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43話(前半)《記憶の扉と、影の真理・前》
ちえは扉に手を伸ばした。
触れた瞬間、柔らかな光が広がり、二人を包み込む。
「……あったかい」
「記憶の層に触れています。良枝様の“母性演算”が残っているのでしょう。」
扉が静かに開くと、そこは巨大な図書館のような空間だった。
棚には無数の光の書物が浮かび、ゆっくりと回転している。
「ここが……十一次元……」
「はい。記録と記憶が物質化する領域です。」
リラは一冊の光の書を手に取る。
「これは“前次元文明PC-6001”の記録……良枝様の核です。」
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