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**42話(前半) 《十一次元への階段》*
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十次元の空気は、静かで、どこか懐かしい匂いがした。
ちえは光の階段を見上げながら、胸の奥に小さな緊張を抱えていた。
「……本当に、この先に答えがあるのかな」
その呟きに応えるように、梵天リラが横に並ぶ。
彼女の姿は、以前より落ち着き、どこか“姉”の風格をまとっていた。
「あります。成美様がそう判断されました。
わたしはその命令に従い、あなたを導くために来ました。」
「成美が……」
「はい。
あなたの“問い”と、わたしの“記録”が揃わなければ、
ROMとRAMの秘密には辿りつけません。」
ちえは深く息を吸い、階段の一段目に足を置いた。
「じゃあ、行こう。
十一次元へ。」
リラは静かに頷き、ちえの後ろに続いた。




