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魔王様のハーレムダンジョン ~俺は、ハーレム王になるっ~  作者: Red/春日玲音


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村娘、ゲットだぜっ!

「さて、そろそろ答えを聞こうか?」

俺は近くの村の村長宅で歓待を受けている……わけではなかった。

目の前には村長と、その娘。そしてそれを遠巻きに見つめている村人たちの姿がある。

「ぐぬぅ……しかし……」

「悩むことはないだろ?娘を1か月ご奉仕に出す、それだけでこの村の平和が保たれるんだ。娘さんだって、仕事内容は俺への奉仕。俺のところにいる間は、衣食住は保障されるし、少ないけど給与だって渡す。望むなら継続勤務も可能……こんな破格な条件はないだろ?」

「しかし……年頃の娘を差し出すというのは……」

「おいおい、勘違いするなよ。その言い方じゃぁ、俺が生贄を求めているみたいじゃないか。あくまでも商品に対する代価として労働力を求めた……そうだろ?」

俺は嘗め回すように、そばに控えている村長の娘を見る。

俺の視線を受け、彼女は「ひぃっ」と小さな悲鳴を上げる。

「しかし……」

「おい、いい加減にしろよ。俺は善意で言ってるんだぜ。いやなら断ればいい。俺たちはすぐにでも出ていく。……後のことは知らんぞ?」

俺がそう言うと、周りの村人がざわめく。

現在この村を、無数の魔物が取り囲んでいて、一歩でも村を出ると襲われる、という状況になっている。

今現在、村の中まで魔物が入ってこないのは、偶然通りがかった商人の俺が、村を守るために、高価な商品である結界石を設置したから……ということになっている。

まぁ、実際は、ただの石だからそんな機能はなく、魔物が襲ってこないのは、そういう命令をしているからなんだけどね。

そう、今、周りを囲っている魔物は、みんなダンジョン産の魔物であり、ダンジョンマスターである俺の指揮下に入っているのだ。

そんなことを知らない村人たちは、ただの石を本当に効果がある結界石だと信じ込んでいるというわけだ。そして、その結果遺跡の代価に、俺は若い娘を差し出せ、といっているわけだ。

「そうだなぁ。そこの娘さんがダメなら、他の娘でもいいが、こちらの条件を拒否したんだ、最低3人は差し出してもらうぞ?」

「そんな無茶な……」

「酷いだろ、足元みやがって!」

「横暴だ!」

村人の誰かがそうつぶやくのを皮切りに不満の声が広がっていく。

「無茶だなんて……ひどいだなんて…………そんなこと……言わないでください。」

その村人に応えるように、メイド服姿のミィがか細い声でいう。

「ご主人様は……私のたってのお願いで、この村を助けようとしてくれているのです。」

ミィの声が静寂の中に響く。

「私たちは少し前に、行商のためこの村の近くに来ました。その時、偶然ではありますが領主様のご息女を野盗たちからお救いしたのです。」

突然語りだしたミィの言葉に、村人たちが耳を傾ける。

「しかし、なんていうことでしょう、姫様の護衛隊長だったハルゲルという男が、自らの失態を隠すため、ご主人様を、姫様を攫った犯人だと主張し、捕らえて拷問したのです。その後、何とかご主人様を開放することが出来たのですが、そんな冤罪をかけるような領地に誰が居たいと思うでしょうか?無実の商人に拷問を課すような貴族を野放しにしている領地で商売したいと、誰が思いますか?だから私たちはこの国を出る途中でした。そんな折に、魔物に襲われているこの村を見つけたのです。ご主人様は当初、素通りしようとされました。それも当然でしょう、自分に冤罪をかけ、謝罪の一つもない領地の村など、助ける危険を冒すまでもないのですから。さらに言えば、村を助けたのに、「魔物をけしかけたのはお前だろ」とまた冤罪を掛けられては適わないとまで言われました。」

ミィの語りに、村人たちは、息をするのも忘れたように、固唾をのんで耳を傾ける。

「そんなことはない、と私は言えませんでした。現に、通りすがりに姫様を助けただけなのに、犯人だという貴族がいるのですから。さらに、周りはそれに反対を唱えることもない有様ですから、ここで危険を冒して村を救っても、感謝すらされず、損失を出してまで後味の悪い思いをさせることなどできないと思いませんか?」

ミィがそう言うと、村人たちの何人かが視線を避けるように顔を背ける。

俺が、村を救った……たとえ、それが自作自演だとしても……のは間違いない。

そのことに対し、感謝の言葉の一つも口にしていないことに気づいたのだろう。

「だけど……それでも、私は、ご主人様にお願いしたのです。……この村を助けてくださいって……。魔物に襲われ、村をなくして悲しい思いをするのは私だけで沢山だと……。」

ミィはそう言って泣き崩れる。……演技派だなぁ。実情を知っている俺でさえ、本気で同情したくなってるぞ。

「ひっく……ぐすん……。そんな私のお願いを……ぐすっ……ご主人様は叶えてくれたのです。ぐすっ……仕入れ値で金貨2枚……場所によっては金貨10枚以上で販売できる、高価な結界の道具を使ってくださって……。もちろん、この損失は、私が一生かけて返済するつもりです……全然足りないでしょうけど……そんなお優しいご主人様に向かって、「酷い」なんて言わないでください……。」

ミィはそこまで言って、わぁっと泣き崩れる。

それを優しく抱きかかえ、支えるマイ。

「村の皆さまの言いたいことも分かりますが、私どもも商人の端くれ。無償で商品をお渡しするなんてことはできないのです。それはご理解いただけますでしょうか?」

マイはミィを支えながら村人たちを見まわす。

「誠に失礼ながら、今現在結界を張っている魔道具は、当方の値付けで金貨7枚ですが、支払い能力はないでしょう?」

マイがそう言うと、村人たちは視線を逸らす。

この世界に流通する貨幣価値は、物価諸々の違いから、単純に円換算はできないが、それでも大雑把に換算すると、銅貨1枚=100円、銀貨1枚=1万円、金貨1枚=100万円といったところだ。

マイが提示した金貨7枚……700万円は村人たちにとっては見たこともない金額だろう。

それでも平素であれば、村中からかき集めれば何とかなったかもしれないが、おりしも、徴税後であり、色々物入りで出費がかさんだ直後のことである。金貨1枚でも厳しい事だろう。

「さらに失礼を重ねますが、そちらの村長さんの娘さんですが、生娘であったとしても、奴隷商への売値が、いいところ銀貨十数枚、奴隷商が売値をつけても、金貨1枚に満たないでしょう。 その娘さんを買い取るのではなく1か月のレンタル、しかもその間の給金まで出すというご主人様の破格な計らいに対し、文句を言うなんて……やはり、ハルゲルとかいうクズがいる国は村人までクズなのですね。……ご主人様、これ以上は時間の無駄です。笹後この国を出ましょう。」

そう言って立ち上がるマイ。

「お姉さま……。」

悲しげにつぶやきながらも、仕方がないという風に立ち上がるミィ。

そこに、扉を開けて入ってくるメイ。

「マスター。結界の出力を上げないと押し切られそうだ。魔石の投入はどうする?」

このままでは結界が破られると告げるメイの言葉に、村人たちがざわめく。

「メイ、放置しておきなさい。結界が破られれば、結界石はただのガラクタになってしまいます。高価な魔石を投入することで、強度が増し、今の倍の魔物の脅威からも耐える事が出来るでしょうが、ここの村は支払いを拒否しました。高くついた勉強代だと思ってあきらめましょう。私たちが出ていくまでは持つのでしょう?」

「いいのか?今すぐ回収すれば、まだ使えるぞ?」

「いいのですよ。ミィちゃんの優しさに免じて、それぐらいはサービスしてあげましょう」

そう、微笑むマイ。

なんて説明的なセリフのやり取りなんだ。メイなんて完全棒読みじゃないか……ってか、メイに演技なんか期待できないから、外で待機させていたわけなんだけどね。

魔物に襲われている村を、偶然を装って助けに入る行商人。

使った魔道具が、しっかりと効果を発揮しているところを見せたうえで、代価の交渉として娘を差し出すように迫る。

村人が憤るのは想定内。そこに、助けるいわれがないのに、部下のお願いを聞いて助けるという寛大な主人を演出。その中で、この領地を納めている貴族にいかに酷い目にあわされたかを強調、お前らが苦しんでいるのも、その貴族のせい、と原因を擦り付ける。

村人たちに動揺が入ったところで、こちらは別に助けなくてもいいんだ。今回は部下のお願いを聞いて起こしたただの気まぐれ。だから破格な条件だった。無理に助けさせてくれ、という義理もないのだと立ち去ろうとする。

さらにそこに危機感をあおるメッセージ。そして選択によってどうなるかを、さりげなく説明させることで、もう選択の余地はないと思わせる。

……すべてエルが描いたシナリオだ。

そしてその結果が……。


「お願いです。カズト様のもとに参りますので、村を救ってください。」

村長の娘が、頭を下げてお願いしてくる。

「……少し遅かったわね。もはや、あなたの労働奉仕だけでは済まない問題なのよ。」

マイが冷たく言い放つ。

「そんなぁ……お願いですっ!奴隷でもなんでもなりますからっ!」

マイ相手ではどうしようもないと思ったのか、村長の娘は俺に縋りついてくる。

交渉相手を瞬時に見定めるあたり、なかなか頭がいい。さらに言えばオッパイも大きい。

俺は気づかれないようにマイに視線を送る。

マイは小さくうなづき、近くにいた二人の娘を連れてくる。

「アナタとこの娘たちが奴隷になる、そして、月に一人若い女性を労働力として差し出すというのであれば、強化した結界石を設置、移動用の小型結界石をいくつか貸し出しましょう……ご主人様、それで如何でしょうか?」

……うーん、ここまで上手く嵌るとは……エルの奴、すげぇ。

そんなことを考えながら、俺は苦渋の表情を作って見せる。

「この村って、ハルゲルの野郎の実家が代官で治めてるんだろ?そこまでしてやる必要があるのか?」

俺の言葉に、村長の娘は、助けて、というように必死にしがみついてくる。

「ハルゲルが悪くても、村の人に罪はないの……お願い、おにいちゃん。」

ミィが両手を組み、お願いポーズで見上げてくる。演技だとわかっていても……破壊力が半端ねぇ。しかも「おにぃちゃん」だとっ!コレは……ヤバい。どれくらいヤバいかというと、例えばここに核ミサイルの発射ボタンがあるとしよう。押せば人類が滅ぶ。それがわかっているから、決して押してはならないボタン。威嚇、牽制、抑止力の為のものであり、未来永劫、決して押されることの無いボタン。

しかし、目の前のミィに「押して♪」と言われたら、俺は躊躇いなく押すだろう。その結果が、全人類を滅ぼすことになるとしても……。それくらいのヤバさだ。

「とはいってもなぁ、その娘たちだって奴隷にはなりたくないだろうに。」

俺は、平静を装いつつ、ミィからの視線をそらすため、いきなり引き出された二人の娘に視線を向ける。

「あ、いえ、その……。」

「えっと……。」

戸惑う二人。それも仕方がないだろう。自分たちが奴隷になるといわなければ、村は全滅するのだ。だけど、だからといってすぐに奴隷になる、とは言えないのだ。

「マスター。私からもお願い。この娘たちだって、自分の立場はよくわかっているから嫌とは言わない。」

そうだよね?とメイにみつめられ、はい、とうなづく、二人の村娘。

「……しょうがねぇなぁ。お前らの頼みじゃ聞かないわけにもいくまい。……ということで、いいかな村長さん?」

これで、「三人の可愛い部下の頼みで、しぶしぶ頷いた俺」という図式が出来上がる。

これは、マイたちの頼みなら聞くという甘いご主人であるという認識を植え付けるとともに、マイたちのおかげで救われたのだ、という認識を、村人達に刷り込むための布石だった。

そして、俺は最後の決断を村長に振る。これで彼が頷き、書類にサインすれば、この三人は俺のものだ。

そして、事ここに至って、村長が反対などできるはずもなく、三人娘を連れて、拠点のダンジョンへと帰るのだった


R18方面に行きそうになるのを、必死で抑えて……R15はどこまで許されるのだろう?



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