玉座の間に再び静寂が満ちた。


 玉座の間の緊張がいったん解けかけたところで、王は重く息を吐き、家臣たちを見渡した。

「――さて、それとして。辺境の件、放っては置けぬな。」

 その一言で、場の空気は再び張りつめる。

   左右に並ぶ将軍、文官、魔術師団長たちがそれぞれ身を引き締め、王の視線を受け止めた。

「近頃の辺境の村々への魔物襲撃……家臣らよ、今のうちに意見を述べよ。」

 まず口を開いたのは軍務卿だった。

   白髭を撫で、鋭い眼光で地図を指し示す。

「報告によれば、魔物どもは集団で動いております。単独行動が常の連中が、まるで隊列を組み、狙いすましたように村を襲うと……。

   これは――誰かが、指揮しておると見るべきでしょうな。」

 その言葉に、ざわめきが広がる。

 魔術師団長が一歩前へ出て、低く呟いた。

「“魔王”の再来……民の間ではそう囁かれております。

   真偽は定かではありませんが、魔物の動きの変化が事実である以上、無視はできませぬ。」

 別の文官が顔色を変えながら報告する。

「さらに、辺境の北東部に“新たなダンジョンが開いた”との噂もございます。

   商隊の一部がその付近で行方不明になったという報告も……」

 王は眉間に深いしわを寄せた。

「つまり、統率された魔物、魔王の影、ダンジョンの発現……どれも確証はないが、放置すれば脅威となる可能性は高い、ということか。」

 家臣たちは次々と意見を述べ始める。

「辺境に増援を送るべきです!」

「いえ、無闇に兵を割けば、国境が手薄になります!」

「調査隊を編成しては――」

「まずは情報収集を優先すべきかと!」

「魔術師団の派遣も――」

 声が交錯し、玉座の間は次第に混沌とした議論の渦となる。

   誰もが危機を訴えるが、決定打を示せる者はいない。

   机上の案は積まれるばかりで、結論は霧の中のままだ。

 王はしばらくそれを聞き続けていたが、やがて玉座にもたれ、天井を仰いだ。

「……ふむ。これほど意見が出てなお、ひとつとして形にならぬか。」

 時だけが無情に流れ、外の太陽は傾き始めている。

   家臣たちの声はまだ止まらない。

 緊迫した空気の中、国を揺るがしかねない“何か”への恐れだけが、確実に玉座の間を満たしていた。

 議論はすでに堂々巡りに陥っていた。

   声を荒げる者、腕を組んで黙り込む者、うつむいて書類を弄ぶ者――

   玉座の間には、誰もが薄々「このままでは埒があかない」と感じ始めた、重く濁った空気が漂っていた。

 そんな中、列の後方から、控えめながらもよく通る声が上がった。

「……陛下。ひとつ、提案がございます。」

 王も家臣たちも、半ば疲れたような表情で声の主へ視線を向ける。

   発言したのは、普段あまり目立たぬ書記官のひとりだった。

 彼は緊張で喉を鳴らしつつも、勇気を振り絞って続ける。

「冒険者ギルドに――依頼を出しては如何でしょうか。

   魔物討伐、ダンジョンの有無の調査、村々の護衛……冒険者たちは動きが早く、地理にも長けております。

   彼らが得た情報を集めれば……より確度の高い判断材料が得られるかと。」

 玉座の間は、一瞬だけ静まり返った。

 そして次の瞬間――

   それまで反論に反論を重ねていた家臣たちが、まるで堰が切れたように頷き始める。

「……確かに、それなら早い。」

「兵を無闇に割かずに済むな。」

「冒険者の中には一流の者も多い。調査には適任だろう。」

「第一、彼らなら現地の動きを即座に報告できる!」

 先刻までの不毛な言い争いはどこへやら、妙に軽く、安堵を含んだ声が次々と上がる。

 王は少しだけ目を見開き、やがて納得の息を落とした。

「……なるほど。確かに、冒険者の活用は悪くない。

   彼らは民に近く、動きも早い。辺境の実情を探るには適した手だ。」

 それは、疲弊しきっていた議場にとって、ようやく“掴める現実的な答え”だった。

   誰もが内心、同じ思いを抱いている――

   やっと、話が前へ進む……。

 王は執務官に命じる。

「冒険者ギルドへ正式に依頼を出せ。

   内容は、魔物の討伐、辺境の村々の護衛、そして――ダンジョンの真偽の調査だ。」

「はっ!」

 命が下ると同時に、玉座の間に滞っていた澱んだ空気がようやく動き出した。

   家臣たちはほっと息をつき、先ほどまでの停滞が嘘のように活気を取り戻していく。

 こうして、長い膠着の末、ようやく“動き出すための一手”が打たれたのであった。


 ◇ ◇ ◇


 一方その頃、ダンジョンでは……


 むにゅ……。柔らかな感触が手のひらいっぱいに広がる。

「ゃ……恥ずかしいです……」

 羞恥心に震えるリラの声が、部屋に響く。月明かりだけが差し込む薄暗い寝室で、二つの柔らかな肢体が絡み合っていく。

 俺は、エルと、村長の娘……リラが絡み合っている姿をただ見せられていた。

 二人の艶めかしい痴態は、やがてリラが果てて気絶するまで続けられ、俺はただ、それを見せられるだけだった。

「なぁ。なんでお預けなんだよ。」

「あら、したいの?」

 エルが妖艶な笑みを浮かべ、からかう様に聞いてくる。

「当たり前だろ!そのオッパイは俺のもんだっ!」

 そう言って、リラに襲いかかろうとするも、エルにあっと言う間に組み伏せられ、アーッさせられてしまう。このテの事では、エルに勝てる気がしない。

「リラちゃんは未経験で男の人が怖いの。だから、私がしっかりと教育してあげるから、大人しく待ってなさい。」

 エルが、俺を絞り取りながら言う。この状況では、俺は、頷く事しかできなかった。


 実に平和なひと時だった……。

ハーレム計画が着々と進んでいるように見えて……



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