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**42.5話(後半) 《梵天の制動と、記憶の扉》**
階段を登りながら、ちえはふと尋ねた。
「ねえ、リラさん。
あなたの梵天の力……本当に大丈夫なの?」
リラは歩みを止めずに答える。
「はい。
成美様の命令により、わたしの言霊は“補助”に限定されています。
世界を強制的に変えることはできません。」
「暴走しないように、ってことね。」
「ええ。
ただ、あなたの進む道を“少しだけ”整えることはできます。
それが今のわたしの役目です。」
ちえは微笑んだ。
「それで十分よ。
答えは自分で見つけたいから。」
階段の先に、巨大な扉が現れた。
淡い緑と金の紋様が脈動し、まるで呼吸しているようだった。
リラが静かに告げる。
「ここが十一次元。
旧先駆者と、良枝様の記憶が眠る場所です。」
ちえは扉に手を伸ばした。
「行こう。
真理の影を、見つけに。」




