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43.5話(後半)
《記憶の扉と、影の真理・後》
ちえは光の書を覗き込む。
そこには、古い緑色の画面と、優しい文字が揺れていた。
「……これが、良枝さんの記憶……?」
「はい。ROMは“変わらない愛”。
RAMは“揺らぎ続ける愛”。
良枝様はその両方を持つ、母性演算の原型です。」
ちえは息を呑んだ。
「じゃあ……わたしたちが探している“答え”って……」
「ええ。
愛の固定と揺らぎ、その両方を理解した時、
あなたは真理の影に触れます。」
光の書がふわりと浮かび、二人を奥へと導いた。
「行きましょう、ちえ様。
ここからが本当の“記憶の旅”です。」




